おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

進駐軍 (20世紀少年 第802回)

もう40年以上も前にコミックスで読んだきりの「巨人の星」の冒頭場面、ジャイアンツの監督、川上哲治は魔送球の非を鳴らして自ら引退に追い込んだ元同僚の星一徹の様子を伺いに、彼の自宅を夜になってそっと訪れる。一徹父ちゃんは相変わらず例の丸い卓袱台…

俺達の旗 (20世紀少年 第801回)

目玉と左手を組み合わせた俺達のマークを考案したのはオッチョであるが、それを旗に仕立て上げたのはドンキーである。旗になった時点でオッチョの当初目的である「このマークを知っているのは本当の友達だ」という役割は発展的に解消されて、誰の目にも見え…

撃墜王 (20世紀少年 第800回)

800回記念のタイトル向けに、ちょうど威勢の良い場面が回ってきた。浦澤漫画は服装や小道具ほか背景を丁寧に描くし、雲や空に至るまでスクリーン・トーンも多用するため全体に情報量が多く、基本的に漫画は白黒だから彼の作品は他と比べて黒っぽい感じがする…

このくだり (20世紀少年 第799回)

今回はちょっと寄り道する。「21世紀少年」の上巻64ページ目の上段左に、それほど大きなコマではないが、オッチョがケンヂの肩を抱く絵がある。私の勝手な思い込みであることは充分承知のうえだが、作者はこれを描きたくてこの大長編に取り組んだのではない…

逃げっぱなし (20世紀少年 第798回)

世間話から始めます。先週、拙宅すぐそばで交通違反の摘発を二日続けてみた。いずれも大通り沿いの出来事で、最初の件はすでに警察に止められたタクシーが路肩に停められており、初老の運転手が路上で若い警察官相手に土下座して謝ってみえる横を通り過ぎた…

反物質 (20世紀少年 第797回)

私が「反物質」という言葉を知ったのは、二十代半ば(1980年代)に星野之宣が世に問うた長編SF漫画の金字塔、「2001夜物語」に出てくる「悪魔の星」という一編を読んだときだったと思う。 物語では当時まだ惑星から格下げになる前の冥王星の外側に、質量が太…

Daydream Believer (20世紀少年 第796回)

今日は夢の話なので、子供のころテレビで聴いて好きになった曲名をタイトルにいたしました。毎週モンキーズが主演するドタバタ劇を田舎町の民法が放映していたのだ。小学校低学年のころ。後年、清志郎が朗らかにカバーして、いまでも時々耳にする。 夢につい…

公園にて (20世紀少年 第795回)

あるとき素敵な思い付きを得たと思ったが、どうやら間違いらしい。ババの店からヤン坊マー坊を追いかけてユキジが走り去る。もしかしたら、このあとで彼女は双子に相撲の決闘を持ち掛けられ、その日、ケンヂは白馬の王子さまになったのではないかと考えた。…

あたり (20世紀少年 第794回)

ジジババのアイスが、世界大統領を生んだと申しても過言ではない。これからそれを論証する。ところで先日、国連の事務総長が何を思いなすったか日本政府に反省を求めたが、これを揶揄するネットの書き込みの中に「この世界大統領は...」というのがあって笑い…

チクロ (20世紀少年 第793 回)

ようやく涼しくなりましたが、ここ東京は天気が好くないです。さて、上巻の第2話は例の9人の戦士と予備のヤン坊マー坊、”ともだち”側の4名が勢ぞろい。しかも、ジジババのババ、中学生のキリコ、決着を付けに来たケンヂまで出てきて賑やかである。さっそくア…

三角ベース (20世紀少年 第792回)

上巻の34ページ目でババの店を立ち去る際、ケロヨンはモンちゃんとコンチに「三角ベース、やんない?」と誘っている。モンちゃんは「ボールないぜ」と言ったが、「どっかに落ちてるよ」という答えが返ってきた。実際、かつては探せばどこかに野球やテニスの…