おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

オリンピック  (第1250回)

今回は読んだ人が不愉快になるおそれが大きいので、最初にお断りしておきます。その理由は二つあります。(1)昨年(2021年)に行われた「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」(以下、「オリパラ」と略す)の開催に私は反対しました。今もやるべきではなかったと思います。(2)元同級生を批判します。


目的は誹謗中傷などではなく、なぜ現政権の支持者が、これほどまでに固定的に多いのかということを、今回に限らずこれからも、考えたいからです。まずNHKの資料を使います。我が家も受信料を徴収されていますので、公開されている情報ぐらいは使わせてもらいましょう。

第1波~第6波 感染者数グラフ (全期間を1画面表示)

これはNHKのウェブサイトから拝借しています。
www3.nhk.or.jp



第1波と第2波は、このスケールにすると、ほとんど見えません。個々の波は収束していても、新型コロナウイルス感染症(COVIC-19)は、波単位で見ると日本は感染拡大中です。本ブログでは以下、この長い病名を「新型コロナ」と略称します。


もう一昨年のことになりますが、2020年の秋。グラフで見ると新型コロナの感染者数の第3波と第4波の狭間、別の言い方をすると、私の居住地である東京都では第2回目と第3回目の緊急事態宣言の合間です。安全衛生の仕事をしている私も、率直に言って開放感がありました。

このため、当初から現在まで、家族以外との外食は控えていますが、上記の秋に接待と同級会に一回ずつ、参加しました。接待は3名、同級会は5名(男3人、女2人)、二次会無し。いずれも長年の付き合いであり、「この顔ぶれなら感染が起きても仕方がない」という自己弁護が付いておりました。


本題は後者の同級会です。酒が入っていましたが、このご時世、泥酔して電車で帰る訳にもいかず控えめでした。その席上、一人が「来年のオリンピック、やると思う?」という話題を提供しました。既に2020年は延期され、大会名だけは昔の名前にしたまま、2021年に実施予定でした。

ここでお断りを入れますと、私はオリンピックやサッカー・ラグビーのワールドカップなどが大好きです。生まれて初めてTVで観たのが昭和の東京オリンピックですから、きっとその影響も大きい。ですが、今次のオリパラは感染の拡大防止と終息のため、ずっと反対意見でした。


ただでさえ、東京は密です。満員電車や主要駅の混み方。スポーツや文化の施設や飲み屋街も多い。そこに持ってきて、世界中・日本中から選手や競技関係者や観客が集まったらどうするか。まだ無観客でやるかどうかも決まっていない段階でしたから、当然、反対意見は変わっていませんでした。ワクチンも未だです。

そこで、反射的に「やらないよ」と言ったところ、他の男二人が、ものすごい形相で「集められるだけ集めてやる」と反論というより罵倒してきたのには驚いた。今まで、声を荒げたこともない会でしたし。面倒なので返事はしませんでした。どちらも譲る訳がない。


この二人の男は、私と異なり大学卒業後、40年近く誰もが知るような大企業に勤めています。うち一人は、オリパラのスポンサー企業に勤めている。

www.tokyo2020.jp


これらの社名は、競技が終わり、息も絶え絶えの選手をTVの記者会見に引きずり出す際、後ろの壁など見やすい場所に貼ってあります。きっと支援した金額に応じて場所も決まるのでありましょう。別に民間企業が広告宣伝することに異議はありませんから、普段は何も言いません。

しかし今回は、腹いせに一人不買運動をしてやろうと思案しました。ところが、ここ東京のライフラインを握っている企業やIT関連などが多くあり、費用対効果が低すぎる(むしろ自分の被害のほうが効果よりも、かなり大きい)ので断念。


怒鳴りつけてきた二人のうち一人は、このスポンサー一覧にある企業で働いています。ただし、彼は話題がオリパラから他に移った後は、通常の様子に戻りましたし、その後もたまには連絡が続いています。とはいえ、その彼にしても長年の勤め人生活で、すっかり利害に絡まっている。

問題はもう一人のほうで、この男の職場は上記のスポンサー企業に含まれていません。スポンサーの一覧を見ると、私が知っている会社ばかりです。これは、BtoC契約(不特定多数のエンド・ユーザーが買い手)となる会社ですからこそ、スポンサーになる甲斐があります。


他方で、例えばゼネコンとか商社のような、BtoB契約ベースの業態では、個人に広く名を知られるよりも、個別に接待すべき相手がいます。もう一人の元同級生は、オリパラ開催中に宣伝する必要もない方の社員で、つまり、もう開会式の前には、とっくに儲かっている。

この男はもう一人と異なり、話題が変わっても帰り道でも、私が話しかけても無礼千万な返事しかせず、目を合わせようともしませんでした。翌年、同じメンバーの会に誘われましたが、断りました。幹事を傷つけないよう嘘の理由を伝えますが、誘われなくなるまで断り続けます。


こうしたこともあって、2021年に開催されたオリパラは、TVも観ず新聞やネットのニュースも読まず、2022年の北京冬季も含めて、私は誰一人、優勝者や優勝国の名を知りません。これまでのオリパラでは考えられなかったことです。

こういう連中が、現政権、現与党の支持者であることは、ほぼ間違いない。これらの会社に所属する全員がそうだとは申しませんが、ほとんどは連立与党や、にせもの野党の支持者と考えて間違いないと思います。では中小企業はどうなのかということも、次回、考えます。



(おわり)





上野不忍池河津桜  (2022年3月11日撮影)











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