おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

4月17日 記者会見  (第1256回)

ジャーナリズム論みたいのは苦手なのだが、このテーマにおいては避けて通れません。COVID-19 は、国際的な政治課題になっているのだから、私達はまず報道から(あるいは、報道から情報を得ているネットから)、何が起きているのかを確かめる。ちゃんと報道してもらわないと困る。

この下書きを書いている5月22日、黒川検事長が日ごろ賭け麻雀をお楽しみだったことがわかり、認めて辞めました。いろいろ驚くことが多いコロナウイルス騒動ですが、この改正検察庁法の議論の中心人物であった、現職の検察幹部が賭博行為でお役御免とは、これまた「ドラマの脚本にしたらボツ」でありましょう。


密室密談の席を囲んだのは産経と朝日の記者であることを、両社とも認めているらしい。これまた右大臣と左大臣のそろい踏みとは恐れ入り申す。国家権力は「敵」の動向や意見も知る必要があるだろうから、ネット右翼がどう騒ごうと、朝日は永久に不滅です。

子供のころから新聞やテレビにはずいぶんお世話になっておりますので、あまり報道機関の悪口を言いたくない一方、新聞には心底がっかりした記憶が鮮明に残っている。子供のころ新聞は、何でも知っていて次の朝には難しい文章を印刷して届けて来るのだと心より敬っておりました。


それなのに田中の金脈政治について、無能だったのか怠慢だったのか知らないが、報道しなかった。中学生のとき、親が買ってきた文藝春秋で、立花隆の記事を読みました。それ以降、新聞やテレビが「何を報じないのか、報じなかったのか」が大事だと思っている。今回、両新聞社は上の方まで知っていたのだろうか。

もう一つ不審極まる存在が、記者クラブという新聞屋カルテルの存在です。これが記者会見を取り仕切り、また、外国の報道機関や、フリーランスなどの参入を阻んでいるらしい。同じ口で報道や表現の自由を語るのか。COVID-19 は、日本の恥部を次々と暴き立てております。これを機に国を変えずして、いつまた変えん。


4月17日には、16日に決まった前回の「一律十万円」の給付実施がお披露目になりました。同日の朝日新聞の記事です。「首相が陳謝」なんて、産経の読者は怒るだろうが、朝日なら売れますね。役割分担も上々です。そして、この日には内閣で記者会見がありました。

首相官邸のウェブサイトに、議事録が残っています。ここにおいて、来る大型連休では、お行儀よくするようにとの訓示があり、また、一人十万円の給付決定の発表およびこれまでの混乱についてのお詫びがありました。


後半は記者との質疑応答です。内閣広報官なる人は、記者の顔を見ただけで名前が分かるらしい。知らない人には、所属と氏名を名乗らせています。これでも、知らない人を招き入れるようにだっただけ、ずいぶんと変わって来たらしい。

あらかじめ質問を知って準備している応答なんて、民間では考えられないかもしれません。でも私は事情があって、この種の回答案を書かされたことがあります。即座にお偉方たちから突っ返されました。理由は「字が小さい」。私も老眼になって窮状は理解しましたが、それにしてもねえ。


終りに近くなって、「後列一番奥の方」が指名され、フリーランスの畠山(はたけやま)さんと名乗って見えます。前半が、感染拡大で選挙の投票率が下がっていることを指摘のううえ、選挙・投票制度の改革を求めており、後半が記者クラブ制度への疑念です。

選挙について、首相から最近の例として挙げられているのが私の故郷、保守王国静岡の衆院補欠選挙です。立候補者に同姓同名がいて話題になり、投票率34.1%という不調で話題になり、この時期に与党候補が勝つのかと一部で話題になった。


選挙制度の議論については、「今後どうすべきかということについては、基本的には、基本中の基本であるこの選挙については、できる限り実施していくこととしたいと、こういうふうに考えています」。書記や手話のご担当者が気の毒だな、これでは。記者クラブの件も、誰が語ったのか一目瞭然の記録です。以下転載。

それと、記者クラブの在り方、この記者クラブの在り方というのは、これは正に私が申し上げることではないかもしれません。それはまた、正に時代の流れの中において、今までのメディアが全てカバーしているのかと言えば、そうではない時代になり始めましたよね。ですから、その中でどう考えるかということについては、正に皆様方に議論をしていただきたいなと思います。


この「はたけやまさん」とは畠山理仁氏のことで、以下、いつもながら勝手に引用してすみませんが、読みごたえがあったので「ハーバー・ビジネス・オンライン」の記事のご案内。書き手は浅野健一氏。既存のマスメディアは、自らの首を絞めているかのような印象を受けます。

それにしても、NHKはいつから国会中継をやらなくなったのだ。全国津々浦々で観ることが出来るのは、この公共放送を措いて他にない。東日本大震災地震があったとき、私は即座にテレビをつけました。国会中継をやっていて、議員各位が天井などを眺めていたのを覚えている。実況中継すると、正に何か不都合なことでもあるのですか。



(おわり)



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根津神社ツツジの名所  (2020年4月17日撮影)
























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