おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

7月27日 マスクふたたび  (第1279回)

去年までマスクをしたことはありませんでした。唯一の例外は、仕事でお客さんの食品工場などに出入りすることがあり、そういうときは職場のルールに従います。当然です。でもそれ以外でマスクはしたことがなかった。

そもそも、インフルエンザに罹ったことがありません。正確を期せば、インフルエンザと診断されたことがなく、子供のころ当時の用語で流行性感冒という、流行りやすい風邪という扱いされていたころに経験したかもしれませんが、記憶はない。


風邪は年にニ三回ひきますが、子供のときに副鼻腔炎をやったせいか鼻が弱く、必ずハナ風邪です。鼻水に始まり、鼻づまりで終わる。セキや高熱は出ない。そして、花粉症もありません。だから、マスクは要らなかった。

COVIC-19 が感染拡大し始めたころも、習慣が無いこともあって、当初はマスクをしておりませんでした。それで平気だった理由の一つは、私がフリーランスで、人と会う仕事がすべてキャンセルになったからでもあります。言われなくても在宅勤務の書類仕事だけになった。


やむなくマスクをし始めたのは、確か4月に入って第一波の報告数が激増したころで、仕事ではなくても、買い物や持病の通院や床屋さんには行きますから、やむなくマスク入門。家族が花粉症で、幸い在庫のマスクがたくさんありました。

時期的には、後にアベノマスクという通称が定着することになる布マスクを、政府が全世帯に配布すると発表したころです。その後の騒ぎは改めて書く必要もありますまい。

うちにも、大型連休のころに届きましたが未開封です。税金が原資のマスクだから、おろそかにもできず、ケガしたときの止血用ガーゼに使おうと思い保管中です。


これをまた作って配るというニュースが届いたのは、つい先日のことです。毎朝、ヤフーとグーグルのニュースをPCで読むのですが、珍しく女性自身の記事を読むに至った。珍しく皇室ネタではなかった。

加えて引用の体裁をとってはいるものの、「もはや狂気の沙汰」と激しい。同誌の過去の記事を見ると、なかなか元気に体制批判をしている。もちろん、ネット右翼の好餌となり、女性自身廃刊などというハッシュタグが立ったようですが、急に応援したくなった。


昔から週刊誌やタブロイド紙は、いい加減なことを面白おかしく書くということが許されている媒体で、他の国にもあるし、生活必需品の一つです。週刊誌の予言通りに物事が動くなら、東京証券取引所は何百回も大暴落しているはずです。

去年だったか、やはりウヨウヨに嫌われている日刊ゲンダイの記者が、別の社の記事の中で、ちかごろウチの報道のほうが全国紙よりも「まとも」になってしまい、これではタブロイドが売れなくなってしまうと危機感を表明しておられました。


さて、女性自身の7月28日の上掲ネット記事の文中にあるように、先行して報道したのは7月27日付の朝日新聞デジタルです。タイトルにあるように「発注済」でありました。手遅れです。歳をとってきて滅多なことでは驚かなくなった私も、これには驚いた。

多くの大国の政権も地方自治体も、試行錯誤をしています。こんな病気は初めてなのですから、完璧に対処せよというのは無理な相談です。そして、多くの国では失敗があったら、批判を受け止め、方針転換をし、最善を尽くしているように感じます。日米の首脳以外は。


再マスクのタイミングも絶妙で、「go to キャンペーン」に対し非難や不安の声が無数に上がっている最中のことです。おまけに、東京を始め大都市を擁する都道府県の多くで、「新規の感染者報告数」が次々と最多記録を更新中。

検査を増やしたから、陽性反応も増えるのは当たり前だとか、当初は重症者だけで今は軽症者も洗い出しているから、データの性質が違うとかいう主張もよく聞きます。

それはそれで、その指摘の範囲内で正しく、冬が来ればインフルエンザが増えて当たり前だと叫ぶのと同じで、肝心の予防や治療に対し、私にとっては無意味な雑音です。今なお用心すべき病気であることに変わりはない。法定の感染症であり、入院ほか隔離や職場などの消毒の対象です。


追加のアベノマスクは、早速ネットで「第二波」という鮮やかな呼び名も付いてしまい、せめてあれを本当に必要とする人に必要数が届くことを祈るばかりです。拙宅には不要です。それより「一律十万円」の第二波以降を期待します。観光業も直接支援してください。

こちら東京は、キャンペーンにおいて江戸時代宜しく「入り鉄砲出女」の人民裁判行政処分を喰らっておる情勢ですから、いまだに慣れないマスクも、熱中症に注意を払いつつ、今後も使い続ける所存でございます。


そういう覚悟をするにも、専門家の意見があれば助かります。あくまで、この私にとってはですが、専門家は専門的なことを素人にも分かりやすく誤解を生じないように伝える能力が不可欠です。それができないなら、黙って論文を書き若手を育てて専門分野に貢献してください。

感染症専門医の忽那賢志氏も私にとって欠かせない専門家の一人で、先生は現場の医師ではなく研究者であるとの理解ですが(ご本人が現場は大変だと思うと書いている)、今の私のように症状がない人もマスクを使うべき理由を書いて見えます。これもヤフーのサイトより。ハチ公も苦労が多いな。



(おわり)




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青空ひとりきり  (2020年7月26日撮影)






















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