映画「20世紀少年」を観る
] 新年おめでとうございます。上の写真は、帰省から戻る途上、第二東名から撮影したものです。さて、真人間(まにんげん)という言葉も、殆ど全く使われなくなった。真人間になれというのは、更生せよというのと同様の意味なのだが、こういう俗っぽくて温か…
前回の続きのようなものから始めます。月に一回程度のことだが、築地近辺に行く。巨大な聖路加国際病院を見上げて歩く。ここまで大きな建物を必要とする理由の一つは、日野原重明元院長がチーム医療、人間ドック、救命医療などの概念と体制を導入してきたか…
また取り留めのない感想文に戻ります。映画「20世紀少年」において、ニタニ神父は、死んで生き返った人間は、史上、一人しかいませんと仰っている。神父さんのご発言であるから、これはイエス様の復活を指しているに違いない。 以下、いつものようにキリスト…
古い映画を観た。同名の主題歌なら子供のころから知っていた「喜びも悲しみも幾歳月」のDVDを借りた。そのリメイク版はロードショーのとき映画館で観ているのだが、肝心の本作はまだだったのだ。昭和三十二年、1957年の作品。初代ゴジラの3年後。 リメイクで…
中学校の英語の授業では、そう教わった。英語の諺、「A rolling stone gathers no moss」の訳である。いま以て、意味不明。でも今は、多くの辞書やネットで「転石苔を生ぜず」のような表現になっている。「君が代」と似ていると不敬なのだろうか。 マディ・…
しばらく前、少しでもイスラム教が分かるようにコーランを読むぞと、ここで誓った。さっそく買ったのだが、たいへん厚い本で通読する気力がわかず、やむなく所々を拾い読みしている。なぜ彼の宗教は豚肉を食べてはいけないのだろう。それもヒンドゥー教の牛…
ボブ・ディランは、彼の伝記映画「No Direction Home」の中で、こう語っている。「ジョニー・キャッシュは、神様のような人だった」。 この神様のようなお方は、酒と薬と女に溺れ、何度か逮捕されて拘置所(ブタ箱)のお世話になっており、でもその才覚や行…
天国にドアがあったとは驚きだ。しかも、ノックをしないと入れないらしい。返事が無かったら、どうしたらよいのだろうか。ボブ・ディランの「Knockin' on Heaven's Door」は、彼の作品にしてはシンプルな歌詞なのだが、なぜかカバーも多いし、様々な娯楽芸術…
前回の続きです。レンタル・ビデオ屋という稼業も、すでに古くなりつつあるが、それが発生する前、日本の都市には「名画座」という共通ブランドの映画館があり、金はなくても時間ならあるという映画ファンのために、ときどきフィルムが切れるような古い映画…
私が知り合った或るアメリカ人は、高校生の息子が運転免許を取ったら、夏休みに交代でキャンピングカーを運転し、大陸を横断するのが楽しみだと語っていた。何日かかるのだろう。同僚が鉄道で横断した時は丸三日を要したと言っていた。ともあれ、羨ましい話…
ジャニス・ジョプリンが27歳でこの世を去った翌月、三島由紀夫が自決した。46年前の1970年11月。この年に実家がようやくカラーTVを買い、当時5年生で11歳だった私は、あの出来事をテレビのニュースで観たのだと思う。拳を振り上げている三島の姿を何となく覚…
勝っちゃったのね、トラさん。世界一大統領の選挙。私はいまアメリカの政治経済に全く利害関係がないし、もともと政治好きな人間でもないし、でもMLBよりは面白そうだから、この半年、レース展開を眺めてきた。ヒラリー・クリントンが順当に選ばれるだろうと…
渋谷に集まって仮装行列をする日ではない。かくいう私も、幼少のころよりクリスマスは、年に一度ケーキを食べられる日という認識しかなかったので、他人のことはどうこう言えない。 それにしても、1980年代にアメリカに滞在していたころ、ハロウィンは在留外…
多忙と多病でブログが停滞した。しばらくは、この調子が続きそうです。うかうかしているうちに、ボブ・ディランがノーベル文学賞の受賞の意向を伝えたというニュースが入って来た。何か面白いことを言ってくれるかと楽しみにしていたのに、日本語の報道によ…
前回の続き。西暦2000年に外国の駐在から還って来て、いろんな仕事仲間と食事したりお茶を飲んだりしていた或る日、隣に知的な顔立ちの娘さんが座った。かなり学術的なプロジェクトの事務局をしていなさっており、多少こちらも緊張したようで、「趣味は何で…
私は雨男だ。肝心なとき、狙いすましたように雨か雪が降る。今年の春、2016年4月21日の夜、渋谷にボブ・ディランのコンサートを観に行った日も、オッチョがハチ公前のスクランブル交差点を渡っていた時は晴れていたのに、私の場合は春雨に濡れて参ることにな…
アメリカ映画”Fallen”のタイトルは、たぶん堕天使のことではないかと思うのだが、邦題は「悪魔を憐れむ歌」になっている。1998年の作品。私はけっこう好きで何回か観ているのだが、当時のアメリカのサイトを見ると、興行的には失敗し、評論家からも酷評され…
今回は雑談。映画のケンヂは、北海道で山の男と出会って立ち直り、東京に戻る決意を固めたようである。まず、交通手段であるが、世が世なので電車も飛行機もないらしく、やむなく後になって「千キロだぜ、千キロ」と嘆くことになる道のりを、小さめのバイク…
イシは弓矢づくりの名人で、また狩猟の達人だが、私たちが思い描くような職業としての猟師ではない。彼と彼が属する村の衣食住を支える日々の仕事として、熊や鮭を狩る。 今回は本の読書感想文で、書籍名は岩波現代文庫の「イシ」、副題に「北米最後の野生イ…
ひさしぶりに、映画の感想文に戻る。最終章(第三作)「僕らの旗」に、遠藤健児が遠藤賢司に出会う短い場面がある。前者は主人公ケンヂの本名であり、後者は本物のハード・フォーク・シンガーで不滅の男、冬の雪山でケンヂの命の恩人となる。 かつて、アイヌ…
リオの夏季オリンピックが終わりました。季節も時差も正反対の開催地とあって、調整もさぞや大変だったと思うが、選手や関係者のみなさま、ご健闘お疲れさまでした。前回大会ほどテレビを観る機会は作れなかったけれど楽しかった。 中学で卓球部、高校で水泳…
前々回・前回と、私のごときノンポリの鏡のような人間が、平和を語る世の中になってしまいました。持病の腰痛がひどくて、しばらく外出もままならぬまま、8月15日を迎えました。まだ、千鳥ヶ淵にお参りしていないが、そのうち時間ができたら今年も行こう。本…
映画で、蝶野刑事が「ボブ・レノン」を聴いているときに挟み込まれている短いカットは、○龍でケンヂとカンナがチャーシューおまけ付きのラーメンを食べているシーンや、暗くなった一番街商店街でギターケースをはさんでケンヂとカンナが話をしている場面だ。…
時は巡りまた夏が来て、広島と長崎では平和の式典が行われました。せめてこの季節だけでも、平和な時代に生まれ育ったことの幸運さについて、思いをはせると毎年書いている。それに、いつまでも平和かどうか、最近、怪しくなってきた。 内憂外患という言葉が…
もうすぐリオデジャネイロのオリンピックだ。せっかくの大会なのに、イワンのバカどもがドーピングなどやりおって、しかも大統領がオリンピックに政治を持ち込むななどと文句を言っている。ロサンゼルス・オリンピックの不始末を忘れたか。せめて始まったら…
さあ、久しぶりに、のどかな話題で感想文が書ける。1998年のアメリカ映画、「バッファーロー'66」は、公開当時、首都にさえ映画館がない国にいたため、21世紀になってからレンタルで観たはずだ。最近また観た。ご覧になっていらっしゃならい方は、拙文を読む…
バングラデシュには出張で三回、行ったことがある。もう20年ほど前だ。現地の滞在日数は合計で4週間ほどだったろうか。いずれも首都ダッカが主な宿泊地で、ときどき地方に行くような行程だった。当時アジアの最貧国の一つで、文化も気候も食べ物も日本とは大…
今回は雑談です。本日は胃が痛くて寝ていました。やれやれ。数日前にチャンドラーや、エルロイの名を出したときに、ずっと前、ここでハードボイルドの話題を出したのを思い出した。もちろんオッチョの出番に際してだ。角川映画のキャッチコピーもうろ覚えで…
寄り道続きで、映画の感想文です。先日、ロサンゼルスのフリーウェイ10号で、夜景を観ながらドライブをするのが好きだったと書いた。ある晩、カー・ラジオから、ジョン・レノンが唄う「スタンド・バイ・ミー」が流れて来たときのことを覚えている。少し感傷…
この下書きを書いている前日に、イギリスで国民投票があって、EUからの離脱を支持する票が、残留を希望する側を上回った。負けた首相らはがっかりだろうが、それにしても民意がこうも真っ二つになるとは、しかも、雇用不安や難民といった深刻な事態が背景と…