おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

バック・ビート  (第988回)

ロックに定義はない。漫画のケンヂはそう言った。でも、そういう名の音楽のジャンルは確かに、少なくとも昔はあった。定義がないのにジャンルがあるということは、それなりの法則性や傾向というものがあるのだろう。それに沿って、最後は主観で決めてよいら…

燃え上がるキングマートの午後  (第987回)

事実は漫画より奇なり。去年の出来事なのでご記憶の方も多いと思いますが、コンビニ店が放火された。ガソリンを撒いて火をつけたらしい。お客さんはおらず、店員二人にも幸いケガはなく、ただし犯人は逃走。 でも捕まった。当然、防犯カメラに映っており、し…

Dog Day Afternoon  (第986回)

よげんの書には書いていないはずなのだが、映画のケンヂは、飛行場の爆破は大阪の三日後であると、常にない記憶力を見せて喫茶店を飛び出している。二三年前に漫画の感想文では、成田空港に付いたケンヂがタクシーの運転手さんに早く逃げろと叫んでいるが、…

女と男のいる舗道  (第985回)

1997年は遠藤家の人々にとって、災厄の年であった。惣領息子のケンヂは、大学教授がビールの飲み逃げ、旧友が急死、万引き被害、それらすべてに付いて回る秘密基地のマーク復活の謎。しかし、当人は知らず、その試練はまだ始まったばかり。姉のキリコは夫の…

一休み  (第984回)

長い文章が続いたので今回は軽く流します。先日、九段を歩いていた時に気づいたのだが、作者ご生誕の地である府中と、コミックス発行元の小学館は、ほとんど一本の線路でつながっていると言ってよい。 小学館から歩いてすぐの距離に神保町の交差点がある。巨…

モロボシダンの名を借りて  (第983回)

最初に一言、また文句。一般相対性理論は、よげんの書か? 新聞もテレビも重力波をアインシュタインの予言と呼んでいるが、自然科学の世界なのだから仮説だろう。このたび実験で検証されたらしいということだ。 また、ノーベル賞間違いなしと報じているけれ…

九段  (第982回)

間もなく東日本大震災の発生から5年を迎える。今日は漫画と関係がない。毎年一回、被災地を歩くと決めているのだが、今回(去年の3月11日から一年間)は諸事情が重なり、金も体力も時間も不足したまま時が経ってしまった。 過去4回は東北3県と北関東に参った…

神様の万引き  (第981回)

前回は書きたい放題で書きつくしたので、娯楽に戻る。政府刊行物の中に、法務省が取りまとめている「犯罪白書」という物騒な名前の資料がございます。最新の統計結果によれば、まず法律別でみると親玉の刑法が、二位以下(道交法など)の全部をひっくるめた…

清原  (第980回)

今日は感想文とは関係が無い。取りとめの無い文章になるがご勘弁を。1982年の夏、私は一人で四国へ旅行に出かけた。鉄道の一人旅。もう大学の最終学年なのに、まだ内々定も得ていない8月だった。だが、この夏休みに四国・九州を旅するため、何か月もバイトし…

Oh! Darling  (第979回)

満を持してのユキジ初登場場面のセリフであったが、やはり原作の壁は高く、監督は更に厳しかったようでトキワのユキジも、「いきなり、あたしの股間に首、突っ込んで舐めんのよ」と吠えている。 しかも、漫画では賑やかそうな焼き鳥屋で酒が入っているから情…

映画「地球防衛軍」  (第978回)

少年ケンヂがちょろまかしたバッヂは、漫画では宇宙特捜隊のものだが、映画によると地球防衛軍の「バッチ」になっている(当時の語尾の発音は濁音でなく、映画も忠実に再現している)。この「地球防衛軍」で検索すると山ほど用例が出てくる。そういう名前の…