おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

8月17日 GDP速報 (第1282回)

8月17日には、二つの大きなニュースが伝わってきました。一つは安倍総理が慶大病院で受診したらしいというもので、これはまだ何が起きているのか、当方にはよくわからないため、本日の話題からは外します。お大事に。どうなろうと、与党には責任を果たしてもらいます。

もう一つのニュースは、四半期ごとのGDP速報値の急降下です。本日はこれが気になる。まずは朝日新聞DIGITALで読みましたので、その記事を貼付します。見出しは、「4~6月期実質GDP年27.8%減 戦後最大の減少率」。


戦後最大となると、私の世代が経験してきた石油ショック、バブル景気の崩壊、リーマンショックでもなかった記録ということになります。留意点は本文中にあるように、まだ内閣府が発表した「1次速報」なので確定値ではありません。かといって看過できないです。

もう一つ、こちらの注意点のほうが重要と考えますが、同記事から拝借して下に掲げる折れ線グラフが示すように、この「4-6月四半期」から急に減り始めたのではなく、まず徐々に落ちてきて、ここにきて急落しました。


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内閣府はすでに7月30日の「第19回景気動向指数研究会」において、「2012年12月から始まった景気回復局面が18年10月で途切れ、景気後退に入ったと認定した。拡大期間は71カ月にとどまり、08年2月まで73カ月間続いた『いざなみ景気』の戦後最長記録を更新できなかった」(日経新聞)と発表していました。

アベノミクスは、ひそかに一昨年、少なくとも短期的には、自慢できない状況に陥っていたことになります。この低落傾向は、私の仕事の領域である雇用関係の指数にも表れており、景気の昇り降りは常にあることとはいえ、話が違うと思いました。


上掲の青い折れ線グラフも、2019年には前期比を割り始めており、それが今回、けた違いに落ちました。「前期比」です。もし「前年同期比」を示すグラフでしたら、もっと落ちただろうと思います。

これは、もちろん言うまでもなく、COVID-19の影響です。そして、これは日本国内だけの問題ではなく、最大の貿易相手である米中においても、アメリカは依然として世界最悪レベルの感染者数・死亡者数であり、中国もマイナス成長です。そして、次の四半期はどうなる。


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上の四つの棒グラフは、厚生労働省のウェブサイトにある「新型コロナウイルス感染症について」というページに並んでいるものです。8月16日時点のデータを、私が8月17日午後にプリント・スクリーンで写したものです。

改めて何度でも繰り返しますが、私は医療職ではありません。でも医者によって言うことが違う本件において(立場の違いもあるし、状況の変化が激しいですから、これは責めているのではありません)、素人だろうと健康と仕事を守らないといけないのですから、自分の考えは常に持たないといけない。


左上のグラフ「陽性者数」は、気が重くなる形状です。一因として、右上のグラフ「PCR検査実施人数」の増加と呼応している部分はあるはずです。それだけだ(つまり検査を止めろ)という意味のことを主張している人たちもいますが、私には安心材料になりません。自覚のない人に検査を強制することはできませんが、検査を受けた結果、日常の行動を変えることはあり得ます。

左下のグラフ「入院治療等を要する者の数」は、どう見たらよいでしょう。「等」というのは、軽症者でホテル住まいや自宅待機をしている人たちということで間違いないと思います。


これは6月半ばから、「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」となっている国の「退院基準」において、まだその基準を満たしていない患者と、そもそも陽性なのに発症しておらず自宅にいる人たちの両方を含んだものだと考えます。

ここでは仮に、ゴールデン・ウィークでピークの数値の迎えた時期を「第一波」とし、現在進行中の大波を「第二波」と呼びます。陽性者数は、一目瞭然で第二波のほうが、第一波よりも多い。気になるのは日々の人数だけではなくて、高止まりのまま(累積が増える一方)だということです。

右下のグラフをみると、「退院はまた療養解除となった者」の累計は、徐々にしか増えていません。入場者のほうが、退場者よりすっと多いはずです(「はず」というのは死亡者数を加味していないからです)。


そして、ここからはかなり推測が混じりますが、もし左上の陽性者数と、左下の入院治療等を要する者の数に、ある程度の相関関係があるのなら(私は当然あると思います)、左下の第二波は現時点で、左上の第二波が第一波の高さに届いたころに対応しているはずで、つまり、これからも左下の人数は増えていくおそれが大きい。

さらに時期的には、「go to キャンペーン」、「海の日」の連休、そのあと本格的な夏休みになり、例年より少ないとはいえ海水浴、スポーツ、帰省などを行った人が、いま一番多い経路の一つ、家庭内感染の候補者です。つまり左上の陽性者の数は、まだまだ増えると考えた方が良い。


PCRを止めろという声が高くなっています。医療体制の維持確保は確かに大きな課題ですが、その当事者以外は、ほとんどが経済活動が心配なのでしょう。お気持ちはごもっともですが、検査をやっても止めても、感染者数自体は表面化するかしないかの違いが出るだけです。

それでも金儲けが優先という考え方に、今の段階で私は与みしません。ただし一方で、失業率と自殺者数の連動は無視できない。不況と経済犯罪も世界的に相関していると前の職場で教わりました。失業や閉業までいかなくても、収入が減った人は多く、これからも減り、消費の低迷は更にGDPを下げる。「買ってナンボ」のGDPです。

とりあえずの解決策は生活費や、零細事業費の補償しかないはずですが、現政権も官界も財界もそのような手配を拒みました。彼らの支持者や、運命共同体である特定の業界や企業の利益を優先しました。そのことを、ここで記録に残します。


(おわり)



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スズメは元気  (2020年7月30日撮影)
























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