おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2013年 この大みそか (20世紀少年 第822回)

 あと一日足らずで本年も終わりです。本来の予定によれば、今年中に下巻の最後まで感想文を書き終えているはずだったのに。それが仕事やら体調やらでペース・ダウンしたため、とうとう間に合わなかった。

 別に間に合わなくても誰も困らないし、私も困らない。だが、2014年になったら物語の中での未来に、現実の時間が追い付いてしまうので、何となくSFファンとしては寂しい。1984年になったときも2001年になったときも、過去に描かれた未来はその通りにならなかったことを示してしまった。


 早くしないと西暦が終わってしまう。来年中にはページ順の感想は書き終えて、あとは書き残したこととか映画の感想とか気まぐれに書きながら余生を過ごすのだ。それはそうと、50歳を過ぎてから人生の余興が増えた。

 なぜならば世の中の物好き連中や商魂逞しい人々が、次から次へと何かの50周年記念をやらかしてくれるからだ。2012年はローリング・ストーンズの結成50周年であった。さすがに結成当時のことは覚えていない。今年はケネディ大統領の五十周忌。これもリアルタイムの記憶はない。


 でも2014年になれば東京オリンピックの50年記念だ。ここからは物心ついている。過去の映像や記事を楽しめそうだぞ。2016年はビートルズの来日と私の小学校入学、2018年には三億円事件、2019年にはウッドストック、2020年に大阪万博、2022年に札幌オリンピックの半世紀アニバーサリーが来る。いやいや長生きしてみるもんだ。100周年は難しそうだけれど。
 
 もう紅白歌合戦を観なくなって久しいが、今年は泉谷しげるが出るそうではないか。何を歌うんだろう。春夏秋冬かゲゲゲの鬼太郎か、黒い鞄か眠れない夜か。来年の紅白はいよいよハロハロ音頭の出番だ。仕事も納めてヒマなんでNHKのサイトで過去の紅白の記録を見てみた。このブログに名前を出した人がたくさん出てくる。


 ケンヂが生まれた1959年の紅白は第10回、朝丘雪路が「シング・シング・シング」を歌っている。ユキジ、スウィングだ。洒落てるねえ。浦沢さんと私が生まれた1960年、紅組のトリは今年亡くなった島倉千代子であった。翌61年、坂本九上を向いて歩こう」を歌う。62年は植木等が「ハイ・それまでヨ」で初出場。どこかで聞いたセリフであります。

 63年はボニー・ジャックスが「一週間」で出演。「ともだちよ、これが私の...」。日本の戦後史に輝く1964年、紅組の最後を飾ったのは美空ひばりの「柔」。勝つと思うなと言われても。65年、永六輔作詞の「ともだち」を九ちゃんが歌い、やなせたかし作詞の「手のひらを太陽に」をボニー・ジャックスが歌っている。カエルだってともだちなんだ。

 
 66年、この頃になると、あちこちにかすかな記憶が残っている。加山雄三が初出演で「君といつまでも」をご披露。君の瞳は星と輝く少女漫画。67年は山本リンダの「こまっちゃうナ」に尽きる。笑っているだけとは無責任な両親であった。GS代表でジャッキー吉川ブルーコメッツが「ブルーシャトー」を演っている。

 1968年、黛ジュンが「天使の誘惑」を歌う。ピンキーとキラーズ恋の季節」は、ヤン坊マー坊の愛唱歌となった。「世界の国からこんにちは」を三波春夫ではなくて坂本九が歌っている。春夫さんは「世界平和音頭」というのを歌ったそうだが覚えがない。

 1969年は森進一がトリで「港町ブルース」を歌って白組優勝。いしだあゆみが「ブルー・ライト・ヨコハマ」で初出場。当時どうしてどのチャンネル回しても、この歌ばかり流しているのかと小学生の私は真剣に怒り、家族を手こずらせたらしい。


 きりがないので70年代は気が向いたら来年の大みそかに続きをやります。こうして並んでいる歌の数々を見ていると、私に限らずだと思うが当時の子供らは、歌謡曲や演歌の歌詞から男と女のことに興味を持ち始めたように思う。今の子はネットやアニメからか? 情報量は多そうだが、情緒はあるのだろうかな。

 今年もお世話になりました。コメントくださったみなさま、ありがとうございます。来年が20世紀生まれにも21世紀生まれにも良い年でありますように。最後は気まぐれに、今年わが家のカレンダーを飾った私の好きな北斎の絵を。冨嶽三十六景「甲州石班坂」「礫川雪之旦」。




(この稿おわり)















 
 流す涙で割る酒は 
 だました男の味がする
 貴方の影を引きずりながら
 港 宮古 釜石 気仙沼

       「港町ブルース」 森進一
 




追悼


 伝えておくれ、12月の旅人よ  

      「さらばシベリア鉄道」    大滝詠一













































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