おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

エスパー (20世紀少年 第845回)

エスパーや超能力者という言葉も今はもう殆ど聞かない。昔話が花盛りの小欄は自称「死語ブログ」でもある。「日本人と『日本人病』について」という岸田秀さんとの対談集の中で、さすがは碩学、今は亡き山本七平さんが「言語の意味が本当に固定するのは死語…

悪い奴 (20世紀少年 第844回)

嬉しいことに下巻も巻頭カラーだ。第1話は「ゲームのルール」。始まりの5ページ目上段に私の好きな青い空と白い雲。そのうち何とかなるだろうの歌詞にも出てくる。最初の吹き出しに「万引き?」とあるのは、多分オッチョ少年の声。おお、びっくりしたよと自…

表紙絵 (20世紀少年 第843回)

ここしばらく体調不良が続いたせいか文章が乱雑というか攻撃的になっている。今日も腹の立つニュースを読んだのですが、事実関係だけ触れるにとどめよう。1998年だったと思う。ちょうどケンヂやカンナが地下での生活を強いられていたころだ。 長い休みをもら…

スポーツ論 (脱線)

スポーツを観ての感動は、勝者が得たものの大きさではなく、敗者が失ったものの大きさに左右される。というような意味のことを、何年か前に名前を失念したが誰かが新聞か雑誌の記事に書いてみえた。まことにその通りであると思う。その筆者が例として挙げて…

この道はいつか来た道 (20世紀少年 第842回)

敵兵に勇ましいセリフを吐いて一人ICUに入ったカンナだが顔つきは冴えない。上巻の191ページ目、サダキヨは口に人工呼吸器を入れられている。機械なしでは生きていけない重篤な状態である。人工呼吸器の管が途中から二又に分かれているのは、呼気と吸気を別…

自由に空も飛べるはず (20世紀少年 第841回)

ペルシャ戦役の際、アケメネス朝ペルシャの陸軍を迎え撃つべく、テルモピュライに布陣したスパルタ王レオニダスに伝令が凶報をもたらした。「ペルシャ王クセルクセスの大軍が放つ矢は、天を覆い陽も翳るほどでございます」。レオニダスは命が危なかったら一…

本当の娘じゃないし (20世紀少年 第840回)

ソチでは若い選手が頑張っていますね。実は正直言って今ひとつ冬季オリンピックが苦手なのだが、その理由はフィギュアスケートなどわずかの例外を除き、寒いから仕方がないけれど選手がみんな南極越冬隊のような格好をしているため、お顔が見えなくて区別が…

肩 (20世紀少年 第839回)

二回続けて緊迫した場面を取り扱ったので、今日は肩の力を抜いて雑文風に書きます。というより駄文そのもの。風邪で不調なのです。大学時代は京の都で過ごしたのだが、私の学生時代は蔦の絡まるチャペルで祈りを捧げることもなく、京都にいるときゃバイクで…

路上  (20世紀少年 第838回)

上巻の177ページ。それまで少年の背後にいたババは正面に回り込んで、彼の胸倉をひっつかみ「じゃあ、これは何だね」と本人に盗品がバッヂであったことを示し、次の瞬間にはご老人とは思えぬ素早い身のこなしでバッヂを胸のポケットから取り上げている。 少…

飛んで火に入る夏の少年  (20世紀少年 第837回)

余談から。1980年代の終わりごろといえばバブル景気のど真ん中。私自身はロサンゼルスに住みロックを聴きながら仕事もしていたころのことである。 西ドイツ出身のグループ「Milli Vanilli」のシングル「Girl I'm Gonna Miss You」が全米ヒット・チャートのト…

A Long Vacation  (20世紀少年 第836回)

雑談。何年か前、昨年末に亡くなった大瀧詠一が「細野さんは裏切ったんだよ」と雑誌のインタビューに答えているのを読んだ記憶がある。大瀧さんの訃報を伝える新聞やテレビは、盛んに「はっぴーえんど」を話題にしていたが、記事を書いている世代でこのバン…