おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

5月15日 東京アラート  (第1269回)

5月15日にレナウン民事再生法の適用を申請した。再生の可能性はあるが、本件に限らず、通常は破産とひっくるめて「倒産」と報道される。テレビから離れて久しく、CMソングも最近のものは全く知らないが、ワンサカ娘ならよく覚えています。

倒産も離職も、これからまだまだ増えるだろう。商取引の決済も、家賃や給料の支払いも、総じて後払い。最後まで頑張るだろうから、破綻は遅行する。ついでに政府の「一律十万円」も支払いは遅く、当家は6月中旬も終わらんとしている今なお届いていない。


同じ5月15日、報道されたのが東京都の「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」および「東京アラート」のお披露目記者会見の概要だった。今更ながら苦労をしてでも読みたい方はこちらをどうぞ。

東京都知事小池百合子君は、九官鳥のごとき物まねの達人であり、しかも英語がお好きで「ロックダウン」やら「ロードマップ」やら、どこまで理解してのご利用かどうか知らないが、特にロックダウンはどうやら、使い方に難があったようです。


ロードマップも、私は気に入りません。第一、「ステップ0」とは何事か。自然数は一から数え始めるものです。

真似といえば、都民ファーストトランプ大統領の、「知事の部屋」は黒柳徹子の、東京アラートは「J-アラート」のマネッコであろう。仮に中身が伴っていれば、センスの悪さは二の次です。


東京アラートは、それが何を意味し、何の役に立つのか理解する前に終わってしまった。警報の手段は、都庁の新宿ビルと、レインボー・ブリッジを赤くライト・アップするという荒業でござった。労力と経費が余っているなら、使い途は他にいくらでもあります。

わが家はパンダが暮らしている上野動物園のそばにあるマンションの中層階で、バルコニーからはかつて東京タワーが見え(今ではアパホテルなどが建ってしまって見えない)、非常階段からは富士山が、玄関先からは筑波山が見えるが、赤面した橋と庁舎は見えなかった。実用的ではない。


そんなことより、頭の整理が今もつかないのは、ロードマップとの関連です。ロードマップの「ステップ1」が、「ステップ2」に緩和されたのは6月1日でした。翌日に感染報告数が急増し、さっそく「東京アラート」が発動されました。朝日新聞の記事です。「ステップ1」には戻らなかった。ステップが逆行しないように、別建てで東京アラートを併設したのではないかと思います。

でも何であれ「警報」なのです。空襲や地震並みの事態なのに、「ステップ2」はそのままでした。この時点で私は都政を追うのを止めた。このころ当方と同じ時代に演歌など聴いていたせいか、知事が「夜の街」という言葉を盛んに使い始めました。数値の悪化は一部の悪党のせいだということです。


しかしシンボリックに報道されている歌舞伎町は、新宿区役所があり、ハローワークのオフィスもあって、だから職安通りです。若いころ歌舞伎町の商店街では映画を観たり、その奥のバッティング・センターもお世話になった。そりゃあ他を放っといてPCR検査を集中すれば、見つかりますって。

この東京アラートを止めると決めたのが、6月11日ブルームバーグの記事)。常識的に考えれば、アラートが出たときの「ステップ2」のまま、しばらく様子を見たいと思いそうなものだが、現実は同時に「ステップ3」に緩和された。そろそろ都知事選が始まりますからね。


(おわり)




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不忍池タチアオイ  (2020年5月15日撮影)

















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