おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

こころの旅  (第1318回)

今回からしばらくの間、神谷美恵子著「こころの旅」を読みます。「あとがき」によると、この書籍は1973年1月より、「からだの科学」という雑誌に連載された一連の記事を、単行本にして商業出版されたものです。

著者(故人)は精神科医で、「からだの科学」誌より「精神医学入門」を書いてほしいとの要望があり、ちょうど六十歳近くなって「人がたどる旅のあしあとを勉強しなおしてみたい」と考えていた矢先のことで、「人間性探求のため」に連載を始めたとのことです。


入門書ということもあり、整った文章で専門用語も少なめの、一般向けに書かれた読みやすい本です。この本を買った時期をはっきり覚えていないのですが、十年余り前のカウンセラー業を中心に働いていたころのことです。

その当時、私は本に蛍光ペンで線を引きながら読む癖がありました。今はもう止めていますが、その理由は得てしてラインマーカーを引いていない箇所の方が目立つくらいになってしまうことがあり、再読しづらくなったためです。


今回、十数年ぶりに再読してみて、興味深かったのは、今の私ならマーカーを引くだろうと思う箇所に、引かれていない箇所が幾つかあり、大半が「老」と「死」に関わるものでした。

十数年前といえば、私は五十歳前後です。ちょうど髪の毛が減り始め、老眼が進み始めたころですが、それらはあくまで三十代ごろから気になり始めた加齢による自然現象の延長上にあり、つまり現在の「死を前にした老い」とは質的に違います。


本書の構成は全十章からなります。第一章「人生への出発」(受胎)から第十章「旅の終わり」(死)に至るまで、年代ごとに章立てが進んでいます。ただし、単行本にまとめるにあたり、第九章「病について」を加筆したそうです。これで生老病死が揃いました。

本ブログでは、次回に第一章の「はじめに」を読んでから、幼少期や青年期はすでに人生のはるかかなたの昔話になっているため(決して軽んじているわけではありません)、第八章「人生の秋」から最後までを感想文の対象といたします。


(つづく)


タンポポの種  (2026年4月15日撮影)


























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