おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

安全保障のために  (第1322回)

改正草案の第9条に進む。ここで政治的な議論はしないと申し上げて始めたものの、自分がどう思おうが、第9条に関連する何らかの意見を述べれば、この国では自動的に必然的に、政治的言動とみなされるだろう。 私はいわゆる無党派層に分類される人間であるはず…

世襲で男系で生涯現役  (第1321回)

世襲で男系で生涯現役というのが、憲法と皇室典範に定められた現時点での天皇および皇室の「制度」である。皇族といえど家族であることに変わりは無く、制度という言葉も使いにくいのだが、みんながそう言うので、法制度という側面だけをみるときには、これ…

象徴としての務め  (第1320回)

本日(2016年8月8日)、天皇陛下のお言葉がビデオで放映されました。もっと、しっかり考えてから記事を書くべきかとも思いましたが、直後の感想というものも記録に残しておけば、いつか何かの役に立つかもしれないと、儚い望みなど託して書きます。資料は宮…

新憲法のプリンシプル  (第1319回)

拙宅にある「白洲次郎 占領を背負った男」(北康利著、講談社)という書籍を読むと、白洲さんは「プリンシプル」という英単語が好きだったようだ。私は中等教育でこの単語を習ったが、なかなかカタカナ英語として定着しないようである。 原理原則、主義信条…

現行の第9条第2項  (第1318回)

第9条は、これをこのまま永久保存したいという立場の方々からすれば、至ってシンプルに読めるだろう。細かいこと抜きで重要な点を拾えば、章名が[「戦争の放棄」、第一項には戦争も武力行使も永遠に放棄すると念押しがあり、第二項に戦力は持たず、国の交戦…

現行の第9条第1項  (第1317回)

昨日(2016年8月3日)、我が国で軍事志向の強い政権が新内閣を発足させた途端、軍事行動が好きな北朝鮮が、ミサイルを飛ばしてきた。よもや偶然ではあるまい。あの方向音痴のミサイル、どこを狙ったか分かりはしない。これでもまだ自衛権の発動に至らないと…

インディアナポリス  (第1316回)

映画「ジョーズ」の一場面に、サメ漁が専門の漁師ロバート・ショウの船長と、鮫の生態研究者であるリチャード・ドレイファスの海洋学者が、夜を迎えた船の中で、お互いが鮫に噛まれた傷跡を見せあうシーンがある。それまで反目し合っていた二人が、これを機…

ケネディの大統領就任演説  (第1315回)

本日は趣向を変えて、昔の人が言ったことを聴いてみる。幸い、ネットにはその画像も英文も載っている。1961年1月。私はその数か月前に生まれた。田舎者ぞろいの我が実家が長男の誕生を他愛なくよろこんでいたころ、前年の大統領選に勝利したジョン・F・ケネ…

英語の第9条  (第1314回)

これまで私が「英語版の憲法」などと称して利用してきた資料は、首相官邸のインターネット・サイトに掲載されている。ご覧になりたい方は、こちらをどうぞ。日本国政府の紋章である五七桐の紋があしらってあるので本物でございましょう。公布の日付は11月3日…

その責任を負ふ  (第1313回)

前回で「小寺文書」のブログの引越しが終わりました。本日以降は、「憲法と社会」の引っ越しです。今回は第1047回の続きで、第一章の「天皇」の最終回。次に「戦争の放棄」へと移ります。天皇の章は、最後に現行憲法の第3条と第7条を対象にします。先に問題…

博多の連隊 【後半】  (第1312回)

前回の続きです。黒田家譜の中身に戻ると、高政の子・官兵衛の祖父である黒田重隆の時代になると、この流浪の一族は東に移動し、播磨国(兵庫県)の姫路に移った。 次の職隆の代になると、同地の小大名である小寺家の家臣となり、徴用されて小寺の姓を賜るほ…

博多の連隊 【前半】  (第1311回)

余りに長い間、更新しなかったので、ブログに申し訳ない。せめてもの手当に、他で書いた文章を二回にわたり転載します。そちらの主題は太平洋戦争で、ガダルカナルの戦いの話題。 今回は一休みして余談です。第百二十四連隊は福岡の編成。ところで、「最悪の…

中間報告  (第1310回)

しばらく中断してしまってお恥ずかしい。 言い訳の数々。 仕事がそれなりに忙しく、体調もいまいち。 大河で「軍師官兵衛」をやっていたころは、「史実と違う」などとコメントされても困るので停止。 最近、新たに追加版「小寺文書」が見つかったので読んで…

御室  (第1309回)

今回は「吾先祖は宇多源氏より出で」という「認」の最初の一節から勉強を始める。うちのご先祖は宇多源氏から出たのだという。遠回りして地理のお話から。奈良に大和三山あり、私の好きな山々で小学生のころから知っていたし、中学校の修学旅行で初めて見た…

「認」のはじまり  (第1308回)

ようやく事前準備として、「黒田家譜」と「尊卑分脈」のご案内が終わったので、次は先ごろ写真だけ載せて読み辛いままにしてある「認」に何が書いてあるかを確認する作業に移る。これが本当なら凄いっちゃ凄い。何せ先祖は皇族なのだ。前回申し上げたように…

尊卑分脈のことなど (第1307回)

「認」の解読に入る前に、「黒田家譜」に加えて、もう一つの文書について整理しておきたい。略称を「尊卑分脈」という。こちらは読み方が私にも分かっていて「そんぴぶんみゃく」という。大雑把にいうと「尊」とは王侯貴族であり、「卑」とは尊から分脈(分…