おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

小学館前     (20世紀少年 第156回)

 第5巻の92ページ目、カンナを迎えて呆然としているケンヂと別れた二人は、中型程度のバイクに乗って走りながら、さてと、これからどうするよと相談を始める。紅白歌合戦は却下、初詣でに行って晴れ着をナンパすることになった。東京で初詣でといえば、明治神宮が名所である。

 バイクは靖国通りに出て左折したのだが、これが致命的な判断になった。おとなしく紅白を見に帰れば生きながらえたかもしれないのだが。バイクが靖国通りを走ったのは間違いない。93ページ目の中段の絵にある道路標識や中央分離帯は、現物とそっくりである。


 明治神宮に詣でるのであれば、このまままっすぐ新宿方面に向かうほうが近道ではないかと思うのだが、運転手は左折して平川門方面に向かった。すなわち白山通りに出たのである。南に向かって走行する途中で液体を顔に浴びた。フェイス・マスクをしていなかった。雨ではなかった。

 停車した二人の目の前に立ちはだかっていたのは巨大ロボットであった。かくて、われわれは当日の最初の犠牲者をみることになる。場所は小学館の本社ビルの前で間違いない。95ページ目の絵にそう書いてあるし、実際の現場の風景も同じである。

  


 注目すべきは、巨大ロボットの大きさである。漫画でも写真でも明らかなように、このあたりの白山通りが片側3車線、計6車線で道幅がとても広い。巨大ロボットの両足は車道からはみ出しており、どちらも歩道にかかっている。実際に歩き始めると街路樹を踏み潰している。

 6車線というと、ゆうに20メートル以上はあるだろう。歩道までとなると、巨大ロボットの肩幅(?)は、30メートルぐらいになるか。そして身長は、どうやら横幅よりも少し長い。ケンヂが設計したとおり、「たかさ50メートル」くらいはあるのかもしれない。「おもさ100まんトン」は無理かと思うが。

 この縦横のサイズは、これから巨大ロボットが新宿に向かうにあたって、いくつかの解決すべき問題を引き起こす。この点については次回以降に述べます。


(この稿おわり)


天下の東大も、白山通りのご出身です。(2011年10月30日撮影)