2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
マルオはケンヂに、あの映画の後編はどうなると思うよ、と尋ねている。ケンヂによると、スティーブ・マックイーンとマンダムの二人は、目の輝きがあり、目の力が違うので、この二人は少なくとも助かるのだという。知っている役者を並べただけだと即座にマル…
マルオが「かっこいい」と称賛しているように、映画「大脱走」のスティーブ・マックイーンは、実に恰好よかった。彼が演じた米軍パイロットの捕虜も行儀が悪くて、ショーグンや角田氏のように独房に放り込まれる。その部屋の中で壁を相手にキャッチ・ボール…
私は映画が大好きです。このブログで、映画にほとんど触れて来なかったのは、語り出すと止まらなくなる恐れがあるからなのだが、今回はちゃんと漫画に映画が出てくるので堂々と書ける。第6巻第10話のタイトルにもなっている映画「大脱走」は、私やオッチョが…
近距離からショット・ガンで撃たれ、気の毒にブリトニーさんは即死であったろう。蝶野刑事は幾つかの運に恵まれて助かった。前回触れたように、犯人と彼の間にブリトニーさんがいたこと。散弾だったので、ブリトニーさんの体を貫通しなかったこと。もっと遠…
今月9日のブログで「おまけ」に書いたとおり、その前日の8日にジョン・レノンの追悼チャリティー・コンサートに行ってきました。そこで誰かが、ソロ時代のジョンがカバーして歌った「Stand by Me」を演奏したのだが、イントロのアレンジはジョンのような生ギ…
第6巻第8話の「お守り」は、斉木先輩が蝶野刑事に対して、俺の机の上にあったぞと言いながら、お守りの束を手渡すシーンから始まる。これ、お前のだろと先輩は言っているから、蝶野刑事がお守りをたくさん持っているのは周知の事実であるらしい。若い刑事が…
第5巻の124パージ目、避難場所の倉庫に突然、蝶野刑事が現れた途端、カンナは激しい拒絶反応を示している。ニューハーフの二人に逃げてと叫び、引きとめようとする蝶野刑事には、噛みつくという古典的な戦いぶりを示す。このあと刑事とカンナの二人は、信じ…
第6巻の115ページ目で、電信柱の影にひそんでいた蝶野刑事が、常盤荘から立ち去るカンナを見届けているその目的は、真面目な顔をしているのでたぶんストーキングではなく、本業の張り込みであろう。彼はブリトニーさんのアパートを張っていた際、ヒゲソリを…
第6巻の109ページでは、常盤荘の漫画家コンビ、ウジコウジオが創作にいそしんでいると思いきや、仕事を中断して、雑談に入ってしまう。話題は、頭の中で一日中、CMソングのような、どうでもよい曲を歌っていることがあるという件。奇しくも二人の頭の中には…
脱線ばかりしていないで物語に戻ろう。オッチョが刑務所内で角田氏から、カンナが警察に追われているらしいという由々しき情報を得て心配しつつ、恩人に「ショーグンと呼べ」と大変偉そうに命じていたころ、カンナは何をしていたかというと、隣のページで寝…
前回はオッチョを話題にしたので、脱線ついでに今日はユキジを話題にしたくなりました。小欄も200回記念を迎えたこともあり、史上最強の女なら今回の話題にするにふさわしいというものだ。 血の大みそか以降、2014年の再登場まで彼女がどこで何をしていたの…
今回は、私にとっては大切な記事ですが、「20世紀少年」の筋とは全く関係が無い内容です。したがって、私をご存じない方々が小欄をお読みになっても、時間の無駄になるだろうことを予めお断りいたします。 一番好きな日本語のことばを挙げよと言われたら、私…
第5巻の96ページ目で、3番さんにシャバの様子を尋ねられた角田氏は、3か月も拘置所に入れられていたので最近のことは、と返事をするのだが、俺はここで14年だと言い返されて納得、拘置所時代に届いていた友人からの手紙の内容を語り始める。 拘置所とは、被…
絶叫中の漫画家角田の口を大きな掌で塞いだ男が、「静かにしろ」と言った声を聞いて、角田氏は相手が利き手の恩人であることを察した。どうやってこちらに来たのが訊いたところ、相手はその部屋にある二つの大きな穴の所在を示す。トンネルを掘って、ここま…
漫画家角田さんは、オッチョにその職業人生を救われている。角田氏は特別懲罰房に収監されることになってしまった。第5巻の61ページ目、彼は二人の看守に連行されている。看守の帽子に「UHP」と記されているのは、海ほたるプリズンのイニシャルであろうか。 …
漫画家角田は第5巻第3話の「海ほたる」で初登場した早々、生きては還れないと聞かされて気を失ってしまい、目覚めると二人相部屋のベッドに横たわっていた。相棒の話によると、海ほたる刑務所には、「特別懲罰房だけには行かないようにしな」という恐るべき…
前回の「アルカトラズからの脱出」は、今回の本題が始まる前に脱線するという妙な具合になった。海ほたるは、東京湾に浮かぶ現存施設の名称である。刑務所長の甘粕屋は、かつて「観光地」であったと語っているが、本当にそうなのか? 房総半島に釣りに行く途…
1990年代の初めごろ、私はサンフランシスコで働いていた。職場は咸臨丸が辿り着いたサンフランシスコ半島先端部のビジネス街にあり、自宅は南方の国際空港のそばにあった。毎日、サンフランシスコ・ベイを右手に眺めながら、インター・ステート・フリーウェ…
第5巻から第7巻は、歌舞伎町での殺人場面が多いので何かと物騒です。第6巻の冒頭は、ビールの空き箱に身を隠していたニューハーフのブリトニーさんが、後日、蝶野刑事が死体を見て吐くことになる中国人の銃殺現場を目撃するところから始まる。 法王来日を控…
そろそろ第5巻も終わりに近づいた。大家の常盤さんに「食えないコ」になるよと忠告されたユキジは、カンナにそれを伝えるのだが「あたしタコじゃないもん」と反抗期そのもの。でも事実タコではないので、ユキジは話題を変えて、「だいたい、何なの、この部屋…
第5巻の172ページには、歌舞伎町警察署の取調室Fで、遠藤カンナを尋問している蝶野刑事の姿がある。どうやら、カンナが中華料理店で働いたため、彼女が中国人で、しかも不法滞在ではないかと疑っているらしく、国籍を尋ねている。頬のバンド・エイドは、目の…
第5巻第10話の「チョーチョ」は、「都立新大久保高校」という校門の看板の絵から始まる。ここに呼びだされて男性教師に苦情を申し渡されているのは、この高校の生徒であるカンナの身元引受人であるユキジであった。 おかえり、ユキジ。もう五十代半ばとあっ…
第5巻の第9話「蝶野刑事」には、2人の重要なバイ・プレイヤーが初登場する。一人はタイトルどおり、蝶野刑事。あのチョーさんの孫なのだが、ショットガンで射殺された死体を見て吐いたり、ローマ法王警備ための重要な訓示の最中に欠伸をしたりで、上司や先輩…
歌舞伎町ねーざん通りにある味自慢のラーメン屋「七龍」は、中国マフィアとタイマフィアの抗争に巻き込まれて、入口のガラス戸は全て破れ、店内にも損害が及んだ。第5巻146ページでは、心配そうなカンナが覗きこんで声を掛けてみると、白い割烹着の男が、「…
第5巻の133ページ、店内の銃撃戦で死んだ客の財布からも代金をもらったと、自慢話をしている珍宝楼の店主の珍さんに「あの売れないニューハーフ」と呼ばれているのがマライアさんだ。カンナは金のない彼女に食事代を立替てやっているらしいのだが、珍さんに…
私は22歳で就職し、初めて東京に出てきた。当時は映画が大好きで、週末はもちろん、金と時間さえあれば仕事帰りでも映画ばかり観ていたのだが、今のようにシネマックスなどないから、何をやっているか分からずに飛び込みで観に行くときは、映画館の多い新宿…
第5巻第7話は「さいかい」。カンナが入居する共同住宅の名前は「常盤荘」という。この名は、大家さんの氏名「常盤貴子」と、かつて手塚治虫ほか多くの漫画家が暮らし、お互い切磋琢磨して腕をみがき、巣立って行ったアパート「トキワ荘」を掛けているのだろ…
波乱万丈の2011年も、残すところ1か月余りとなりました。2014年まで、あと2年少しである。「20世紀少年」は年代で区分すると三部構成になっている。第一部は1997年。血の大みそかで終わり。このブログは、ようやくそこまでたどり着いたところ。 第二部は、20…
第8巻の38ページ目、運転席前のモニターが自動的に稼働し、画面に忍者ハットリくんのお面をつけた男が映り、映画のCMですっかりお馴染みになった「ケンジ君、遊びましょー」という間延びした声が聞こえてきた。ちなみに、私たちも子供の時分には、これと全く…
地面に落ちたオッチョが、一人はしごを登ってゆくケンヂを見上げている姿に続いて第8巻の第2話「ロボット」が始まる。1969年に戻り、秘密基地の中で創成期のメンバー4人に加えて、ユキジが少年マガジンを読んでいる。ケンヂが、TVアニメ「鉄腕アトム」の主題…