今年(2020年)は国民の休日「春分の日」が、3月20日(金)になった。このため、土日祝が休みの職場で働く人たちにとっては、行楽の季節に三連休という有難い暦になりました。もとより殆んどの学校は春休みの時期に入っていたはずで、多くの家族連れや若者同士が遠出や外出を計画していたものと思います。
私は十年以上、東京で仕事も暮らしも続けていますので、東京の話しかできませんが、今年は2月3月に暖かい日が多くて、梅も桜も早かった。このため、この三連休は花見の季節とも重なりました。
厚生労働省のサイトに、「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」というのがあります。本稿の下書きを書いている時点で、過去4回のメッセージがあります。最新版が一番上ですから、古い順で書くと本年の①2月20日、②2月26日、③3月10日、④3月20日です。
このうち①を除く、②③④には共通点があって、いずれも首相からのメッセージであること、もう一つは文中にありますが、専門家会議の翌日です。①も別のページでみると専門家会議の当日。
ご参考まで、二日前の2月18日に岩田教授がダイヤモンド・プリンセスに乗り、ゾーニングの件で問題提起をして、アメリカのCDCに船内は大丈夫かと心配をかけている。そして、2月20日当日、ダイヤモンド・プリンセスの乗客から初めて、COVID-19 で二人の方がなくなり、また、政府は東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンサミットの最終回の開催を断念した。
最初のほうに「例えば屋内などで、お互いの距離が十分にとれない状況で一定時間いること」が感染のリスクを高めるという見地から、イベント等の開催の必要性を再検討するよう、主催者に呼び掛けている。このころから、屋外のマラソンでさえ、中止または招待選手だけで一般参加は中止という措置が取られ始めています。
②2月26日は、前日に専門家会議の見解が出て、それを踏まえ政府の「基本方針」が定まりました。例の「この1~2週間」が出ているのは当然として、イベントの例として、スポーツと文化が挙げられました。英単語「event」は出来事という意味ですが、カタカナ英語では、なんだか賑やかで人が集まるというイメージがございます。
「瀬戸際」の約二週間後、③3月10日は「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているものの、同時に依然として警戒を緩めることはできない」という専門家会議の見解が出て(誰が何を持ちこたえているのか不明)、あと10日、我慢してほしいと延長されています。
最後の④3月20日は春分の日。さらに厳しいトーンになっており、後に一斉閉校要請につながる学校現場での対応や、時差出勤等のイベント開催以外の行動にまで、注意報が出た。ただし、これは3月20日夕、首相官邸で開いた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で議題になったもので(朝日新聞の報道による)、もう三連休は始まっている。
そのくせマスメディアは後に「三連休では気が緩んだ」と書いているのだが、このころの新聞記事を見ると、もうどこもかしこも自粛の嵐で、私の記憶でも「そこまでやるかな」というほど、イベントの中止、延期、縮小が相次いだ。特にやり玉に挙がったのが、3月22日(日)の埼玉での格闘技イベントです。連休後に感染者の確認数が増えたので、「ひとのせい」になった。
3月20日の時点では、2月末に出た全国一斉休校の要請の延長は決まっていない。オリンピック・パラリンピックも、この連休中にテレビでは盛んに特集を組んでいただろう(手元に記録がないので、説得力に欠けますが)。
想像にすぎませんが、みんなスポーツや旅行や音楽会から締め出されて、近場に出歩くくらいしか休みの過ごしようがなく、スマホの位置確認情報を集めただけの統計資料で、たるんでいると言われてはいないか。むしろ神経質すぎやしないか。このあと間もなく、トイレットペーパー騒ぎが起きる。マスクはとうに品薄でした。
私は残念ながらこの連休明けに資料作成業務の締め切りが設定されて、早朝や夕方の散歩以外は出かけられずに悔しい思いをしていました。そういえば、3月18日(木)には週刊文春に、森友のスクープが出た。仕事や家庭、この国の行く末を考えるにあたり、ウイルスの心配ばかりしている場合ではない。
(おわり)
私の散歩道は墓場周辺です。谷中霊園にて。 (2020年3月20日撮影)
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