上野公園は、拙宅からゆっくり歩いて20分ぐらいなので、格好の散歩コースになっている。先週末も歩いてきました。早朝だったから人通りは少なかったが、日曜日なので後から混んだはずだ。パンダの赤ん坊がいる。
先月だったか、名前が「シャンシャン」(香香)に決まったとの発表があった。ニュースで聞いた途端、「株主総会か」と反射的に思ったのは、我が不徳の致すところ。良い名前だ。音も漢字もきれい。長生きしてくれい。
前回は「がまんなさい」をテーマにしたのだが、気になるのは報道等によると、いじめが原因で最悪の結末に至るケースが少なくないらしい。先日、ある医師のアンケート調査結果を読んでいたら、中学生数百人の回答のうち、「死にたいと思ったことがある」が、約2割に達したと書いてあったので驚いた。
今の青少年は、どういう精神生活を送っているのだろう。私は小中高と、なかなか寝付けないほと嫌なことは数えきれないほどあったが、あの世に行きたいとは思い付きもしなかった。同級生の訃報に接したこともない。
確か雨宮処凛さんが、どこかの新聞に書いていたと思うのだが、狭い教室にずっと閉じ込められて、競争原理にさらされたまま、先行きの見えない就職活動まで、あるいは就職してからも、周囲との軋轢や、将来の不安が消えない。これでは、脳がものすごく疲れる。
このため、最近は「逃げろ」というキャンペーンも張られるようになった。特に、進学進級の季節や夏休み明けが統計上、危ないということで、その時機に多い。サダキヨも9月1日に脱出した。
左に掲げた上野動物園の tweet も評判になった。一目散に逃げてくれというのは聞き覚えがある。バクやパンダ相手に、ぼんやり一日過ごすというのも悪くない。まずは気力体力を取り戻そう。
動物の世界は、いじめのみならず、餌になるおそれもある大変ストレスフルな環境だ。そういうリスクが低い人類とかカメとかは、気苦労も少ないので長生きするというのが通り相場だった。
上野動物園の方々は、園内が自然界そのままではないとはいえ、日々、動物同士の揉めごとをご覧になっているだろうし、野生動物の習性に詳しくなければ飼育にも差し障るだろうから、勉強もなさっているに違いない。これはプロならではの発想だ。これが必要な時代になったということだ。
次回は、もう一度、手塚治虫の著書に戻って、彼がマンガと自然といじめについて、どう考えていたかを確かめることにする。これは人の心と死生に関わる問題であり、情報源が古いなどという理由だけで、看過すべきものではない。きっと、手がかりはあるはずだ。
(おわり)
だれにも縛られたくないと
逃げ込んだ この夜に
自由になれた気がした
「15の夜」 尾崎豊
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