おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

新東京国際空港     (20世紀少年 第47回)

 第1巻の最後の話題は、そのまま第2巻の冒頭に続く。モンちゃんの送別会はドイツへの出発前夜に行われたようで、一同は飲み会を中断して元秘密基地に埋められていた缶を掘り起こし、そのまま成田の空港に行ってモンちゃんを見送った。

 のちに民営化されて「成田国際空港」と今では呼ばれている空港は、私が若かりしころに開港した当時は、千葉にありながら「新東京国際空港」と呼ばれていた。206ページにも、ちゃんとその旧名が掲げられている。

 なお、類似の例として、ディズニーランドの浦安支店も、「東京ディズニーランド」という名称であるが、こちらは改める気配がない。確かに東京との境はすぐそばだが、千葉は千葉。TDLは完成した直後に、社内旅行で訪れた記憶がある。


 モンちゃんが出発した後、ケンヂは地下から出土した、ともだちマークの箱を抱えて興奮しているのだが、マルオとケロヨンとヨシツネは徹夜で眠たいだけで、てんで関心が無い。ケロヨンには、「よくまあ、それだけ偶然の一致が続いたな」と言われる始末である。

 ケンヂはこのマークを知っていた俺たちの誰かが、現在、なぜか使っているのだと主張し、ほかに誰が知っていたか思い出せと旧友一同に命じている(本人の記憶力が弱いせいである)。


 同行者から出てきた名前はコンチ、オッチョ、そしてユキジ。ユキジの少女時代の外見については評価が分かれており、ケロヨンは「あのブス」と呼び、ヨシツネは「けっこう美人だったよ」と言って赤くなっている。

 モンちゃんは、血の大みそかの夜に、ユキジに対して、みんなユキジが好きだったのだと告げているのだが、ケロヨンは例外かもしれない。また、ヨシツネもヨシツネで、「ほら、相撲の強い...」とマルオに語っているのだが、のちに分かるが大変な誤解であり、ユキジは相撲が強いのではない。


 しかし問題はケンヂで、この209ページ目の時点でユキジの名を耳にしても、よく思い出せない様子である。後に明らかになっていく二人の過去からして、信じ難い物忘れの激しさと言わねばならぬ。その罰が当ったか、いきなり大きな犬に腰の辺りをかみつかれるのだが、この犬こそ、ハンドラーのユキジに「バカ犬」呼ばわりされていた麻薬犬なのであった。

 ここで、ようやく第1巻が終わる。ときどき、先回りしているとはいえ、ここまでで47回もかかってしまった。

 なお、私が所有している「20世紀少年」の単行本第1巻は、初版第1刷であり、巻末には「週刊ビッグコミックで連載中」などの広告が掲載されている。その「20世紀少年」の紹介文に「少年達は21世紀に向かって、再び冒険へと旅立つ!!」とある。この「再び」とは、どういう意味であろうか。初回はいつだったのかな...?



(この稿おわり)


うちのベランダの植木に、いきなり花が咲いた。これに花が咲くとは知らなかった。名前はまだない。 
(2011年7月18日撮影)