おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2019年12月30日 李文亮医師  (第1222回)

この氏名で検索すると、多数ヒットする。そのうちまず、英国BBCの日本語版サイトを拝読します。報道関係の記事はリンクが切れることが多いようなので、主な内容を書き出します。

この記事がアップされたのは、2020年2月6日付になっている。最後に陽性反応が出たところで終わっているのは、さすがのBBCもこの感染症が急激に悪化するケースがあることをまだ知らなかったのか、それとも書けなかったのか。この日の夜、李医師は他界した。まだ34歳の若さだった。


同記事によると、李医師は2019年12月30日、グループ制のサイト内の同僚医師たちに、「アウトブレイク」が発生しているので防護服を着用するよう警告を発した。アウトブレイクとは、最近よく聞く意味不明のカタカナ英語の一つ。平均的な発生数を超えた集団発生というような意味らしい。

彼は中国湖西省武漢市の病院に勤務する眼科医でした。眼科医です。その彼の耳に入った情報が何だったのか、詳細は知らないが、BBCの記事が1月31日に「微博」(ウェイボ)に投稿された書き込みの写真を載せています。


私は中国語ができないうえに、ぼやけた写真にしているので、わかりづらい。さらに昔の漢字なら読めるが、今の略字はよく分からん。ともあれ断片的に、中央病院の眼科医生、「7例SARS」、「1月3日、公安局」という記事文中のキーワードと対応しているものが見える。

記事によると、「この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知らなかった」というから、2003年に終息宣言(天然痘のような撲滅宣言ではない)が出たSARSの再発だと考えたのだろう。根拠もなく新型とは言えません。


これが公安当局の目に触れて、1月3日に始末書のようなものを書かされた。その書類の写真は更に判読が困難だが、一番上の役所名と、右下の日付は明らかで、おそらく拇印が押してある。発生場所らしき固有名詞は、華南水果海鮮市場と読むのだろうか。

この二つの写真のもう少し鮮明なものは、私のようなITリテラシーとやらが弱い者でも、あっさりネットで拾えました。同じものなのだろうな。


f:id:TeramotoM:20200412095637p:plain


李医師は共産党員だったと新華社通信が書いている。この国で公安に控えろと言われたら、控えるほかなかったのだろう。外にどのような動力が働いたのか知らないが、SARSらしきアウトブレイクの情報と患者は、しばらく同市の病院から出ることはなかったらしい。私はもちろん新型のことなど何一つ知らず、暮れ正月は実家に帰省していました。

この医師がこの病気で亡くなったことを知ったのは、覚えがないがたぶん1月31日の投稿以降のことだと思う。キュリー夫人野口英世を思い出しましたね。噂では小さなお子さんが一人、妻は身ごもっていたというか本当なんだろうか。ここでは若き冒険者のあまりに早いご逝去に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。


(おわり)




f:id:TeramotoM:20200101115702j:plain

元旦  (2020年1月1日撮影)









 Well, I'm gonna China to see for myself.

    ”Meat City”  John Lennon










.


















.