2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「20世紀少年」第10巻第2話のタイトルは「クロスロード」。英単語の「crossroad」は、うちの辞書によると、単数では横道、脇道といった意味で、大通りに交差する狭い道のことを指す。複数で「crossroads」となると、十字路を意味する。第2話には、三つの十字…
ケンヂはその半生において様々なギターを演奏している。主な歴史は次のとおり。(1)ほうきギター時代。(2)痛恨のクラシック・ギター。(3)中学生のとき姉ちゃんに買ってもらって以降、バンド時代まではエレクトリック・ギター。(4)20世紀末のフォ…
第9巻の巻名は「ラビット・ナボコフ」で、ヒロインはもちろんカンナ。第10巻は「顔のない少年」で、主人公はサダキヨとコイズミです。この「顔のない少年」とは、サダキヨが自嘲気味に言うセリフなのだが、物語の後お半、顔のない少年は別の意味で(あるいは…
かつてモンちゃんが、その一部のコピーを入手した「しんよげんの書」は、鼻ホクロ巡査も「きゅうせいしゅ」の件を知っているところをみると決して機密文書ではなく、「よげんの書」と同様、”ともだち”の予言書として、仲間内では広く知られているらしい。13…
14年もの歳月を費やして、その知力気力体力の限りを尽くし、オッチョが海ほたる刑務所から脱獄したのは、そこらの逃亡者とは異なり、単に束縛から逃れるためだけではなかった。俺たちの最後の希望を守るという崇高な使命がある。 もっとも彼の大脱走は、外形…
国家が自分に何をしてくれるかではなく、自分が国に対して何ができるかを問うべしとケネディー大統領は国民に語りかけた。「私には夢がある」とキング牧師は口火を切った。そしてカンナは、もっと物騒な聴衆相手に、「言っとくけどね、みんなにあげるような…
第9巻の第7話「しんよげんの書」は、2002年にモンちゃんが失踪したことを読者に告げた後、2014年に戻ってユキジと市原弁護士が公園で待ち合わせる場面に続く。先に来て待っていた弁護士は、一時間並んで買ったタコ焼きに加えて、たくさんの紙袋を抱えており…
第9巻第6話「告白」の最初の2ページは、ユキジがお墓参りに行く場面である。彼女は、「みんなで一緒に命日のお参りに来たよ」とお墓に声をかけている。ユキジ以外の「みんな」は写真の中だ。ヨシツネが自分の基地に飾っている写真とは異なるし、彼女の写真が…
第9巻の第5話は「超能力」。カジノを混乱に陥れて逃げ出したカンナ、蝶野刑事、マライアさん、渡世人の4名が、元区役所広場で、よりによってホームレスからくすねたお金で缶コーヒーを飲んでいる。文無しで、早朝で、寒い季節なのだ。 人を集める目的を渡世…
今回は、まるで落語の三題噺のようなタイトル、例によって物語とは関わりのないことでございます。以前、「ラビット・ナボコフ」は実在するギャンブルかどうか調べようと思い、ネットで検索したところ、「20世紀少年」がらみの検索結果ばかり出てきたので断…
1枚のコインから始めたカンナのスロットは連戦連勝だったようで、マライアさんが換金したところ4万7千円ほどになった。私の場合、ラスベガスでのスロットはトントンであったが、最後に訪れたリノで儲けた。このときリノに向かう途中、マイ・カーのタイヤが破…
この「カンナ、戦闘開始」というタイトルは、単行本第9巻の巻末の宣伝文句から拝借しました。これまで教室で暴れたり、鼻ホクロ巡査から逃げたりしていたカンナが、「本気で勝負すると、何かが決壊するんだ」というケンヂおじちゃんの言葉を心の支えにして戦…
このブログは、基本的には単行本の1冊目から順を追って感想文を書いているのだが、話題がときどき遠い先の展開に跳ぶのは、書いておかないと忘れてしまうという、わが記憶力の老化の対策です。今回のタイトルについても、いずれ第22巻あたりから詳しく書けた…
前回に続く与太話です。手元に新聞記事の切り抜きがある。読売新聞の2011年12月3日(土曜日)の朝刊の記事で、執筆者は社会部の次長さんとある。記事の内容は主にオウムの麻原で、11月にオウム関連の裁判が終結したことに触れているのだが、直後の大晦日に逃…
コイズミに付きっきりだったので一休みして、今回と次回は雑談です。単行本「21世紀少年」の上巻70ページ、ケンヂと国連軍の誰かさんとの会話が始まり、この相手が「私はプロファイラーです」と語っている。ケンヂの反応は「プロ、なんだって?」という頼り…
ともだちランドのバーチャル・アトラクション(VA)は、いずれまた第14巻以降にも何度か出てくるので、しっかり確認したいのだが、不自然に思うことがある。VA内の様子が、操作する側には、ほとんど分からない様子なのだ。研修にしろ洗脳にしろ、送り込んだ…
第9巻の16ページ、目が覚めても、まだバーチャル・アトラクション(VA)に滞在中のコイズミであった。ちなみに、小泉響子の名は、やはりキョンキョンこと小泉今日子からとったものだと思う。彼女は、私や浦沢直樹さんや皇太子殿下が、大学生だったころにデビ…
ようやく第9巻に入ります。第1話の表題は「見ちゃいけない」。ヨシツネが、バーチャル・アトラクション(VA)内のコイズミに必死に伝えようとしている言葉である。見ちゃいけない理由は、第8巻の最後にヨシツネの言葉として出てきたが、「”ともだち”の顔を見…
第8巻の204ページは、バーチャル・アトラクション(VA)の中で、テルテル坊主に隠れた二人がヒソヒソ話をしているのを、コイズミが不審そうに様子を伺っており、後から来たヨシツネ少年がそれに気づくシーンである。ヒソヒソ話中の二人のうち、一人は転入生で…
さあ、8月29日の深夜、公園に集まった少年たちが首吊り坂の屋敷まで肝試しに向かう場面。バーチャル・アトラクション(VA)では第8巻の181ページ目、現実にあった出来事としては、第16巻の71ページ目に、同じ絵が描かれている。8人の少年が参加した。マルオ…
前回の続き。強制終了に関する警告文中の「脳内メモリー」とは何か。コイズミの研修場面に限らず、第14巻のヨシツネたちの侵入時にも、「21世紀少年」でケンヂがプレーヤーになるときも、脳内にシリコンやら金属やらでできた、メモリー・チップのようなもの…
第8巻の197ページ目、小学校5年生のときの「首吊り坂の屋敷」での事件を思い出したヨシツネは、突如、秘密基地から走り出して車を出させ、ともだちランドに向かう。焦りつつ、「”ともだち”の顔を見たら殺される」と、第8巻の最後で叫んでおります。 バーチャ…
第8巻の180ページ目、サインボール救出作戦は成功裏に終了し、日も暮れて少年団は解散するが、コイズミには帰る家がない。ここで親切にもケンヂが案内してくれたのは、誰にも気付かれずに乙女が独りで、一夜を明かすことができる場所、やぶ蚊が守る草原の秘…
第2巻にホームレスの神様が公園のベンチで、美味しそうに弁当をいただいている場面がある。「20世紀少年」には公園のシーンが幾つか出てくる。今回はストーリーから離れて、ケンヂたちが生まれ育った町の公園場面を楽しみます。 少年たちの集合場所には、他…
コイズミが4人の少年に、アイスの外れクジで、もて遊ばれていたとき、4年生のトモコの弟がきて、火事で焼けた醤油工場の跡地に間違って打ち込んでしまった野球のボールを取ってくれと頼みに来た。「平和を守るためなら何でもできる?」とは、小学生とは思え…
コイズミのスカートを引っ張って「遊ぼ。」と誘った少年は、それだけ言い置いて背を向け、坂道を駆け上がりながら去ってしまう。取り残されたコイズミも、次いで坂を登っているから、おそらく取りあえず少年が消えたほうに向かったのだろう。 彼女と同時にボ…
これから小欄では、そもそもこの物語に出てくるバーチャル・アトラクション(VA)がどんな仕組みなのか、また、何が目的なのか、できるだけ究明しながら進めたいと思っている。昔からメカが苦手で、ITと言う言葉を耳にしただけで寿命が縮む気がする私にとっ…
子供時代のお面問題は、①実際の過去および②回想について書き終えたので、最後に③のバーチャル・アトラクション(VA)に挑む。負ける見込み。 負けることが分かっていても挑戦することを、風車に立ち向かうドン・キホーテに例えることがあるが(ドンキ・ホー…
おまけです。およそ世のため人のためになるとは思えないこのブログ、常にも増して今回は無残だが、だからこそ力が入ろうというものではないか。こうなったのも第10巻の43ページ目で、トモコさんが英語の先生を「エロガッパ」と呼んだからだ。私はエロガッパ…
だいぶ前にも書いたのだが、この作品で過去が描かれるときには、三つのパターンがある。(1)実際にあった過去(正確に言えば、この物語の世界で実際にあったという前提で、作者が描いている過去)、(2)登場人物の誰かの回想シーン、(3)バーチャル・…