何回かの記事を費やした重松清著「その日のまえに」の感想文も今回が最後です。この連載は「生老病死」のうち、「老」が最も縁が薄い作品を扱っており、「老いを見つめる」というカテゴリー名から少し離れていますが、老いた私が本を読んでブログを書いてい…
本ブログはその名のとおり「雑記帳」であり、雑多なカテゴリーが一緒くたになっている。ここしばらくは「老いを見つめる」というカテゴリーで連載してきた。これはこれで続けてゆくが、今回から「憲法と社会」のカテゴリーを二年ぶりに再開し、「老いを見つ…
重松清「その日のまえに」の終盤にある短編「その日」および「その日のあとで」には、これら以前の収録作品の登場人物が再登場します。重松書の感想文もあと二回。私の好みの登場人物を二人、タイトルにします。今回は「ひこうき雲」に出てきたクラス委員の…
青少年時代になじんだ日本語が、どんどん消えたり変形したりしています。古今東西、言葉とはそういうものでしょう。私も大人から、言葉遣いが変だと何度も叱責されました。それでも、当時は大人から(家族親戚だけではなく、読書や映画などからも)、長く使…
何回か前に、昨年は4本もの歯が折れたり欠けたりし、その治療と部分入れ歯・マウスピースの処置がようやく終わったと思ったら、年末に入れ歯の一つが割れてしまい、そのまま年を越したと書きました。その部分入れ歯は年初に修復し、これで今度こそ一段落かと…
重松清「その日のまえに」を読書中です。これまでに短編「その日」まで進みました。アインシュタイン博士は相対性理論において、時間と空間は絶対的ではない(伸びたり縮んだり歪んだりする)と説いたそうですが、私たちの自覚のうえでも、特に時間は同じ速…
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。新年第一回の投稿ですので、できるだけ前向きな記事にしようと考えておりますが、「老いを見つめる」というカテゴリーですから、最初はやっぱり毒を吐きます。そういう言葉を使…
本年最後の話題は私の歯です。ネットの諸情報によると、若干の相違はありますが、六十代の日本人男性の歯の本数は、22~23本ぐらいのようです。私の場合、被せ物や折れた歯を接合したものが2本あり、それを入れると65歳で23本ですから、まずまず平均的です。…
重松清「その日のまえに」収録の短編、「その日」に戻ります。感想文の続き。意識のない妻の和美を病院に見舞った主人公は、職場に戻り、社長の留守中に仕事の依頼があったことを部下の工藤くんから知らされました。その依頼は諸条件からして彼の事務所が請…
今回は読書感想文を一回休み。とある新聞記事に興味を抱きましたので、その概要と一読後の感想を記録します。記事は東京新聞の本年12月3日朝刊、第7面の「考える広場」にある「アンチエイジングの行く先は?」。タイトルの印象からして、アンチエイジング(…
前回の続き、重松清「その日のまえに」収録の短編「その日」です。病院からタクシーで自分が経営する会社に戻った主人公に、唐突な仕事の依頼が待っていました。社長の妻の和美が、「その日」を迎えつつあることを社員も知っています。もう誰も容態を訊いて…
前回の続きです。今回は短編集の最後から二番目の作品、「その日」。ちなみに最後の作品は「その日のあとで」。この作品集における「その日」とは主人公によると、「僕たちは、いずれ訪れる和美の亡くなる日を『その日』と呼んでいた」。ただし、この短編は…
多くのブログが自慢話と商売っ気満載の賑やかなものであるのに対し、このカテゴリーは目下の(そしてきっとお呼びが来るまでずっと)私の一番の懸念である四苦(生老病死)を主題にしていますから何とも暗い。最近、年を取ると心も老いて弱くなるのだろうか…
重松清「その日のまえに」の感想文に戻ります。7作品ある短編のうち、最後の3編は同じ家族の物語。主人公は語り部の「僕」、余命宣告を受けた妻の和美、中学高校の息子が二人。4人とも主人公ですが、この感想文では「僕」を連発するのも気が乗らないので、便…
拙ブログのカテゴリー「老いを見つめる」の記事は主に2種類あって、一つは自分の老化の症状や心境について書き、もう一つは書籍や映画などの感想文として、生老病死について考えています。今回は「その日のまえに」の読書を一休みして、前者の自分の老化話…
今回のタイトルは、いま読んでいる重松清作品の文庫本のタイトルであると同時に、その短編集に収録されている短編小説の題名でもあります。この記事においては、後者の短編が読書の対象です。これに続く「その日」、「その日のあとで」も含めた三作品は、夫…
ネットで時々、「ネタバレ注意」という警告を見ます。あまり好きな言葉ではありません。文学にしろ映画にしろ、感想文を書くに当り、本筋に触れずに書くのは私には無理です。もちろんミステリーのように、結末を勝手に書いてはいかないジャンルもあります。…
前回の続きで重松清「その日のまえに」に収録されている短編小説「ヒア・カムズ・ザ・サン」をもう一回記事にします。作品のタイトルはザ・ビートルズの楽曲”Here Comes The Sun”に由来します。 私の世代は現役時代のビートルズを微かに覚えている最後の年代…
戦後の日本では、個々人にとっての生老病死の在り方が大きく変化しました。例えば、家族構成の影響があります。私が生まれ育った家庭は祖父母、両親、私たち兄妹の三世帯が平屋に暮らしておりました。両親が働いていましたので、子育てには祖父母も加わって…
私自身が講師を務めるかもしれないメンタルヘルス関連の研修資料を作りながら、専門家の本を読んでいます。ここ数週間はアルコール依存症の本を何冊か読んでいるのですが、大量飲酒は依存症だけではなく、ガンの原因にもなる危険性が大きいとよく出てきます…
それでは重松清「その日のまえに」の読書に戻ります。以前、本書に登場する重病患者は、みんなガンを患っているような気がすると書きました。これには個人的な事情もございます。うちの母方は、いわゆるガン家系です。ガン家系は正式な医学用語ではないよう…
一連の読書感想文は今回一休みします。初めて膝痛で内科を受診しましたので速報です。腰痛は学生時代からの古い持病(椎間板ヘルニア)ですが、一方で膝は還暦を過ぎても、しばらくは大丈夫でした。それが昨年あたりから頼りなくなってきました。 これは、脚…
ただいま重松清「その日のまえに」を読んでいます。本書は若い世代の生と病と死の悲しみ、苦しみを扱っているため、拙ブログの本カテゴリーである「老」が抜けているのですが構いません。特に老と病は不可分の苦です。当方の事情で例えれば、この二ヵ月で歯…
はやり歌の歌詞も時代とともに変わります。私が青少年だったころの演歌やフォークソングには死、自殺、老いというような言葉が歌詞の中にごく普通に出てきました。それが1980年代ごろから変わったように思います。抽象的でキラキラした歌詞ばかりになって、…
本日から何回にわけて、重松清著「その日のまえに」(文春文庫)を読み、併せて映画版も観て、感想文を書きます。この本は短編集で、前半の4編がそれぞれ一見、相互に関連のない独立した作品になっています。後半の3編が映画でも主人公になった夫婦と二人の…
拙宅の本棚にある青木新門著「納棺夫日記」(文春文庫)は、1996年に出た「増補改訂版」の第22刷で2009年のもの。初版の原本は1993年なのですが、時間が経って急に売れたのは、この本を読んだ本木雅弘が主演した映画「おくりびと」が、2009年にアカデミー賞…
先般、2冊の本の読書感想文を書くと予告しましたが、歯が折れた話をはさんだうえ、さらに今回は宮沢賢治の詩が話題です。それと言うのも、この2冊の本に期せずしてこの詩が出てくるから先に触れておきたくなりました。 私が宮沢賢治の作品を読んだのは、どち…
今回から読書感想文を予定しておりましたが、速報で歯が折れた件を話題にします。先月今月で2本、折れました。いずれも、出血も痛みも前兆もなく、夕食中にポロリと落ち葉が散るかのように上の歯が落ちました。 先月の右上奥歯は、当日の異変はなかったもの…
先日(第1273回)、人は40代と60代の二回、老化が進むという研究結果を読んだという記事を書きました。その記事を見つけ出しましたのでご紹介します。米国のCNNでした。キーワードは運動量と飲酒量、そして「たんぱく質」のようです。 www.cnn.co.jp 正確に…
ここ何回か、最近再読した書籍の概要の紹介も兼ねていますが、偶然ではありません。膝が動かなくなったり、視力が衰えたり、歯茎が痛んだりと、六十代になって加速した老化に直面しつつ、これまで読んだ本の中で、先人が老いというものをどう受け止めていた…