おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

夢をかけた試合、勝ちにゆくべし  (第1162回)

 ここ三週間ほど苦しんでいた仕事が、昨日ようやく一区切りして(まだ終わっていませんが)、これで少し落ちついてサッカー・ワールドカップを観ることができるようになった。恥ずかしながら、いつ開幕したのかも気付かなかったし、日本の初戦の日時と相手も知らなかったです。

 城彰二氏が第二戦の対セネガルの試合においては、1)最低でも勝ち点1を奪わねばならない、2)川島と長谷部を先発メンバーから外せと主張してみえる。行間を読むに、勝てそうもないから、守りに徹して引き分けに持ち込み、トーナメントに出ようということだろう。


 前の試合で立派な勝ちをおさめながら、次の試合でキャプテンとゴール・キーパーを替えろとは、城さんもたいしたお人だ。大反対である。確かにサッカーは滅多に点が入らない競技だから、守備は極めて重要だが、そんな弱気であの獅子を狩る部族のようなセネガル・チーム相手に、同点で切り抜けられると思うほど私は楽観的ではない。大会直前に代表監督が代わり、選手の団結でここまで来たと当事者が語っているのに。

 ライブドア・ニュースに、良い記事が出ている。拝借します。語り手は、日本サッカー界の重鎮、オシム
http://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/14897712/


 彼はこう言っている。「西野監督もきっとわかっているとは思うが、引き分け狙いで闘っては絶対にダメだ。守りを固くすることは必須だが、同時にゴールを得るために前に出なくてはいけない。互いにベスト16入りの夢をかけた試合は、絶対に0-0のスコアレスなどでは終わらないはずだ。」

 私は日本が決勝トーナメントに出ることより、三試合よくやったと言えるようなサッカーを見せてもらうことを望む。例えば、前評判も何のその、ワン・チャンスからアルゼンチンを粉砕したクロアチアのようなゲーム。昨日、アディショナル・タイムに入るまで、フォーメーションを崩すことなくブラジルの強圧を跳ね返し続けたコスタリカの奮戦。


 またぞろ後方でパス回しを続けた挙句、消耗して防衛線を突破されるような試合展開は見たくない。いまや日本人は日本国が大好きで、オリンピックでもワールド・カップでも、日本チームの勝利が最優先という風情になっているが、勝ち負けは二の次だから、そんなの気にすることはない。

 それにしても、本田の評判の悪さは、一体どうしたことか。彼は点の取れる男だ。左サイドのコーナーでも、起用されるのは彼だ。ちゃんと打つべき人の頭上に飛ばしたではないか。私の好きなサッカーは、特定の選手を罵って楽しむスポーツではない。今なお許せないのは、帰国した城に空港で飲み物をかけた奴だ。まだのうのうと、この国で生きているのだろうか。


 以下はセンチメンタルにきこえるかもしれないが、本気です。敗者に敬意を表しない勝者は低劣だ。日本は幾つものアジアのチームを叩き伏せて、ここまで来ている。彼らに誇れるような試合をしなければ、非礼というものです。試合終了後に、日本のベンチにお礼と挨拶に来たカンボジアのチームを忘れてはおるまい。

 オシムのご健康と、日本の選手たちの敢闘を祈る。



(おわり)






太田道灌像 日暮里駅前
(2018年4月29日)








男が目指す 敵ゴール   「赤い血のイレブン」








































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