おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

ウイルスか...   (第1216回)

 かつて、このブログでウイルスを話題にしていたころを思い出すほど、巷には「新型コロナウイルス感染症」の話題が溢れている。でも一方で、大騒ぎをしているのはネットやテレビに影響されているだけのノイジー・マイノリティのような気もする。以下こういう調子だから、不機嫌になりそうな予感がする方は避けてください。

 毎年、季節性のインフルエンザで何千人も亡くなっているそうなのに、このヒステリックな人たちは何をしたいのだろう。まだワクチンが開発されていないので、お年寄りや小さなお子さんを持つ親御さんは心配だろうが、元気な者は騒がないでもらいたい。唾を飛ばして、電車やお店の中で怒鳴らないように。


 うちの近所の大きなドラッグストアは、もう一週間ぐらいトイレットペーパーとマスクとティッシュの大きな棚が、すっからかんのかん。毎朝通勤で通りかかる家族によると、あれだけ業界の方々が在庫はありますと広報してみえるのに、寒空の下、並んで開店を待つ者が、数十人も列をなしている由。肺炎になるぞ。本当に無くて困っている人の身にもなんなさい。

 週に二回ぐらいのペースで、水泳に行っているスポーツ・ジムが今週、全館営業停止になった。たまたま、それを知らずに最後の日に行ったのだが、ガラガラだった。働いているのは若い人が多いが、これからどうなるのだろう。帰り際に説明してくれた若者の声がかすれている。大変ですねといったら、その辺りにいたみなさんに最敬礼された。何か、おかしくないか。


 子供のころから風邪を引いやすい体質で、しかも五十を超えてから更に弱くなったので、帰宅後と食事前の手洗いは欠かさない。この冬はそれを少し丁寧にやるほか、何の対策もしていない。あえていえば、外勤や散歩のとき、少し長めに歩いて体力・免疫力を落とさないようにしている。おかげさまで、この冬はまだカゼを引いていない。

 仕事で必要があり、病院や医師のブログを幾つも読んだのだが、消毒用のアルコールも、マスクももちろん有効だが、当たり前ですけれども完ぺきではない。最新兵器のマスクでも、花粉は100%防げるものではない由。

 仮に100%遮断する強力な防禦製品が出来ても、例えば食事時や、大事な人と話すときはマスクを外す。そういうときに限って、無意識に口元に触ったりするのが私達だ。買い物ストレスで神経を痛める方が、よほど危ない。さて、風邪を引きやすい体質と申しましたが、鼻がが弱くて必ずハナカゼになる。


 それはそれで苦しいが、セキも熱も殆んど全く出ないので、生まれてこの方、マスクをしたことがない。例外は業務上、食品加工の工場に入れて頂くときなどで、その際はもちろん職場のルールに従う。先日、雑談した相手の若い女性は、マスクをすると皮膚がただれるので、したくでもできないと言っていました。医学薬学は統計学、人それぞれ。

 第一、インフルエンザにかかった覚えがない。幼いころ熱を出して寝ていた時、実はインフルエンザだったかもしれないが、縫ったり切ったりの病気や怪我でないと病院に連れて行ってもらえなかった時代の貧乏一家だから、診断を受けたことが無い。マスクをしていないくらいで、睨まないでもらいたい。


 報道やネットにも文句がある。先日、テレビのニュースで「新フル」というテロップを見た。これで意味が解ってしまうのが日本語のすごいところだが、とにかく言葉が汚い。だいたい全国紙レベルで、「インフル」と書いているのは日本だけかもしれない。

 30年も前にアメリカにいたころ、彼らは「フルー」と略していた。いまも「flu」で検索すればたくさん記事が出てくるし、国連のWHOも記者会見で使っている。言葉を一番大切にしないといけない報道関係者や政治家が、もっとも口汚い。そして平気で義務教育の場から、子供を締め出す。全国の先生、ここは頑張りどころだ。


 新型なので、どういう病気を併発するかなど、まだ分からないから不安になる人がいてもしかたがないとは思う。でも何時から日本は、長生きする(だけ)ということが、生き甲斐になったのか。同居していた祖母なども含め、今の自分の年代になると、昔の年寄りは冬場、脳卒中か心臓発作でさっさと死んでいった。前日まで元気だった。立派な死に方ではないか。

 ワクチンを奪い合って殺し合いまでしたのが、「20世紀少年」でした。人類も、もうほかの野生陸上動物はあらかた殺し尽くしたので(少なくとも身近にはいない)、その獣性を発揮する相手は、もはや同類しかいない。SNSなど眺めていると、端から喧嘩腰だもんね。金と時間と体力の使いみちが、根底から、まちがっとりゃせんか。


 「ともだち」が万丈目に言っていたものだ。みんな、信じたいものが欲しいのだと。ネットはこの欲望に極めて有用で、フォローやらハッシュタグやらで、信じたい活字情報ばかりを拾い、情動的に反応している様子である。「新フル」は、呼吸器に炎症をおこす感染症であるばかりでなく、脳細胞に感染し、急性おバカを大量生産する。その方が私には恐ろしい。更にいうと、自分としては病気よりも、このあと多分やってくる不況のほうが、もっと怖い。

 会ったこともない者から、直接メールで、東京は感染者の集まりだという弾劾文がきました。そうかもしれないが、そこまで言うか。先週、親戚の葬式があったのに、親族から、この時期、東京から来ないでもらいたいといわれた。もう十年か二十年かの前から、日本人は異常なほど清潔好きとなり、長らく無菌状態で置かれたため、異物に極めて弱く、過剰反応する。もう私が死ぬまで治らないだろう。たまには外に出て、異物と接してみませんか。


(おわり)



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春まだ早い上野公園 (2020年3月1日撮影)




 Our good times start and end without dollar one to spend.
 But how much, baby, do we really need?

    ”Daydream Believer” The Monkeys

















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