おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

6月17日 国会の閉会  (第1274回)

2020年は通常国会(常会)が、6月17日に閉会した。通常国会憲法の定めにより、年一回は開催されなければならず、国会法第十条の規定により150日という会期が定められている。おおむね予算審議の時期である1月に始まって、夏休み前の6月中に終わる。

一方、本年度は与野党の間で、延長の是非が問題になりました。国会法では第12条第1項に、「国会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる」とあります。自分たちで決めます。結局、延長はせず閉会したが(NHKの記事ご参照)、閉会中も関連する委員会は開催するという妥協案が成立しました。


野党の提議は、もっともなものだと思います。まずNHKの記事文中にもあるように、新型コロナウイルス対策の議論が必要である。確かに、この6月末の時点では、政府の緊急事態宣言も、都の東京アラートも解除されており、PCR検査の陽性者数の報告も、小康状態を得ていました。棒グラフは、7月上旬時点の厚生労働省のサイトからの引用です。

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さはさりながら、不安材料や検討課題は多かった。小康状態と私は呼びましたが、とにかく国全体でも、ここ東京でも、新規患者報告は絶えたことがない。依然として流行中であり、輪をかけて怖いのは、海外の大国、特にアメリカとブラジル、さらにロシアとインドで感染拡大中です。日本は鎖国中ですが、これが将来どうなるか、どうするか。

それから第二次補正予算で、前代未聞と人の言う10兆円の予備費が計上された。この件については、野党は頑張ったかもしれないが、半分の5兆円に色付けして終わりですから、強行採決は許さなかったものの合格点ではないと考えます。


使途の目安を付けた5兆円の支出報告と内容の検討が不可欠です。さらに、残り半分の5兆円は、まるで特別会計のごときブラック・ボックス。このブログで何かと批判している東京都政でさえ、こまめに何度も補正予算案を提出しているのです。

それから、オリンピック・パラリンピックをどうするのかも実質上、棚上げになったままだ。予備費のかなりの部分は、この東京大会の延長維持費に消えつつあるものと推測します。しかも、いまだにフルサイズの開催にするのか、簡素化するのかという議論を行っています。


さらに、COVID-19とは直接の関係はないと思いますが、イージス・アショアの配備で、政府はしくじりました。どれだけの金と時間を無駄にしたか見当もつきませんが、秋田と山口で準備中だった計画が白紙同然に戻りました。これからどうするのでしょう。

これについては、防衛大臣河野太郎君が、撃たれる前に撃つのは合憲(私の理解ですが、いかが)という国防戦略の転換を主張し始めた。最初の攻撃で相手と同盟国を無力にしなければ、お返しが来るのが人類の戦争史です。イージス機能の強化断念の直後に言い出すとは、まるで初めから、そうしたかったかようなタイミング。


ほかにも、賭博検事長の件もまだこのときは起訴不起訴が未決でした。最近の不起訴決定により、これからは賭け麻雀やりたい放題と検察が認めました。たとえ裁判所や警察に異論があろうと、起訴の段階で無罪放免です。

そして、ほかにも切りがないが、おなじ法務分野で、元法務大臣の夫と、同じく国会議員の妻が、選挙で金をばらまいたという古典的な花咲かじいさん風の、政治資金規正法違反の疑惑が起きました。こちらは逮捕されましたが、同じく先が思いやられます。


通常国会閉幕の翌18日、私にとっては常会の閉会より、もっと腹立たしい報道がありました。以下は私の妄想かもしれないと思っていましたが、すでに似たようなことをネットに書き込んでいる人が複数いたので、こういう説もあるというところで書き記します。

何があったかというと、6月18日、これもNHKの報道を例に挙げますが、内閣総理大臣安倍晋三君が、「19日から、都道府県をまたぐ移動の自粛を全国で緩和するなどの方針」を明らかにしました。一応、「小康状態」という認識という点では、同様の流れで緩和の方向です。


しかし、意地の悪い私は即刻、「これは国会議員が地元に帰るためだ」と思いました。もちろん彼らもいつになく大変な常会で疲れておりますし、帰省したくもなりましょう。時期的に下手なバラマキはできませんが、選挙運動もしたいでしょう。解散風が吹いているそうですから。

でも上記の閉会中の委員会の運用を含めたCOVID-19対策は放り出して、東京を出るのか。ご記憶の方も多いと思いますが、実際この直後から総理はどこかに消えました。7月5日には、東京都知事選も控えています。香港問題と中国共産党トップの来日問題も解決していない。そして、予測がつかなかったこととは言え、梅雨時の長期的豪雨が各地で起きています。臨時国会、開いてください。


そして以下の件は、いずれまた別途、話題にしますが、まだギクシャクしている。すなわち、7月に入り東京都の新規感染報告が急増し、われわれ都民は埼玉や兵庫の県知事を始め、一部の心無い同朋から病原菌扱いされているうえ、東京都知事小池百合子君から、他県への移動はお控えあそばせと圧力をかけられています。今年に入って一歩も東京を出ていません。家族以外との外食や、飲み会もゼロ。今までしたことのなかったマスクを、毎日つけている。

他方で、COVID-19対策のとりまとめ閣僚である経済再生担当相大臣西村康稔君からは、ご自由にどうぞと言われている。これは、その時点から現在に至るまで、COVID-19の流行状況が行動の自由を束縛する、公共の福祉に反したものなのかという憲法論でありましょう。お二人は会って調整したと言っているが、そのまま変化なし。自分の行動は、自分で決めようと思う。



(おわり)



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かつて白百合は麗人の象徴であったという  (2020年6月16日撮影)




























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