おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

こころの旅の質を変えるもの  (第1325回)

前回の続きで神谷美恵子「こころの旅」の第九章「病について」です。年をよると「病」と「老」は不可分のものとなりますが、それでも違いを挙げると、加齢による自然現象は個人差があるとはいえ共通点があります。老化の速度や程度は人それぞれですが、衰え…

病について  (第1324回)

神谷美恵子「こころの旅」の第九章「病について」に進みます。先述のように、本書は雑誌に連載された記事を単行本にまとめたものですが、出版にあたり、ページ数・字数が不足していたそうで、この第九章を加筆、挿入したと著者が「あとがき」で述べています…

過去をつき放して見る  (第1323回)

前回の続き。神谷美恵子「こころの旅」の読書中。第八章「人生の秋」(向老期)より、もう一つ、話題にしたい事柄があります。著者は本書においてそれを「エポケー(判断停止)」と呼んでいます。ギリシャ哲学の概念で、一旦停止、区切りのような意味らしい…

定年  (第1322回)

引き続き神谷美恵子「こころの旅」の第八章「人生の秋」すなわち向老期についての読書です。この章は著者も読者の私も、年齢的に該当する時期ですから、本文も長いし感想文も長くなっています。前回、著者は女性の閉経について触れていました。その続きに、…

別の者となってしまったのか  (第1321回)

神谷美恵子「こころの旅」の第八章「人生の秋」には、「抵抗」という言葉が何度も出てきます。前回の「向老期」は、自らの老いに対し抵抗する時期との位置づけのようです。同感です。この作品を連載していた当時の著者は、六十手前でしたので、ちょうどその…

向老期  (第1320回)

今回から神谷美恵子「こころの旅」の後半(第八章以降)を読みます。第八章「人生の秋」は、第七章「はたらきざかり」の次の段階、人生の次の季節です。「はたらきざかり」は、文中で「壮年期」とも言い換えられています。年齢層は「いちおう二十五歳から五…

こころと体  (第1319回)

最初に神谷美恵子「こころの旅」を読んだとき、これは良い本に巡り合ったなと冒頭部分で思いました。印象に残った分を飛び飛びに転記します。この「こころの旅」が、「からだの健康」という雑誌の連載だったことも関連しています。・ 人の生にこんなにも重み…