おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2019-01-01から1年間の記事一覧

還暦  (第1213回)

我がマンションの最上階からみた夕暮れの富士山です。東京からは、こうして西側にシルエットが見えるのですが、生まれ育った静岡では反対側からみることになりますので、最近ながめておりませんが、夕焼け色が映えて美しい。この人生も、けっこう長くなりま…

震源  (第1212回)

今回をもちまして、これまで四回にわたって記録した中越地震のお見舞い(15年目)の記事を終わります。最後の今回は、長岡市街でお聴きした現地のお話しが中心です。今次の旅行は震災関係だけではなく、この地から世に出た河合継之助や山本五十六、あるいは…

山越し  (第1211回)

前回の続きです。私が沢に沿って歩いた山古志の中心部より、その沢は南側を流れている信濃川に向かって流れ落ちている。とはいえ、中心部にいて眺めても信濃川や平野部が見えるわけでもなく、実感としては盆地です。どこへ行くにも、峠を越え、トンネルを抜…

山古志  (第1210回)

あまり自信をもってお薦めできない方法ですが、私は被災地や観光地に行く際(つまり、出張を除く旅行では)、事前にあまり情報収集をせずに出かけていく。現地で新鮮な印象を持ちたいからだ。もちろん日程は組まないといけないので、車を運転しない当方とし…

中越  (第1209回)

これまで何回か書いた話題の繰り返しから始めます。このブログを始めたのは2011年6月。東日本大震災の三か月後。あの震災がなかったら、このブログは始めていない。生涯、ブログは書かなかったかもしれない。人生を変えました。地震は拙宅の地域で震度5強。…

デクラーク  (第1208回)

モンちゃんは、左ウィングであったか。あのころはまだ遠かったねえ、ワールド・カップのトーナメント。このたび、ろくにルールも知らぬまま楽しませてもらい、南アフリカ共和国の優勝で閉幕しました。 イングランドはメダルの授与式で一部もめたらしく、それ…

映画「新聞記者」  (第1207回)

しばらく前に書きましたように、最近、好きな映画をシネマまで観に行くお金も体力も尽きてきて、これでは人生つまらんと思い、時には観に行くことにした。復活の第一号が「主戦場」、次はこの「新聞記者」を選んだ。 こちらも現時点でまだ上映中の作品なので…

マス・メディアが衰えるとき  (第1206回)

前回話題にした言論弾圧は、何も強権発動しなくとも、もっと遠回しに、あるいは脅迫程度でも十分できる。たとえば最近の事件でいうと、京都のアニメーション会社でガソリンを撒き放火するという極悪非道の事件があった直後、愛知の展覧会の主催者に対して、…

マスコミ  (第1205回)

今回からしばらく、報道や言論について考えようと思う。あまりそういう真面目なテーマは、ここで取り上げて来なかったのだが、昨今その手のお堅い話題が増えたのは、このままでいくと私や周囲の実生活(例えば仕事、例えばブログ)にも、悪い影響が出そうだ…

焼夷弾  (第1204回)

昨日(2019年8月14日)は、千鳥ヶ淵戦没者墓苑にお参りしました。毎年夏の恒例の行事です。先週末は研修など多忙で身動きが取れなかったのですが、個人事業はこういうとき、ある程度は自由が利きます。私は父方の伯父を戦死で喪っている。自分は戦後生まれな…

主戦場の続き  (第1203回)

油蝉が廊下にいる 前回のテーマ、映画「古戦場」の感想文を続けます。先ずはタイトルから話題にする。監督が日系アメリカ人ということもあってか、映画には公式に英語の題名もサブ・タイトル的に付いている。”The Main Battleground of the Comfort Women Is…

映画「主戦場」  (第1202回)

上野にて これからしばらくは、あまり愉快でない話題が続きますが、ご一読いただいた方はご容赦ください。八月は、そういう月なのだ。子供の頃は、セミとトンボと草っぱらの夏休みだったのに。子供のころからの映画ファンだが、映画館まで足を運ぶには相応の…

9月1日 いじめられた子供の転校  (第1200回)

サダキヨのことだ。「20世少年」の主役格の一人。ご存じない方のため概略をお伝えすると、映画では脇役になっているが、原作の漫画では重要な役割が与えられている。 サダキヨは、小学校5年生の夏休みに、友達と信じていたフクベエに大阪万博に一緒に行こう…

古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう (第1199回)

この長い名前のLPを、田舎のレコード屋で見たのは小学生のときだった。歌手の名前は知っていたけれど(何十分間も、人間なんてと歌う人だと小学校でも名が売れていた)、気軽にアルバムを買えるようなお金はないので(今も昔も)、変なタイトルだなと思った…

AKIRA  (第1198回)

かつて、このブログでも何度か話題にした漫画「AKIRA」と映画「ブレードランナー」には共通点がある。すでにネットでも出ているのでご承知の方も多いかと思うが、いずれも物語の時代設定が、2019年だ。近未来ものは、いつか時代が追い付く。特にSF的な作品…

お嫁にいけないと言っていた頃  (第1197回)

ユキジがそう言っていた。何度も繰り返して言うのですが、ユキジは(作者も)私より一学年上の同世代。言葉遣いから、ものの考え方まで、そっくりそのままの部分が多い。真面目な話題から始める。いまも話題の消費税、初めて導入されたのは私が二十代終わり…

日、没する国  (第1196回)

どうもこの国は調子が悪いなと感じ、ここニ三年、憲法の勉強をしたり、政治の話題を取り上げてみたりしたのだが、いまや深い諦念の底に沈んでいます。いま日本の政界や官界、経済界や言論界にいる中心的な層は、五十代・六十代が多く、つまり大雑把にいうと…

年金雑感  (第1195回)

老後に2千万円かかるというような政府の報告書が出たと騒ぎになっております。今回は昔話も含めた公的年金についての雑感です。社会人になったころですから、もう三十年以上前です。八十年代の前半で、もう高度成長は終わり、まだバブル景気は予想もしてい…

新しい年号  (第1194回)

新しい年号が「令和」に決まりました。早速、漢字転換候補に入っています。朝7時のニュース以外、滅多にテレビを見ない私も、今日は内勤日ともあって、昼前後は、つけっ放しのまま背中で聞いていました。追ってPCでは、ネットのニュースやSNSでお祭り騒ぎが…

確定申告の時期に  (第1193回)

前にも書きましたが、2011年3月11日、私は自宅事務所で、個人事業の経理の仕事をしていました。記憶では一日か二日前に、2010年の確定申告作業は終わり、その勢いで、2011年分の会計処理も一気に片付けようと、伝票やエクセルと格闘しておりました。 最初の…

幼稚園時代  (第1192回)

幼いころの思い出は少ない。実家は貧しいなりに、穏やかな家庭ではあったと思うが、父が病弱で知っているだけでも十数回、退職と再就職を繰り返し、合間は自宅療養だった。このため、祖父と母がパートで働き、祖母が孫の面倒にも駆り出され、というふうに慌…

本年  (第1191回)

本年もどうぞよろしくお願いいたします。ずっと体調を損なっていたので、なかなか更新もままならなかったのですが、ようやく風邪も治まって参りました。もう若くないなと実感いたします。実は新しいはてなブログの扱いにも慣れていない。 そういえば、われら…