おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

基本  (第1370回)

これから第七章の「地方自治」に入ります。私の情報不足かもしれないが、地方自治に携わっている方々からの本件に関する意見というものを、あまり聞かない。これはもしかしたら当方が東京に住んでいるからであって、地方の議会や報道では話題になっているか…

会計検査  (第1369回)

今回は第七章「財政」の最後に置かれた二か条です。会計検査というのは、一般に国民にとって余り身近なものではないと思う。詳細は書けないが、私は会計検査院に呼び出されたことがある。ただし、「容疑者」としてではなく、一応「被害者」の側だったのだが…

皇室と宗教に関する財政  (第1368回)

今回は少し強引な展開になるかもしれない。報道によると、わが首相はまた改憲についての言い回しを改めており、「日程ありきではない」と仰ったらしい。今までは、日程ありきだったらしい。内閣にお家騒動が相次ぎ、このままではお取り潰しではという危機感…

毎年度会計  (第1367回)

財政の章において、改正草案は第86条に新しい項を三つも新設した。他に例を見ない。よほど言いたいことがあるらしい。間もなく内閣の改造があるそうで、どうやら財政の担当大臣A君は留任するらしい。改正草案にも尽力された由、彼の主張として聞こうか。現在…

今日も頭がもつれている  (第1366回)

はたして、どうなるのでしょうね、憲法改正のお話しは。国会議員や報道機関にとっては、それどころではない疑惑や不祥事が多いようで、いま自民党の改正草案がどういう位置づけになっているのかさえ、私には分からなくなり申した。 しばらく様子を見ていたの…

ここからはお金の話  (第1365回)

憲法の第七章は「財政」です。前回、改正草案では、ここに追加新設の条項が多いと書きましたが、さっそく冒頭の第84条からお出まし。いつものように並べます。【現行憲法】第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければな…

しばらく休んでおります  (第1364回)

第六章の「司法」が終わったのを機に、しばらく休みました。これは主に、別のサイトで「伯父の戦争 祖父の人生」というテーマで集中的に書いていたため、余力が無かったからです。 このあと第七章が「財政」、第八章が「地方自治」です。一休みのもう一つの…

遠い夜明け  (第1363回)

あれと言う間に、通常国会が終わってしまった。憲法改正も宙に浮いたままで、少なくとも強引にどこかへ進むほどの余裕がなかった。それより、個人的に不気味に思うのは、教育のことだ。 今年に入ってから、事が多い。教育勅語の幼稚園の話から、口利きと公金…

分を弁える  (第1362回)

最初に、前々回から前回にかけての話題で、書き忘れたことがありましたので追記。前々回、「分限」という言葉について書いたものを再掲します。 「分限」という言葉が、改正草案の追加事項として出てくる。人事院のサイトに、分限制度の概要説明がありました…

国民審査  (第1361回)

先日、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立しました。長すぎて覚えられない。改正後は、治安の維持が目的なのだから治安維持法と呼んでほしい。叩き壊された過去の法律と全く同じでは紛らわしいなら、シン…

身分保障  (第1360回)

今回と次回は司法の条項のうち、第77上および第78条。まずは、いまの憲法と改正草案の比較からです。 【現行憲法】第七十七条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。 …

良心に従い  (第1259回)

ようやく第六章の「司法」に入ります。最初の第76条については、改正草案も仮名遣いを改めているだけのようなので、いまの憲法条文を読むだけといたします。【現行憲法】第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判…

言いたい放題の理由  (第1258回)

今回をもちまして、第五章の「内閣」が終わります。該当箇所について、いまの憲法と改正草案を併記します。最近、文章がまた荒れてきたので、今日はおとなしく済ませたい。【現行憲法】第七十四条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理…

総理と内閣の権限を増やしたいです  (第1257回)

憲法第72条は内閣総理大臣の仕事、また、次の第73条は内閣の仕事を、それぞれ定めている。いまの憲法は以下のとおり。【現行憲法】第七十二条 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部…

法三章  (第1256回)

とにかく改憲したいらしい。私も、まずは一とおり今の憲法に目を通すという作業を、優先しないといけないと感じるようになってきた。前にも書いたような気がするが、極右の言論人の中には、憲法は国家の統治機構だけ定めればよいという主張がある。 統治機構…

シビリアン・コントロール  (第1255回)

憲法第66条は、内閣の構成(第1項)と責任(第3項)という基本的な定めを示している条項であるが、本日は残る第2項を話題にします。改正草案が、主張したいことがある風情なのだ。【現行憲法】第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内…

第五章の内閣に進みますが...  (第1254回)

歯切れの悪いタイトルで恐縮ですが、私の責任ではない。そのテレビ番組は観ていないのだが、新聞やネットの報道によると、我が内閣総理大臣におかれては、憲法9条に関し党内でしっかり議論して、今年中に改正案をまとめ、国民に示すと仰ったらしい。 ほんの…

いま忙しい  (第1254回)

今回で「第四章 国会」の第一次独学を終わります。章の終わりに近いとはいえ、三権分立の支えとして重要な条項だと思います。【現行憲法】第六十三条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案につ…

証人喚問  (第1253回)

【現行憲法】第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 改正草案は、変更なしなので省略。先日、久しぶりに、この第62条に基づく証人喚問があり、世間を騒がせた。テレ…

衆議院の優越  (第1252回)

衆議院(下院)は解散の制度があるので、任期が短いから民意に近いので、参議院(上院)より優越するというウィキペディア等の説明ぶりは、これまで述べてきた理由により、本質論と結果論をごちゃまぜにしただけのもので信用に値しない。 そんなに最新の民意…

ひみつ  (第1251回)

毎朝、シジュウカラの鳴き声が聞こえる季節です。今回は第56条と第57条。改正草案は、私がみたところでは第57条に変更はないので、第56条のみ引用します。【現行憲法】第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決す…

三分の二  (第1250回)

こうして逐条で読んでみるのも時間の無駄ではなかったなと思うことの一つに、それまで「三分の二以上」が必要という条件がある定めは、憲法改正の第96条しか知らなかったのだが、これから何回か出てくる。 先取りして例示だけすると、第55条の議員の資格喪失…

不信任の決議  (第1249回)

前回の続きです。第54条の改正案を再掲する。今回は、その全条項案を記載します。【改正草案】(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会) 第五十四条 衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。 2 衆議院が解散されたときは、解…

衆議院の解散  (第1248回)

難題でございます。今回だけでは終わりそうもない。世間でも議論が多いらしい。さすがに憲法学者の中にさえ、ここは何とかしないといけないという意見があると、新聞で読んだ覚えがある。もっとも、このブログは法学を語る場所ではない。これまで世の中で学…

ただいま頭を冷やしています  (第1247回)

しばらく更新をとめているのにはわけがあって、ただいま頭を冷やしております。理由は、ここに書く文章が荒れてきたからです。そもそも、憲法を知りたいという単純明確な動機で始めたのに、だんだん政治的になってきた。 今の政治が憲法改正に大きく傾いてい…

あたらしい憲法のはなし  (第1246回)

「みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとう/\おかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。…

召集と招集  (第1245回)

第52条と第53条には、ちょっと久しぶりにという感じだが、改正草案に追加の記載がある。次の第54条には、ちょっとどころではない追加があるのだが、先を急がず、両条の違いを見比べてみる。 【現行憲法】第五十二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。 …

或阿呆の一生 【一休み】  (第1244回)

「この私はせっかく大臣になりました。ところが騒動が起き、総理にジニンせよと言われました。私は学がありますので、芥川龍之介の小説のタイトルが頭に浮かび、阿呆であることを自認せよと言われたものと理解したのですが、なぜかせっかく大臣になったのに…

不逮捕特権というらしい  (第1243回)

そういう言葉を知らなかったが、法の内容は聞いたことがある。国会議員は会期中なら逮捕されない。これを「不逮捕特権」と呼びならわすということを、改正草案が付けたタイトルで知った。文面は変わっていないので、いまの憲法だけ転記します。第五十条 両議…

定数削減のこと (第1242回)

本日はできるだけ、穏やかに、あっさりと。国会関係の条項は、まだまだ第64条まである。先はものすごく長い。今回は第48条と第49条。改正草案に変更点はない。第四十八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。 第四十九条 両議院の議員は、法律の…