2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
憲法第66条は、内閣の構成(第1項)と責任(第3項)という基本的な定めを示している条項であるが、本日は残る第2項を話題にします。改正草案が、主張したいことがある風情なのだ。【現行憲法】第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内…
歯切れの悪いタイトルで恐縮ですが、私の責任ではない。そのテレビ番組は観ていないのだが、新聞やネットの報道によると、我が内閣総理大臣におかれては、憲法9条に関し党内でしっかり議論して、今年中に改正案をまとめ、国民に示すと仰ったらしい。 ほんの…
今回で「第四章 国会」の第一次独学を終わります。章の終わりに近いとはいえ、三権分立の支えとして重要な条項だと思います。【現行憲法】第六十三条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案につ…
【現行憲法】第六十二条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。 改正草案は、変更なしなので省略。先日、久しぶりに、この第62条に基づく証人喚問があり、世間を騒がせた。テレ…
衆議院(下院)は解散の制度があるので、任期が短いから民意に近いので、参議院(上院)より優越するというウィキペディア等の説明ぶりは、これまで述べてきた理由により、本質論と結果論をごちゃまぜにしただけのもので信用に値しない。 そんなに最新の民意…
毎朝、シジュウカラの鳴き声が聞こえる季節です。今回は第56条と第57条。改正草案は、私がみたところでは第57条に変更はないので、第56条のみ引用します。【現行憲法】第五十六条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決す…
こうして逐条で読んでみるのも時間の無駄ではなかったなと思うことの一つに、それまで「三分の二以上」が必要という条件がある定めは、憲法改正の第96条しか知らなかったのだが、これから何回か出てくる。 先取りして例示だけすると、第55条の議員の資格喪失…
前回の続きです。第54条の改正案を再掲する。今回は、その全条項案を記載します。【改正草案】(衆議院の解散と衆議院議員の総選挙、特別国会及び参議院の緊急集会) 第五十四条 衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する。 2 衆議院が解散されたときは、解…
難題でございます。今回だけでは終わりそうもない。世間でも議論が多いらしい。さすがに憲法学者の中にさえ、ここは何とかしないといけないという意見があると、新聞で読んだ覚えがある。もっとも、このブログは法学を語る場所ではない。これまで世の中で学…
しばらく更新をとめているのにはわけがあって、ただいま頭を冷やしております。理由は、ここに書く文章が荒れてきたからです。そもそも、憲法を知りたいという単純明確な動機で始めたのに、だんだん政治的になってきた。 今の政治が憲法改正に大きく傾いてい…
「みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとう/\おかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。…
第52条と第53条には、ちょっと久しぶりにという感じだが、改正草案に追加の記載がある。次の第54条には、ちょっとどころではない追加があるのだが、先を急がず、両条の違いを見比べてみる。 【現行憲法】第五十二条 国会の常会は、毎年一回これを召集する。 …
「この私はせっかく大臣になりました。ところが騒動が起き、総理にジニンせよと言われました。私は学がありますので、芥川龍之介の小説のタイトルが頭に浮かび、阿呆であることを自認せよと言われたものと理解したのですが、なぜかせっかく大臣になったのに…
そういう言葉を知らなかったが、法の内容は聞いたことがある。国会議員は会期中なら逮捕されない。これを「不逮捕特権」と呼びならわすということを、改正草案が付けたタイトルで知った。文面は変わっていないので、いまの憲法だけ転記します。第五十条 両議…
本日はできるだけ、穏やかに、あっさりと。国会関係の条項は、まだまだ第64条まである。先はものすごく長い。今回は第48条と第49条。改正草案に変更点はない。第四十八条 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。 第四十九条 両議院の議員は、法律の…
前回はつい、口汚くなってしまったので(書いていて腹が立つこと自体は、全責任が私のみにあるとは思えませんが)、たまたまお読みになった方のご気分を害してはいけない。本日はできるだけ自重致します。上手くいきますように。今回は第47条。【現行憲法】 …
第四十五条 衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。 第四十六条 参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。 憲法の第45条と第46条は、衆参両院議員の任期を定めている。このそれぞ…
憲法の第42条は次のとおり、二院制の規定。改正草案も同じ文。第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。 私が子供のころから、参議院の不要論というのがあった。政治家も有権者も、タレント議員を量産しておいて、よくもまあ。半世紀…
1984年といえば、私が大学を卒業して社会人になったという記念すべき年なのだが、てんで世間は関心がなく、唯一つの事件にマスコミも国民も大騒ぎになった。ロサンゼルス発の殺人事件で、私が読んでいた週刊誌に「疑惑の銃弾」という続き物で報道された。 前…
国民の権利及び義務の規定集のうち、残りはあと四か条。私が読んだ範囲では、改正草案とは字句の手直しぐらいの違いだと思うので、気づいた点を挙げる程度にします。今回は第37条および第38条。改正草案は省略して、今の憲法の条文のみ。第三十七条 すべて刑…
小さいころ家族や教師から、人のことを馬鹿と呼んではいけないと、何度も説教されたものだ。その割に、両親など平気で人を馬鹿呼ばわりしていたから、てんで説得力がない。マンガの世界でも天才バカボンとか空手バカ一代とか、ごく普通に使われている。とい…
掲題はヨーロッパかどこかの諺だったと思います。もちろん、悪事の件数そのものが、増えるわけではない。そろそろ憂さ晴らしの寄り道も、いい加減にして条文に戻る。 ただいま、私の日常生活とは幸い縁が薄い、刑事事件だの裁判だのといった箇所で難儀してい…
教育勅語を幼児に音読させる幼稚園があるという妙な話は、もう一年くらい前に聞いていたように思う。今そこは、国有地のたたき売りと、有毒物質の意図的な放置という、本当ならば、とんでもない疑いをかけられている。 調査中のようだから、犯人扱いはしない…
せっかくのカテゴリー「憲法」の第100回記念ですから、このときぐらいは条文からいったん離れて、憲法に関連する華やかな話題を取りあげようと探してきたのに、結局、中途半端な報道しかなかった。またも文字どおり、雑記帳になってしまう。 雑誌かネットか…
憲法のこのあたりは刑事事件に関するもので、どうにも筆が進まないのは、心のどこかで自分とは関係ないと思っているからに違いない。しかし、いきなり被害者になるのが刑事事件であり、運が悪いといきなり加害者にされてしまうかもしれない。 今のところ大丈…
変なタイトルしか思い浮かばなかった。仕方がない。今回は第32条。基本的人権の一つ、裁判所に訴える権利。現行法と改正草案は、次のとおり。【現行憲法】 第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。 【改正草案】 (裁判を受ける権…
第31条から再開します。この先、「取り調べ」「お白洲」「監獄」に関する条項が異様に多いのは、警察国家時代の日本の特高や、ドイツのゲシュタポがやらかしたことへの反省と警告が含まれているからだろう。その劈頭にある第31条について、改正草案は「適正…
第30条の納税のところまで進んでから、しばらくの間、別の話題を取り上げたり、空白の時期があったりで間が空きました。第31条から第40条まで、言い換えると憲法の第三章「国民の権利及び義務」の最後の部分をこれから始めるにあたり、本日は準備運動的に、…
今月は公私ともに多忙なため、このサイトの更新を半月ほどの見込みで休みます。内容としては、勤労の関係が一区切りつき、これから刑事事件や裁判について、すなわち権利に関する最後のグループという段階です。 昨日(2017年1月5日)の党の「仕事始め」で、…
【追記】 このブログのカテゴリー「憲法と社会」は、2016年から書き始めた別のブログを一本化するために、そのまま再掲しています。今回の新春とは2017年の正月のことです。 新年あけましておめでとうございます。ここにお立ち寄りになられた皆様におかれて…