おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2016-01-01から1年間の記事一覧

女と男のいる舗道  (第985回)

1997年は遠藤家の人々にとって、災厄の年であった。惣領息子のケンヂは、大学教授がビールの飲み逃げ、旧友が急死、万引き被害、それらすべてに付いて回る秘密基地のマーク復活の謎。しかし、当人は知らず、その試練はまだ始まったばかり。姉のキリコは夫の…

一休み  (第984回)

長い文章が続いたので今回は軽く流します。先日、九段を歩いていた時に気づいたのだが、作者ご生誕の地である府中と、コミックス発行元の小学館は、ほとんど一本の線路でつながっていると言ってよい。 小学館から歩いてすぐの距離に神保町の交差点がある。巨…

モロボシダンの名を借りて  (第983回)

最初に一言、また文句。一般相対性理論は、よげんの書か? 新聞もテレビも重力波をアインシュタインの予言と呼んでいるが、自然科学の世界なのだから仮説だろう。このたび実験で検証されたらしいということだ。 また、ノーベル賞間違いなしと報じているけれ…

九段  (第982回)

間もなく東日本大震災の発生から5年を迎える。今日は漫画と関係がない。毎年一回、被災地を歩くと決めているのだが、今回(去年の3月11日から一年間)は諸事情が重なり、金も体力も時間も不足したまま時が経ってしまった。 過去4回は東北3県と北関東に参った…

神様の万引き  (第981回)

前回は書きたい放題で書きつくしたので、娯楽に戻る。政府刊行物の中に、法務省が取りまとめている「犯罪白書」という物騒な名前の資料がございます。最新の統計結果によれば、まず法律別でみると親玉の刑法が、二位以下(道交法など)の全部をひっくるめた…

清原  (第980回)

今日は感想文とは関係が無い。取りとめの無い文章になるがご勘弁を。1982年の夏、私は一人で四国へ旅行に出かけた。鉄道の一人旅。もう大学の最終学年なのに、まだ内々定も得ていない8月だった。だが、この夏休みに四国・九州を旅するため、何か月もバイトし…

Oh! Darling  (第979回)

満を持してのユキジ初登場場面のセリフであったが、やはり原作の壁は高く、監督は更に厳しかったようでトキワのユキジも、「いきなり、あたしの股間に首、突っ込んで舐めんのよ」と吠えている。 しかも、漫画では賑やかそうな焼き鳥屋で酒が入っているから情…

映画「地球防衛軍」  (第978回)

少年ケンヂがちょろまかしたバッヂは、漫画では宇宙特捜隊のものだが、映画によると地球防衛軍の「バッチ」になっている(当時の語尾の発音は濁音でなく、映画も忠実に再現している)。この「地球防衛軍」で検索すると山ほど用例が出てくる。そういう名前の…

海賊の歌  (第977回)

手前ども生国と発しますは、氷雪と白夜、間欠泉の噴き出づる大地にてござんす。レッド・ツェッペリンの軽快なロックンロール・ナンバー「移民の歌」は、大意、かくのごとく始まる。初めて聴いたのはレコードを貸し借りしていた中高生のころか、それとも下宿…

愛蘭土  (第976回)

いつごろからか多くの診療所では、患者さんの不安や苦痛を和らげようとしてのことなのか、待合室や診療室に音楽を流すようになった。たいていは私が聴くようなジャンルのものではないが、その目的で効果があるのならば文句はない。しかし先日はさすがに驚い…

New Kid in Heaven  (第975回)

映画にも20世紀的な商店街の喫茶店が何度か出てくる。現代の狭いチェーン店のコーヒー・ショップでは、ひそひそ話ができない。チョーさんがヤマさんに最期の引継ぎを終えた場面に続き、大阪の通天閣近くでの死亡事故報道があり、ケンヂはますます近辺で続出…

ロンドンのアップルとマック  (第974回)

私にとっての「マック」は、アップルのコンピュータが出るまで別の意味を有しておりました。最初に覚えた英語”mac”は、英英辞典にも正式に載っている「マッキントッシュ」の略語で、レインコートの別名である。ビートルズの「ペニーレイン」に、大雨の中でも…

さんふらんしすこ  (第973回)

歳もとったし健康も害することが多くなって、だんだん昔の話を書き留めることが多くなって参りました。記憶では、サンフランシスコには1989年から91年の約2年間、日本企業の駐在員として働いていた。それまでロスアンゼルスにいたのだが、異例の外国内での転…

地球に落ちて来た男  (第972回)

今のところ痛み止めのおかげで大人しくしている痛風について、先日ブログの記事を書いたときのこと。いつもの楽しみである何の歌詞を最後に引用しようかと考えていた際、風が吹いただけで痛い病気という箇所で、デヴィッド・ボウイの「風が吹くとき」を真っ…

北の鉄人  (第971回)

去年はラグビーを知らない私でも(知っているのはバックパスしか駄目というルールだけ)、ラグビーのことを書いたとて怒られそうもないことが起きた。競技の説明や試合の解説は書きたくても知識がないので、昔話から始めます。 モンちゃんが就職したのは酒造…

ハンド・イン・ハンド  (第970回)

今回このタイトルを付けるにあたり、念のためネットで検索してみたら、何とまあ沢山のハンド・イン・ハンドの団体その他があることよ。震災被害の支援基金だそうだが、ユニセフまで名が出てくる。今日はそのハンド・イン・ハンドについて、あまり好意的では…

痛風  (第969回)

今日は番外編。あまり楽しい読み物ではないことを、あらかじめお伝えしておきます。心身の変調で仕事に集中できないので、こうしてブログで気を紛らわすことになった。こんな書き込み癖にも、意外なご利益があったものである。新年早々、痛風の発作が出まし…