おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

五重塔  (第1346回)

臨時国会が始まった。与党は最新の改正草案を撤回するつもりはないと、幹事長が仰っている。まだ読んでいる途中の私としては、今ここで「やっぱし、やめた」と言われるのも困るが、このままの案で自信があると言われても困る。困った国、日本。 ところで憲法…

政教分離のこと  (第1345回)

政教分離は、難しい。三権分立や平和主義や基本的人権といった日本国憲法の主たる理想・概念は、その憲法の下で生まれ育った者にとって、長年のお付き合いからくる実感として「無いよりも、有った方が、ずっと良い」ものだし、多くの国家において、共有され…

苦手な宗教のはなし  (第1344回)

次なる第20条は、政教分離の定めとして知られているが、私には第9条に負けず劣らず扱いにくい条項だ。戦争の経験もないが、特定の宗教の信者になったこともないので、そもそも宗教というものの大切さ有難さというのが実感できない。 憲法に信教(この意味す…

個人情報アレルギー  (第1343回)

今の日本人は、自らの個人情報やプライバシーの伝達・開示に過敏であると思う。確かにニュースをみていると、一向に衰える気配のない振り込め詐欺被害の報道や、大量の顧客情報が流出したとか、DV夫に間違って妻の住所が伝わってしまったとか、ストーカーな…

霧雨の千鳥ヶ淵  (第1342回)

今回は、いつもの逐条の進め方から外れて、少し前に戻る。第13条について補足したくなった。例の「人として」に拘ったのはいいが、他の大事なことを言い忘れていた。そこに思い至ったきっかけの出来事から書きます。先日、千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に行ってきた…

心の自由  (第1341回)

私の愛読書の一つに、今は亡き神谷美恵子さん著「こころの旅」がある。神谷さんは精神科医であり、大学教授でもあったお方で、かつて皇后陛下が一時期ご不調の折(報道では確か失語症)、御相談役として任命されたほか、哲学書の翻訳などもなさった碩学であ…