おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ポークの成分表示  (第1071回)

しばらく前、少しでもイスラム教が分かるようにコーランを読むぞと、ここで誓った。さっそく買ったのだが、たいへん厚い本で通読する気力がわかず、やむなく所々を拾い読みしている。なぜ彼の宗教は豚肉を食べてはいけないのだろう。それもヒンドゥー教の牛…

白鳥の歌  (第1070回)

ボブ・ディランは、彼の伝記映画「No Direction Home」の中で、こう語っている。「ジョニー・キャッシュは、神様のような人だった」。 この神様のようなお方は、酒と薬と女に溺れ、何度か逮捕されて拘置所(ブタ箱)のお世話になっており、でもその才覚や行…

天国の扉  (第1069回)

天国にドアがあったとは驚きだ。しかも、ノックをしないと入れないらしい。返事が無かったら、どうしたらよいのだろうか。ボブ・ディランの「Knockin' on Heaven's Door」は、彼の作品にしてはシンプルな歌詞なのだが、なぜかカバーも多いし、様々な娯楽芸術…

赤いバンダナ  (第1068回)

前回の続きです。レンタル・ビデオ屋という稼業も、すでに古くなりつつあるが、それが発生する前、日本の都市には「名画座」という共通ブランドの映画館があり、金はなくても時間ならあるという映画ファンのために、ときどきフィルムが切れるような古い映画…

太陽の口づけ   (第1067回)

私が知り合った或るアメリカ人は、高校生の息子が運転免許を取ったら、夏休みに交代でキャンピングカーを運転し、大陸を横断するのが楽しみだと語っていた。何日かかるのだろう。同僚が鉄道で横断した時は丸三日を要したと言っていた。ともあれ、羨ましい話…

船乗りの唄  (第1066回)

ジャニス・ジョプリンが27歳でこの世を去った翌月、三島由紀夫が自決した。46年前の1970年11月。この年に実家がようやくカラーTVを買い、当時5年生で11歳だった私は、あの出来事をテレビのニュースで観たのだと思う。拳を振り上げている三島の姿を何となく覚…

遣米使  (第1065回)

いつの日か慰霊のため、伯父が戦死したテニアン島に行くのだと書いたが、ようやく時間とお金の工面もできて、来年の1月に参ることになりました。このテニアンほか、近くのサイパンやロタといった島々からなる北マリアナ連邦は、アメリカ合衆国の「自治領」と…

トランプ遊びでジョーカーを引いた人たち  (第1064回)

勝っちゃったのね、トラさん。世界一大統領の選挙。私はいまアメリカの政治経済に全く利害関係がないし、もともと政治好きな人間でもないし、でもMLBよりは面白そうだから、この半年、レース展開を眺めてきた。ヒラリー・クリントンが順当に選ばれるだろうと…

ハロウィンは死者と子供のための儀式である  (第1063回)

渋谷に集まって仮装行列をする日ではない。かくいう私も、幼少のころよりクリスマスは、年に一度ケーキを食べられる日という認識しかなかったので、他人のことはどうこう言えない。 それにしても、1980年代にアメリカに滞在していたころ、ハロウィンは在留外…