おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

思い出話  (第1293回)

重松清「その日のまえに」の感想文に戻ります。7作品ある短編のうち、最後の3編は同じ家族の物語。主人公は語り部の「僕」、余命宣告を受けた妻の和美、中学高校の息子が二人。4人とも主人公ですが、この感想文では「僕」を連発するのも気が乗らないので、便…

健康寿命  (第1292回)

拙ブログのカテゴリー「老いを見つめる」の記事は主に2種類あって、一つは自分の老化の症状や心境について書き、もう一つは書籍や映画などの感想文として、生老病死について考えています。今回は「その日のまえに」の読書を一休みして、前者の自分の老化話…

その日のまえに  (第1291回)

今回のタイトルは、いま読んでいる重松清作品の文庫本のタイトルであると同時に、その短編集に収録されている短編小説の題名でもあります。この記事においては、後者の短編が読書の対象です。これに続く「その日」、「その日のあとで」も含めた三作品は、夫…

文庫本のためのあとがき  (第1290回)

ネットで時々、「ネタバレ注意」という警告を見ます。あまり好きな言葉ではありません。文学にしろ映画にしろ、感想文を書くに当り、本筋に触れずに書くのは私には無理です。もちろんミステリーのように、結末を勝手に書いてはいかないジャンルもあります。…

息子が来たぞ  (第1289回)

前回の続きで重松清「その日のまえに」に収録されている短編小説「ヒア・カムズ・ザ・サン」をもう一回記事にします。作品のタイトルはザ・ビートルズの楽曲”Here Comes The Sun”に由来します。 私の世代は現役時代のビートルズを微かに覚えている最後の年代…

ヒア・カムズ・ザ・サン  (第1288回)

戦後の日本では、個々人にとっての生老病死の在り方が大きく変化しました。例えば、家族構成の影響があります。私が生まれ育った家庭は祖父母、両親、私たち兄妹の三世帯が平屋に暮らしておりました。両親が働いていましたので、子育てには祖父母も加わって…

潮騒その2  (第1287回)

私自身が講師を務めるかもしれないメンタルヘルス関連の研修資料を作りながら、専門家の本を読んでいます。ここ数週間はアルコール依存症の本を何冊か読んでいるのですが、大量飲酒は依存症だけではなく、ガンの原因にもなる危険性が大きいとよく出てきます…

潮騒  (第1286回)

それでは重松清「その日のまえに」の読書に戻ります。以前、本書に登場する重病患者は、みんなガンを患っているような気がすると書きました。これには個人的な事情もございます。うちの母方は、いわゆるガン家系です。ガン家系は正式な医学用語ではないよう…

膝痛の現状  (第1285回)

一連の読書感想文は今回一休みします。初めて膝痛で内科を受診しましたので速報です。腰痛は学生時代からの古い持病(椎間板ヘルニア)ですが、一方で膝は還暦を過ぎても、しばらくは大丈夫でした。それが昨年あたりから頼りなくなってきました。 これは、脚…

朝日のあたる家  (第1284回)

ただいま重松清「その日のまえに」を読んでいます。本書は若い世代の生と病と死の悲しみ、苦しみを扱っているため、拙ブログの本カテゴリーである「老」が抜けているのですが構いません。特に老と病は不可分の苦です。当方の事情で例えれば、この二ヵ月で歯…

ひこうき雲  (第1283回)

はやり歌の歌詞も時代とともに変わります。私が青少年だったころの演歌やフォークソングには死、自殺、老いというような言葉が歌詞の中にごく普通に出てきました。それが1980年代ごろから変わったように思います。抽象的でキラキラした歌詞ばかりになって、…

今日のうちに  (第1282回)

本日から何回にわけて、重松清著「その日のまえに」(文春文庫)を読み、併せて映画版も観て、感想文を書きます。この本は短編集で、前半の4編がそれぞれ一見、相互に関連のない独立した作品になっています。後半の3編が映画でも主人公になった夫婦と二人の…

納棺夫日記  (第1281回)

拙宅の本棚にある青木新門著「納棺夫日記」(文春文庫)は、1996年に出た「増補改訂版」の第22刷で2009年のもの。初版の原本は1993年なのですが、時間が経って急に売れたのは、この本を読んだ本木雅弘が主演した映画「おくりびと」が、2009年にアカデミー賞…

永訣の朝  (第1280回)

先般、2冊の本の読書感想文を書くと予告しましたが、歯が折れた話をはさんだうえ、さらに今回は宮沢賢治の詩が話題です。それと言うのも、この2冊の本に期せずしてこの詩が出てくるから先に触れておきたくなりました。 私が宮沢賢治の作品を読んだのは、どち…

速報 歯が折れた  (第1279回)

今回から読書感想文を予定しておりましたが、速報で歯が折れた件を話題にします。先月今月で2本、折れました。いずれも、出血も痛みも前兆もなく、夕食中にポロリと落ち葉が散るかのように上の歯が落ちました。 先月の右上奥歯は、当日の異変はなかったもの…

たんぱく質  (第1278回)

先日(第1273回)、人は40代と60代の二回、老化が進むという研究結果を読んだという記事を書きました。その記事を見つけ出しましたのでご紹介します。米国のCNNでした。キーワードは運動量と飲酒量、そして「たんぱく質」のようです。 www.cnn.co.jp 正確に…

寡黙なる巨人  (第1277回)

ここ何回か、最近再読した書籍の概要の紹介も兼ねていますが、偶然ではありません。膝が動かなくなったり、視力が衰えたり、歯茎が痛んだりと、六十代になって加速した老化に直面しつつ、これまで読んだ本の中で、先人が老いというものをどう受け止めていた…

なかなか治らない  (第1276回)

先回、老化現象の典型例として、疲れやすい、疲れが取れないというのがあるという話題を出しました。これと同根だと思いますが、ケガや病気がなかなか治らないというのも実感しています。 前回の夏カゼ、発症したのが7月17日ですから、もう二週間も経ちます…

夏カゼ  (第1275回)

最近は健康関連のネット情報によく目を通すようになりました。専門家によりいうことが違うのは新型コロナ以来、すっかりお馴染みですので、複数の情報源で確かめることもあります。まあ嬉しくなるようなことは書いてないので適当に流し読みしています。 先日…

こころの旅  (第1274回)

私の愛読書の一つ、精神科医の神谷美恵子著「こころの旅」(日本評論社)の「第八章 人生の秋」に次のような一節があります。1973年に書かれた文章とは思えないほど現代的な内容です。 現代日本社会の急激な工業化、都市化、核家族化のために、老人たちの生…

二段階の老化  (第1273回)

先日、ネットの記事で次のような老化に関する医学論文の解説を読みました。新たな研究成果のようなので、今後の検証を待つものだと思いますが、自分の実感とよく合うので書き残します。 その研究結果によると、先日私が村上春樹を引き合いに出して、老化はな…

新メガネ  (第1272回)

先般、題材にしたとおり、左右の矯正視力のバランスが崩れてきたため、先々週、新たな遠近両用眼鏡を注文し、本日台風の雨の中、受け取って参りました。ただいま試験運転中ですが、今のところまずます好調で、すぐ慣れそうです。 眼鏡店でお聞きしたところ、…

永遠の少年  (第1271回)

前回、心も老いるようだという趣旨の記事を書いていたとき、昔読んだ雑誌に「永遠の少年」という心理学用語の概説があったのを思い出しました。自分の老化現象と直接の関係はありませんが、長く心に残った内容でしたので記録します。 ただしその雑誌はもう手…

心も老いるのかい  (第1270回)

新しい遠近両用メガネの出来上がりを待っています。左右の矯正視力がかなり異なったままなので、長いことかけていると眩暈がしてきます。このため食事中などは外しております。老化において、この程度の不便はたいしたものではありません。 老化現象は当たり…

眼鏡店  (第1269回)

新しい遠近両用メガネを注文するため、早めに相談の日時を予約して、お邪魔しました。予約は必ずしも必要ないとのことでしたが、連絡しておけば先方も私の購入履歴など確かめて準備もできるというものです。 お陰で話は早かったです。予算も最初に伝えました…

眼科  (第1268回)

前回の続きで、先月急に左目の視力が落ちた件です。しばらく様子見をしたのですが治らないため、眼の診察と、これを機に老眼が進行しているため眼鏡を作り替える目的で、少し遠いけれど評判の良い眼科に行きました。混んでいます。 二日連続で通院することに…

老眼  (第1267回)

これから何回か、老眼を話題にします。我が老化に関する最新情報だからです。先月、朝起きて遠近両用メガネをかけたところ、強い違和感がありました。両目の視力のバランスが崩れているようでした。 片方ずつ目を隠してみると、右目は正常のようでしたが、左…

老いを見つめる  (第1266回)

ご近所の鎮守の神様、諏方神社 漫画「20世紀少年」の感想文から始めたこのブログ。新たにカテゴリー「老いを見つめる」を設けました。すでに21世紀老人になりました。そう思う理由を二つ挙げます。 一つはここ二三年、老化現象(老眼や物忘れ)や腰痛などの…

梅一輪  (第1265回)

かつて「写真集」と名付けていたカテゴリーを「歳時記」に改めました。文章も書き添えたくなったからです。それにしても、本ブログは最近あまり更新していないのに、毎月のPV(アクセス数)が1000回を超え続けているのが不思議です。なぜなのか、一人悩んで…

大町公園  千葉県市川市 1月11日  (第1264回)

雑木林や芦原の中なので、ピンボケが多いです。 アカハラコゲラモズヤマガラメジロカワセミエナガ (おわり)