東日本大震災

確定申告の時期に  (第1193回)

前にも書きましたが、2011年3月11日、私は自宅事務所で、個人事業の経理の仕事をしていました。記憶では一日か二日前に、2010年の確定申告作業は終わり、その勢いで、2011年分の会計処理も一気に片付けようと、伝票やエクセルと格闘しておりました。 最初の…

女川の港  (第1188回)

ちょうど去年(2017年)の同じころ、11月下旬に、私は仙台湾の反対側にある名取川の河口付近から、牡鹿半島を遠望していた。このブログに金華山が見えたと書いた覚えがあるが、芭蕉や曾良の轍を踏んだかもしれない。ともあれ、土地鑑もないし遠かったので、…

日和山の秋  (第1187回)

11月14日は、前日無事に大川小学校方面への遠出を果たしたので、足もくたびれたし、石巻市街をゆっくり歩くことにした。地図で見ると、芭蕉と曾良が訪れたという名勝、日和山が徒歩で行けそうな範囲にあるので、午前中はその地を目指す。 まずは、前日の新北…

風にもまけず  (第1186回)

3時間の歩きで、よれよれになった。体力を消耗したというより、足が痛くなった。これでは、さらに3時間もの復路を歩けないと思い、残念だったが、滞在時間を時刻表に合わせて短縮し、またしても住民バスのお世話になることに決めた。 今回に限らず遠出すると…

大川小学校に向かう  (第1185回)

前回の続きです。私にとって天災の恐ろしさの度合いは、自然科学的な数値で表させるものと、人的被害という数量だけの問題ではない要素との組み合わせになる。例えば北極のような誰もいないところで、どれほどの大地震があったとしても、前者の学術的な関心…

北上川  (第1184回)

私は車を持っていない。バイクの免許はない。もう20年以上、レンタカーも使っていない。子供のころから近視と乱視がひどく、いまは老眼による目の疲れやすさも加わった。ドライブを楽しむ体力も落ちてきて、東京にいる限りは、公私ともに車は不要だから、も…

石巻  (第1183回)

何度かここに書いてきたように、年に一回の割合で、東日本大震災の被災地を訪れています。ボランティア活動などするでもなく、ただ歩き回り、飲み食いし、その記録を書き残している。 私は地震学者でもないし、原発関係者でもない。災害の専門家でもないし、…

わたしはラーメンか  (第1179回)

本日(9月1日)は防災の日であります。以下、書き記すことの殆どは、かつてここで書いたことがある話題ですが、天災が忘れたころにやって来ないようにするためのリフレインです。 明治生まれの母方の祖父は、関東大震災のことを「こないだの地震」と呼んでお…

南三陸海岸大津波  (第1148回)

本の名です。吉村昭著「南三陸海岸大津波」。私が持っているのは文春文庫で、奥付に「2011年5月25日 第11刷」とある。学生時代に一度、買って読んだはずなのだが、自宅にも実家にも見当たらなくて、どうやら買いなおしたらしい。おそらく海外駐在に行く前に…

風化  (第1148回)

毎年この時期になると、東日本大震災に関連する報道が増える。今年は単なる気のせいなのかもしれないが、風化という言葉をよく耳にしているような感じがする。たぶん自分に言われているような気がするからだろう。 これでもまだ、震災でいえば阪神・淡路や熊…

花蓮  (第1146回)

初めて見たとき、なんて綺麗な地名だと思った。うろ覚えだが現地ではファーリェンというような発音だった記憶がある。2007年に台湾旅行に行った。そのとき三泊のうち二日が台北の泊りで、一日だけ花蓮に宿泊した。先日(2018年2月6日)、大きな地震で被害が…

バス停が小学生を待っている  (第1136回)

前回の続きです。宮城行の二日目、仙台から名取に移動した。右手の車窓から冠雪した山々が見える。ろくに地図も見ずに来たものだから、どこの何山か知らなかったのだが、名取駅前から乗ったバスの運転手さんは、「今朝初めて蔵王が真っ白になった」と言って…

青葉城  (第1135回)

前回の続きです。浪分神社からの復路は順調で、バスと地下鉄を効率よく乗り告げたので、日暮れまでの時間帯に仙台城址に行くことにした。見たいものが二つある。お馴染み伊達政宗像と、正岡子規が随筆「病床六尺」に書いた鵄(鳥のトビ)の像。 後者のトビ像…

浪分神社  (第1134回)

毎年一回、東日本大震災の被災地を訪問し、その記録や感想をここに残している。2011年の3月下旬、気を取り直して生活を立て直すため、気分転換にまず温泉に行き、そこで初めて漫画「20世紀少年」をみた。いわば、お導きのようなものです。 大人になってから…

原子力政策  (第1054回)

あまり時事ネタをここで取り上げないようにしているのだが(娯楽目的ですから)、以下に関することは、すでにここでも何度か話題にしているし、その続きを書かずにはおけない感じになってまいりました。 ことの発端は、ネットで評判になりつつある先週金曜日…

地震  (第1005回)

半世紀も生きてきて、結局、地震のことは何も分かっていない。私だけでなく、おそらく誰もみな。津波など滅多に来ないと勝手に決めていたら奥尻島に来た。関西は火山が無いから地震は少ないと思い込んでいたら、阪神淡路が来た。中越で終わったかと思ってい…

久之浜  (第996回)

早朝に食事を済ませて、小名浜の宿を出る。学生時代、寝台特急に乗って旅したレールの上を、地元の皆さんとともに各駅停車でカタコト揺られ、いわきを経て久之浜に向かう。久ノ浜駅には電子改札がなくて、SUICAに入場記録だけ残し外に出た。小さい写真を貼り…

小名浜  (第995回)

前回の続きで、今日と次回は福島訪問記です。年に一度は被災地に行く計画を立てており、つい先日、5回目の九段に出かけたばかりだった。6回目は経緯があって、6年目に入ったばかりの3月12日(土)と13日(日)の週末を利用し、一泊二日で福島県いわき市まで…

5年前  (第994回)

このブログは、5年前の2011年6月に書き始めた。この時期からとなった理由は二つある。いずれも、きっかけはこの年の3月の出来事。一つは、新潟の温泉を再訪し、まだ雪が残っていたので昼間は近くを歩く程度という休養の日々を過ごしていた折、宿の本棚に「20…

九段  (第982回)

間もなく東日本大震災の発生から5年を迎える。今日は漫画と関係がない。毎年一回、被災地を歩くと決めているのだが、今回(去年の3月11日から一年間)は諸事情が重なり、金も体力も時間も不足したまま時が経ってしまった。 過去4回は東北3県と北関東に参った…

北の鉄人  (第971回)

去年はラグビーを知らない私でも(知っているのはバックパスしか駄目というルールだけ)、ラグビーのことを書いたとて怒られそうもないことが起きた。競技の説明や試合の解説は書きたくても知識がないので、昔話から始めます。 モンちゃんが就職したのは酒造…

2014年 クウェートの返礼 (釜石〜陸前高田〜気仙沼)

湾岸戦争が始まったとき、私はアメリカ合衆国のサンフランシスコにあるオフィスで働いていました。1990年のことである。いつもは朗らかで強気な米国人の若い同僚たちが、「テラモト、俺は兵隊にとられるかもしれない」と真っ青な顔をしていたのを今でも覚え…

三陸海岸を歩く (山田〜大槌〜釜石)

前回引用した近所の作家、吉村昭「三陸海岸大津波」の最後の辺りに、「私は、津波の歴史を知ったことによって、一層三陸海岸に対する愛着を深めている。」という箇所が出てくる。そして「私は、今年も三陸海岸を歩いてみたいと思っている。」という一文で終…

岩手行 (盛岡〜田老〜宮古)

東日本大震災が発生してから、年に一度、被災地に行くと決めて4年目に入った。初回は宮城、2回目は栃木と茨城、3回目は福島、そして今回は5月の半ばに岩手に行ってきた。行先と季節がこうなった理由は、その初日に同窓会の先輩のツアーに便乗させてもらった…

3月11日 火曜日 天気〇     (号外)  

2011年の夏、東日本大震災の発生から数か月経った或る日、仙台で診療所を営んでみえる医師の講演を聴く機会があった。彼はその当時に自らのクリニックで働いていた看護師を津波で失った。 その看護師さんは当日、非番だったそうだ。このため地震が起きたとき…

前回の続き (今日も読まない)

今回のブログ記事は、白河の関で書いている。傍らに夕暮れを迎えた公園があり、あの日の13番のようにベンチに腰掛けて、くつろぎながら最終バスを待っています。 昨日は勿来の旅館で一泊。勿来から白河へ、すなわち浜通りから中通りに抜けるには小生得意の鉄…

本日は一休み (20世紀少年を読まない)

今のところブログはこれだけなので、漫画と関係ないことを書きたいときも、ここを使うほかない。これを書いている今(2013年12月12日)、旅先の旅館では外の道を流していく「石焼き芋、焼き立て」という不滅の言い回しが聞こえてくる。 荷物抱えてあちこち歩…

吉田所長 (号外・後半)

前回の続きです。もう一つの今次の報道ぶりに関する不満は、確か昨日のNHKも言っていたと思うのだが、所長は奮闘したものの「結果的にメルトダウンを防げなかった」という表現である。ネットのニュース等でも幾つか見かけた。 炉心溶融については当初から疑…

吉田所長 (号外・前半)

今回は漫画の内容と無関係です。書きながら考えるたちなので紙面を使うだけ。ブログはこれしかないのです。原発推進派の皆さんにおかれては、読んでも気分が悪くなるだけだろうからご遠慮下さい。 私自身の考えは半年ほど前に原発を話題にしてから何の進展も…

犠牲 (20世紀少年 第650回)

前回の続きです。昨日、引用した「日本から学ぶべき十の事柄」のうち、私は7番目の項目、「THE SACRIFICE」すなわち「犠牲」に対してちょっとした違和感を持っている。念のため、東電原発の被災現場で働き続けている人たちの艱難辛苦を、否定したり疑ったり…