おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

俺の友達  (第961回)

寄り道を終えて、映画に戻ります。謎の男が角田氏に「そいつは俺の友達だった」と語り、そこで時間が過去に跳ぶ。どうやら季節は夏、場所は神社の境内のようだ。ケンヂ少年は、トレードマークの白い野球帽をかぶっている。高校野球部の練習用みたいな無地の…

戦場への招待券  (第960回)

多数決は民主主義の原理ではござらん。大半の人が賛成してくれないというとき(国会でいうと、立ち上がっただけで賛成多数につき可決ということにならないとき)、やむなく白黒丁半をはっきりさせるために使う最後の手段に過ぎない。反証の好例が議員の選挙…

海ほたるプリズン  (第959回)

むかし、母音+「サ行」「ザ行」で始まる地名は、火山あるいは火山に縁があるものが少なくないため、古い日本語で火の山という意味であったかもしれないという説を聞いたことがある。でも富士山を筆頭に無数の例外があるし、母音もサ行もよく使われる音だか…

EXPO'70  (第958回)

中学校の放送室のシーンが終わり、かけた曲はそのまま流れつつ、映画はオープニング・クレジットに移る。クレジットと言っても、ここでは登場人物のあだ名が並んでいるだけだが。オッチョから始まりケンヂで終わる(映画の作りもそうなっている)。あの秘密…

20センチュリー・ボーイ  (第957回)

映画では「うるせえ」というのが主人公の第一声である。しかも相手は無抵抗の婦女子であった。続いて彼が大人になったあと(でも、漫画で言うとヴァーチャル・アトラクションの最終場面より前のはずだ)、「何かが変わると思った」という回顧談が入る。「俺…

エーゲ海の真珠  (第956回)

漫画や小説が映画化されるときの楽しみと言えば、配役とか別建てのシナリオとかあれこれ興味は尽きないが、特に色彩と音響は、漫画の絵や言葉の表現にも限界がある以上、映画の大事な見どころの一つであります。漫画はごく稀にオール・カラーがある程度。そ…