2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧
学生時代のケンヂが出て来る珍しい場面がある。第1巻第3話の73ページ目において、「ギターを買った少年」のケンヂが、成長して大学生になっている。時代は1979年で冬服だから、彼は現役合格なら大学2年生、あるいは1年生の終わりごろか。 彼は道行くご学友に…
小説家の村上龍は、若いころロックバンドをやっていて、「19回目の神経衰弱」などを唄っていたそうだが、龍さんには一つ忘れがたい名言がある。 その一字一句まで正確に覚えていないが、「ラジオのボリュームを上げるとき、少年は大人になり始める」というよ…
第1巻第3話の61ページから63ページ目までにかけて描かれている地球滅亡の日の諸相については、実際、1960年代に子供向けの雑誌にしばしば特集が組まれていたのを良く覚えている。 ここではタッチを変えて宇宙人襲来、太陽の異常爆発で地面が全て水没、核戦争…
学生時代に、明け方の京都の街を全力で走ったことがある。その日は前夜から先輩宅で徹夜の麻雀をたしなみ、夜が明けて友人宅に寄るため移動したのだが、彼は500の中型に乗っており、私は自転車を盗まれたばかりだったのか、徒歩だったためバイクを追い掛けて…
ケロヨンの結婚式に戻ろう。式辞の直前というのに、ケンヂはやはり敷島教授の家の落書きが気になって仕方が無いらしい。絵に描いてマルオとヨシツネとキンちゃんに見せるのだが、彼らも精彩を欠く。どこかで見たような、というケンヂ並みの記憶しかない。 キ…
第1回の47ページ目に出て来る蛙帝国と正義の忍者舞台の銃撃戦は、1968年のこととあるから、珍しくケンヂたちが小学校3年生のときの描写である。 ここに登場する少年は3人で、蛙帝国の帝王に違いないケロヨンと、忍者舞台のケンヂ、そして47ページの中段で、…
第1巻の第2話「カラオケ」は、うわさのケロヨンの披露宴から始まる。正確にはケロヨンと嫁さんが、お色直しに入り、着替えを終えて再登場する場面からだ。ちなみに私は、ケロヨンという蛙のヒーロー(?)が居るらしいことは知っていたが、そのアニメを見た…
若いころエボラ出血熱に関する本を読んだことがある。外国人の医師が描いた迫真のドキュメンタリーを翻訳した単行本だった。私の若いころというと1980年代か90年代であるが、書籍のオンライン・ショップを眺めても、それらしい本が見当たらない。ただし、NHK…
ようやく第1巻第1章の最後の部分まで来ました。これまで、昔を懐かしみながら気楽に書いてきたのだが、今回以降はそうもいかない。いよいよ”ともだち”が登場する。ここではケンヂはまだ”ともだち”の存在を知らないが、読者にのみ、怪しげな団体によって敷島…
竣工したばかりの秘密基地に向かって歩く史上最悪の双子、ヤン坊マー坊が歌っているのは、このころ大流行したピンキーとキラーズの代表曲、「恋の季節」である。大変なヒットになったので、早速、彼らを主人公にしたテレビ・ドラマが始まったのを覚えている…
第1巻31ページ目。誰が描いたか敷島家の柱に残る、ともだちマークを眺めながら、ケンヂが「何だっけ、このマーク...」と首をかしげているシーンに続いて、時代は1969年に遡る。 1969年の夏は、ケンヂたちが10歳になる年のことだから、彼らは小学校4年生であ…
第1巻の始めの部分で、ケンヂがお母ちゃんやチョーさんやマルオと話をしているころのカンナは、どうやら首は座っているようだが離乳は終わっていないみたいだし、となると生後3か月から5か月くらいだろうか? ちなみに彼女の一番、年若い姿はこの場面でなく…
物語に初めて登場するケンヂの同級生は、第1巻26ページ目に出て来るマルオである。2000年の血の大みそか以降の苦労で、おそらく最も人格や外見が変ってしまったであろうこの人物も、この時点では商店街の小売店主らしい、にこやかな男だ。 親の代からの文房…
警視庁からチョーさんら二人の刑事がケンヂの店を訪ねてきた理由は、一家全員行方不明となった敷島教授の自宅の勝手口に、空のビール2ケースが放置してあったため、近所の酒屋を捜査対象にしたからのようである。はたして「当たり」であった。 ケンヂは店が…
特に内乱が起きた直後など、首都の治安維持や要人の警護は、ときの政府にとって特に重要な課題の一つである。ヨシツネの名の由来となった源義経が、木曽義仲追討後に京の都で検非違使に任命されたのも、西郷隆盛が明治新政府の近衛都督を拝命しているのも、…
手塚治虫の代表作の一つ、「ブラック・ジャック」は、私が小学生のころ週刊少年チャンピオンに連載されていたもので、とびとびではあったが(マンガ雑誌を毎週買う金はなかった)リアルタイムで楽しむ幸運に恵まれた。のち学生時代、パチンコで稼いだ金をつ…
第1巻の19ページ、主要登場人物たちの顔見せの場面は、コンビニ店の「酒」の看板と、カンナの泣き声で始まる。 3年ほど前、タバコの販売は成人識別の手続きが必要となり、タバコを売っているコンビニがしばし売上を伸ばしたのは記憶に新しい。しかし、20世紀…
そろそろ物語の中身に入ろう。その前に第1章の冒頭の展開について端的に繰り返すと、まず、第四中学校で鳴り響いた「20世紀少年」、国連に招かれた友民党、第二の巨大ロボットに驚愕するカンナという、予告編のような導入部分を経て、1997年のケンヂの店が出…
バンド名のT.レックスは知っていたが、この曲の名はこの漫画を読むまで知らなかった。今年に入って映画のDVDで聴いたが、かつて聴いた覚えもない。 第1巻の10ページ目に、この曲のシングル・レコードのジャケットが描かれている。左上に「日本で録音された…
1990年代に大ヒットした映画「ジュラシック・パーク」を観て、またそのあとで原作の小説を読んだとき、中生代の百獣の王ともいうべきティラノサウルスが、盛んに「ティー・レックス」と呼ばれているをみて、このバンドを懐かしく思い出した。 ロック・バンド…
A: 私が時代遅れだからです。 手元の単行本「20世紀少年」第1巻によると、週刊ビッグコミック・スピリッツ誌上で連載が始まったのは、1999年第44号からとある。私はその前年から、当時の勤務先の駐在員としてカンボジアに長期滞在していたので、長年の浦沢…
導入のお話しも一段落した。いよいよ第1巻第1話から、もう一度読み返しつつ、感想や疑問を書いていこう。巻頭の第1話のタイトルは「ともだち」。何と云う不吉なオープニング・テーマであろうか。この作品を読んで以来、Facebook の「友達」も、アメリカ軍が…
前稿に引き続き、第3巻のクラス会について。ケンヂは心中で、グッチィやノブオやコイズミは、「ひと目見て名前の浮かぶ奴」と思っているのだが、しかし本当に彼らなのかどうか、読者には分からない。 クラス会が終わった後で、マルオが、自己紹介ぐらいすべ…
このカテゴリーは、基本的に漫画の進行に合わせて、第1巻第1章から順次、書き進める。しかしながら、もしもこのブログをお読みいただく有難い方がいらっしゃるとしたら、いきなり冒頭から私の感慨だの昔話だのを、延々と書き連ねてお目にかけるというのも、…
この雑記帳における「20世紀少年」とは、正確には、小学館から単行本で発行された長編漫画「20世紀少年」全22巻と、それに加えて続編の「21世紀少年」全2巻の全体を指します。つまり、ここでは便宜的に両者を一つの作品とみなします。 引用するぺージやコマ…
このカテゴリー、「20世紀少年が『20世紀少年』を読む」は、浦沢直樹氏の代表作の一つである長編漫画「20世紀少年」の読書感想文です。これを書く目的は、主に次の三つです。 1) 文字どおり読書感想文として、私がこの漫画を読んで感じたことや考えたこと…