前回の続きで岸本英夫氏著「死を見つめる心」の紹介文です。私が青少年のころは、リンパ腺という言葉が使われていたように思いますが、正式な医学用語は「リンパ節」なのだそうです。
以下はネットの諸情報から拾ったもので、本を読むための大雑把な情報を集めたものですから、正確な知識は専門書等で入手願います。先述のとおり我が家は「ガン家系」なので、まずは関心を持たずにはいられない現象面から押さえます。
リンパ節というのは、白血球の一種であるリンパ球が流れるリンパ管の節々にある「ろ過装置」のようなものらしい。リンパ節でウィルスや細菌などの異物を、こし取ります。私はこれまで、これがリンパ液だというものは見たことがなく、これがリンパ節だというものを感じ取ったこともありませんが、とにかくあるらしい。
先日たまたま読んでいた雑誌かネットかの記事に、原発ガンという用語が出てきました。原発といっても原子力発電所とは無縁で、最初にガンができた臓器等のことを指し、それが他の場所に転移しても、治療は原発ガン細胞に対するものが行われるそうです(注:これは半世紀前の著者の理解です)。
以下に本書から引用する著者の文章に出てきます。リンパは漢字で「淋巴」と書かれています。まずは1954年に客員教授として働いていたスタンフォード大学で異変に気が付きました。
その年の四月頃、私は、スタンフォードでふと、左頸部、顎の下にあたるところに、異様なカタマリがあるのに気付いた。グリグリが大きくなったような、鶏卵大のシコったものであった。指で押してみても、痛くもなんともない。
痛くなくても、いきなり鶏卵大のコブのようなものが首に生ずれば驚きます。かかりつけの医師の診察を受け、「マイシン剤」(抗生物質の一種)を数か月服用したものの消失しないので、念のため摘出の手術を受け、「軽い気持ちで三日程入院」、切開手術を受けました。その結果、摘出したものの中に、がん細胞が見つかりました。
癌は、原則として、淋巴腺からは、原発的には発生しないものだそうである。何処か、ほかの場所に原発した癌の細胞を、淋巴腺が捕捉すると、その淋巴腺自体が、かたくふくれて来る。私の左頸部の淋巴腺が、すでに半年近くも腫れていたとすると、身体のどこかに、相当進行した原発の癌があるものと推察しなければならない。
診断は専門の外科医が行い、著者はその医師に面談しました。詳しい問診を受けます。体調は特に問題はないと応じたところ、医師はその「グリグリ」が単純な膨張ではなく、増殖性のものだと言いました。
もしやガンではと問い返したところ、その疑いが十分あるとのお返事。さらに「最悪の場合には、私の生命を保証できるのは、あと半ヵ年ぐらいだけれども、原発の場所や癌の性質によっては、もっと好転し得るのぞみもあるとのことだった」。
その日の心境については、重大なことが起きたようだという戸惑い、続いて終日続いた重い緊張、そして帰宅後の疲れ。最初の試練は、今晩眠れるかどうかだったといいます。幸いベッドに横になって気づいたら外は明るく、「心の中で、しめたと思った」。さしあたりの精神的な戦いは大丈夫だと確信します。しかし、肝心な原発がどこにあるのか探さなければなりません。
(つづく)

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