おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

4月25日 高尾山  (第1258回)

いつもは過去を振り返りつつ記事を書いておりますが、今回は現在(5月下旬)の出来事にも触れます。掲題の4月25日前後というのは、大型連休の直前にあたります。25日は土曜日でしたから、職場によっては早くも長い連休に入るタイミングでした。もちろん緊急事態宣言が出ていました。

そして、これを書いている5月終盤は、25日夜に全国一斉の緊急事態宣言解除が発表されました。一晩でウイルスが激減するわけでもないのに、東京では人出が急増しています。渋谷の交差点は元に戻ったと渋谷で働いている方にお聞きしました。第二波は東京発の下り電車になりそうな予感がする。


かつて八王子市民だったことがあります。たぶん十数回は、高尾山に登りました。それも休日の朝、天気が好いと「登るか」と子供を連れて出かけるような気楽さでした。登り道が幾つかあるので、それぞれ楽しんだものです。

それなのに、ミシュランとかいう外国のタイヤ屋が星を付けたせいで、猫も杓子も高尾山に来るようになった。外国人さんも増えたし、ある秋の日、一人で朝から出かけて昼を頂上で食べて帰ろうとしたら、小学生から高校生ぐらいの複数の団体客が遠足で来ていて、スクランブル交差点のような騒ぎ。即座に下りて、それ以降、登っていません。


高尾山にはケーブルカーがあります。試しに一回乗っただけですが、子供には人気がある。上記4月25日(土)から、とうとう運休になった。東京都民を中心に大挙して観光に押し寄せる時期、極力、密集を避けようというのもやむを得ないのか。確かNHKの報道によれば「東京都の要請により」だったそうです。

行楽のシーズンにおける混雑の予兆は、今年といえども、もっと前からありました。「湘南地域や三浦半島の駐車場が東京都内などから乗り入れるマイカーで混雑している問題」が発生し、神奈川新聞によると4月15日、神奈川県は県営駐車場を閉鎖しました。東京中心主義のテレビでは、「県外ナンバー」と言いますが、やっぱり東京が主犯格だ。再び都を代表して、お詫びします。


しかし、これだけでは不足だったことが分かります。翌週の出来事は全国ネットで報じられていたように、この週末は私も覚えているのですが、東京では金・土と雨が降った。記憶に残っているのは、COVID-19 のため閉店になると聞いた鴎外荘に一泊だけ、徒歩でお邪魔したからです。このリンク先、残るかなあ。

そして19日(日)に晴れた。これで雨後の筍のごとく、人出が観光地に向かいました。ただし、東京湾の海は、悪臭でトライアスロンの選手さえ泳げないため、被害は神奈川の三浦半島から箱根までの広範な海岸線や温泉地に広がった。山が海に迫る狭い国道で渋滞が起きました。


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鴎外荘のタケノコ


これを受けて神奈川新聞の見出しによると、まず横須賀・三浦の両市を代表し、4月22日に横須賀市長が「三浦半島への来訪やめて」という趣旨のメッセージを出した。現時点で市役所のサイトにも載っています。苦心の文章です。観光地が観光に来ないでくれと言わなければならない。

さらに4月24日、今度は箱根町小田原市共同記者会見を開き、前日24日に『今、箱根への観光はお控えください』というメッセージを出したことを発表しました。これで一旦は収まったらしい。


それにしても、静岡で生まれ育ち、社会人になってからの大半を東京で過ごしている私としては、ここに上げた地名は馴染みのあるものばかりで、何度も出かけたところです。気の毒というほかない。そして、私が知らないだけで、全国で似たようなことが起きたと思います。

ちなみに、八王子には小田原に拠点を置いた戦国大名の北条氏の出城があり、豊臣秀吉の強圧を受けて北条が滅びた際、最後まで抵抗しました。周辺の川は、三日三晩、流水が血の色に染まったという凄い言い伝えがあります。



さて、一か月あまりが経過した5月24日、首都圏でも翌日には緊急事態宣言が全面解除されそうだという雰囲気になって参りました。すでに関西では解除宣言が出ていました。急激な人出を避けるためだったと思いますが、東京近辺の解除は週末明けの5月25日(月)の夜でした。

しかし、その前日の24日(日)には、読売新聞の記事を例に挙げますが、湘南海岸などに押し寄せました。たけし曰く「赤信号みんなで渡れば怖くない」。


近ごろ同調圧力などという奇怪な言葉が、不愉快な文脈で乱用されていますが、古い田舎者の私にいわせれば、昔からの田舎の暮らしにくさそのもの。お祭りのときなどに、その反動が一気に出るのも田舎。東京は、代々の江戸っ子と、田舎を嫌って出てきた田舎者が混在しております。

その東京都ですが、私が二日に一度ぐらい夜明けの散歩にでかけていた近くの上野公園は、宣言解除とともに、マスクもせんと全力で息も荒く、歩行者のすぐそばを高速で走る連中が急増しました。邪魔です。場所によっては寛永寺の参道になっているのに、お構いなし。

いま東京には来ないほうが良い。いっときと比べれば感染者数の報告は減りましたが、他県と異なり、一回も報告数が途絶えたことはありません。それにどこまで本当か知りたくもありませんが、PCR検査は意図的に件数を押さえられているという根強い説が流れている。東京において新型コロナウイルスは現役です。



(おわり)


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不忍池の鵜  (2020年4月25日撮影)

























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