「20世紀少年」を読む

9月1日 いじめられた子供の転校  (第1200回)

サダキヨのことだ。「20世少年」の主役格の一人。ご存じない方のため概略をお伝えすると、映画では脇役になっているが、原作の漫画では重要な役割が与えられている。 サダキヨは、小学校5年生の夏休みに、友達と信じていたフクベエに大阪万博に一緒に行こう…

古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう (第1199回)

この長い名前のLPを、田舎のレコード屋で見たのは小学生のときだった。歌手の名前は知っていたけれど(何十分間も、人間なんてと歌う人だと小学校でも名が売れていた)、気軽にアルバムを買えるようなお金はないので(今も昔も)、変なタイトルだなと思った…

AKIRA  (第1198回)

かつて、このブログでも何度か話題にした漫画「AKIRA」と映画「ブレードランナー」には共通点がある。すでにネットでも出ているのでご承知の方も多いかと思うが、いずれも物語の時代設定が、2019年だ。近未来ものは、いつか時代が追い付く。特にSF的な作品…

お嫁にいけないと言っていた頃  (第1197回)

ユキジがそう言っていた。何度も繰り返して言うのですが、ユキジは(作者も)私より一学年上の同世代。言葉遣いから、ものの考え方まで、そっくりそのままの部分が多い。真面目な話題から始める。いまも話題の消費税、初めて導入されたのは私が二十代終わり…

日、没する国  (第1196回)

どうもこの国は調子が悪いなと感じ、ここニ三年、憲法の勉強をしたり、政治の話題を取り上げてみたりしたのだが、いまや深い諦念の底に沈んでいます。いま日本の政界や官界、経済界や言論界にいる中心的な層は、五十代・六十代が多く、つまり大雑把にいうと…

ばんぱく ばんざい  (第1189回)

久しぶりに漫画の感想文の出番だ。いつまでもやってる万博なんてあるか、と遠藤ケンヂはあきれていたものだが、数十年ぶりに復活するという万博もあった。以下、大阪万博の関係者の方々におかれては、気分を害するかもしれないことを書きますので予めお断り…

ポール・マッカートニー  (第1182回)

去る10月31日の夜、東京ドームに行ってきました。息子にチケットをプレゼントさせるような歳になったか。この日、前週からの風邪が治り切っておらず、しかも当日の午後に仕事が集中したため、身体がしんどかった。 席に着いたのは、開演時刻のちょっと前。近…

かえるくん  (第1168回)

村上春樹が、地下鉄サリン事件の被害者に取材したのは、その証言集である「アンダーグラウンド」の巻頭にある「はじめに」によると、事件翌年の1996年1月から12月にかけてのこと。あとがきに当たる「目印のない悪夢」の日付は、翌1997年1月になっている。こ…

1995年  (第1167回)

本日は、前回の話題に挙げた「オウム世代」の続きのようなものです。漫画「20世紀少年」の幼馴染たちは、浦沢さんの実年齢でもあり、私の一学年上。この世代も物心ついて半世紀、こういう機会でも使って、これまでの人生や、時代の流れを振り返りつつ、これ…

カルト  (第1166回)

せっかくサッカーのワールドカップを楽しんでいるのに(日本チーム敗退後も毎日観ています)、無差別集団殺人犯であるオウム幹部の集団極刑のニュースが飛び交い、せっかくの週末の気分も台無しだ。しかしながら、このサイトでさんざん、「20世紀少年」の教…

地下鉄の駅へと急ぐ夏  (第1161回)

【前半】 ほかの場所に書き込んだ文章を転載します。 古くからの知り合いに、定年で退職するまで、児童福祉の公的な業務をしていた人がいる。ちょうど、その離職のころに、厳しいお仕事だったでしょうという話をした。当時、子供の虐待が相次いで報道されて…

シン・ゴジラふたたび  (第1159回)

せっかく旧ゴジラの映画を観たので、もう一回レンタルして「シン・ゴジラ」を再び観ました。今日もまた、とりとめもない感想文。すでに鑑賞一回目の感想は、第1095回に書いているので、そのおまけ。初代の歩行経路は前回触れたように、東京大空襲の空爆ルー…

わたしはゴジラ  (第1158回)

いろいろ気疲れすることがあったので、久しぶりに漫画と映画の感想文という本道に戻る。掲題は当方の自己紹介ではなく、「20世紀少年」のコミックス第11集に出てくるキリコの書き置きの一節で、もしかすると失踪する際に研究所仲間に読ませたくて残したのか…

アレクサ  (第1144回)

少し前に人工知能について、やや批判的とも読める記事を書いたのだが、何となく後味が悪いので今回は評価することにした。AIもいずれ(既に、か)、ネットにつなげばこのブログですら読めるだろうし、無線LANだって技術的には解読できるはずだ。うちのTVだっ…

浦川君  (第1133回)

前回の続きです。いじめとは、難しい問題に手を出したなあと実感しているところ。余談から始めると、私のPCでGoogleの検索をしようとしたとき、「君たちはどう生きるか」の著者名を入れたところ、例の押しつけがましい検索候補の一つに、「吉野源三郎 共産主…

君たちはどう生きるか  (第1132回)

この作品が漫画化されるという話を知ったのは、いじめに関する書籍をネットで渉猟していた数か月ほど前に、何かの記事で読んだ。更に追報で、宮崎駿監督が最後のアニメーション映画の題材にすると聞いた。楽しみではないか。娯楽は待つのも楽しい。 私はまだ…

人工知能の慰霊  (第1131回)

変なタイトル。そもそもが、何回か前にAIについての雑文を書いたところ、そのあとでAI関連の変な報道が二つ続いたからだ。ご覧になった方も多いと思う。一つは中国発のニュースで、AIの知能指数はニ三歳ぐらい、せいぜい6歳児程度だというもの。 もう一つは…

明かりの下の燭台  (第1130回)

いじめの問題を考えるのは難しい。ここしばらく幾つか試してみたが、まとまりがつかない。ともかく今回も思いついたことを書きます。本日(2017年10月22日)は、日本の政治社会が大きく変わるかもしれない衆議院選挙が行われた。投票に行ってきました。大型…

私を離さないで  (第1129回)

先月(2019年9月)、お彼岸の墓参を兼ね所用で帰省したとき、母親が「日の名残り」を読んでいて、「あんた、カズオ・イシグロって、どう思う?」と訊かれた。私は映画で「日の名残り」と「私を離さないで」を観ただけで、翻訳を読んだことが無い。 その映画…

弱い者たちが夕暮れ さらに弱い者をたたく  (第1128回)

THE BLUE HEARTS の代表曲の一つ、 「TRAIN-TRAIN」の一節。いじめの問題も含め、人間関係における暴力沙汰の重要な側面を鋭く衝いている。 ハラスメント対策の専門家に聞いた話では、いわゆる「パワハラ上司」は、自身の上司やその上の経営者との間に、何等…

香香  (第1127回)

上野公園は、拙宅からゆっくり歩いて20分ぐらいなので、格好の散歩コースになっている。先週末も歩いてきました。早朝だったから人通りは少なかったが、日曜日なので後から混んだはずだ。パンダの赤ん坊がいる。 先月だったか、名前が「シャンシャン」(香香…

じっと我慢の子であった  (第1126回)

昨日の続きです。前々回、いじめの問題には即効性のある万能薬などないと、いきなり身もふたもないことを雑に書いたので、少し気になっておりました。とはいえ、やはり無いものは無い。いじめは人間関係の中で起きる。完璧な予防方法があるなら苦労はない。 …

できる子  (第1125回)

勉強ができる子の意味だろう。コミックス第12集に出てくる小学校4年生時代、山根君が落合君をそう呼んでいる。オッチョはケンヂの悪口を言われて不機嫌だが、できる子発言の否定はしていない。何となく二人とも、孤独の影がある。 オッチョは実際、ヤン坊マ…

ガラスの地球を救え  (第1124回)

久しぶりに、漫画の感想文を書く。テーマが重いので、大真面目に書きます。いじめの問題。5年間ほど連載で感想文を書いていたころ、難しくて先送りにすると逃げ続けたままになっている。ずっと気になっていたのだ。 主人公のケンヂは、逃げるのをやめて帰っ…

続きの雑談  (第1123回)

前回少し書きもらしたことがあるので、タイトルどおり、前回の続きの雑談です。千尋はきっと多摩川に落ちたのだと勝手な推測を述べた。私の多摩方面での暮らしは、けっこう長く、引越しも多い。 千尋たちがアウディの後部座席に乗せていた紙らしきバッグに店…

千と千尋の神隠し  (第1122回)

千尋という名の少女が、神隠しにあう物語である。普通は子供が戻ってこないときに「神隠し」というのだが、幸い彼女は生還した。なぜ、「千と千尋」なのか私には分からないが(キーワードが、名前であるのは確かだ)、七五調に収まったので覚えやすく、口に…

あたし賭けには強いの  (第1119回)

コミックス第18集に出てくる遠藤カンナのセリフを借用しております。語った相手のオッチョおじさんは、その実績を知っているため黙ってうなずいたが、直後に別件の大騒ぎが起きて、ギャンブルは延期になった。 その実績とは、第9集に出てくる「JUMBO」という…

白雪姫の保護者  (第1113回)

この思わせぶりのタイトルは、先日レンタルで観た映画「スノーデン」に出てくる言葉を借りたものです。白雪姫は主人公のあだ名で、英語では「スノー・ホワイト」だから、たぶん本名に掛けている。保護者はガーディアン紙のこじつけでございます。 ガーディア…

不正な人間がいるように 不正な法律もある  (第1102回)

漫画「20世紀少年」コミックス第16集に、密かに慕う先輩を探し求め、サナエが「デモ」に出かけて失望する場面がある。放水車が出動しており、重装備の警官と思われる人たちは、この乱痴気騒ぎを「集会」と呼んでいる。 お若い方々は何の騒ぎかとお思いだろう…

AI  (第1101回)

人事や雇用に関連する仕事をしているので、最近「AI」や「人工知能」という言葉に接することが多くなった。何でも、人から仕事を奪う心配があるらしいぞ。ラダイト運動が、また起きるだろうなあ。うちの近所のラブホテル「愛」のローマ字表記と同じ。 この「…