おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

再開「憲法と社会」 外は白い雪の夜  (第1305回)

本ブログはその名のとおり「雑記帳」であり、雑多なカテゴリーが一緒くたになっている。ここしばらくは「老いを見つめる」というカテゴリーで連載してきた。

これはこれで続けてゆくが、今回から「憲法と社会」のカテゴリーを二年ぶりに再開し、「老いを見つめる」と同時並行(かわるがわる)で書いてゆくことにした。今の私の二大問題。私は法律家ではないが、主権者(日本国民)としての責務を負う。


今次の「憲法と社会」の再開のきっかけは、この度の衆議院選挙の選挙結果および高市早苗自由民主党総裁(まだ新内閣の首相には任命されていない)が行った記者会見。

すなわち同選挙は去る2月8日に選挙期日を迎え、同日に即日開票が始まった。翌9日には確報が出て、自民党本部にて総裁が記者会見を行ったのだ。報道によれば「憲法改正に挑戦する」と明言した。


これに対し、議員を始め公務員は憲法を順守する義務があり、挑戦するとはもっての他だという反論があった。その論拠はおそらく、憲法第九十九条に駄定められた「憲法尊重擁護の義務」にある。以下、条文の出典は衆議院の公式サイト

第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


この反論をどう考えるか。第九十九条のすぐ前に、「第九章 改正〔憲法改正の発議、国民投票及び公布〕」がある。条文は一つ。項が二つ。

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。


憲法改正は国会が発議する。実務的には、国会議員の誰かが言い出す。これに衆参両院の「総議員の三分の二以上」が賛成した場合、国民投票その他の手段により、過半数の賛成をもって改正される。字面通り読めば、国会議員たる総裁が「挑戦する」と宣言すること自体は、即座に憲法違反にはならないはずだ。

一方で上記の反論は、簡略に申し上げれば「あなたにその資格があるのか」という反問だろう。そう思う根拠は、私もこれを聞いて、同じことを言いたくなったからだ。本ブログは従来通り、反体制の姿勢を貫く。個別具体的な意見は、次回以降に進めてゆく。


期日前夜の2月7日、私が住む東京都心では雪が降り始めた。寒い日だった。すでに期日前投票は済ませていたので、風邪をひきやすい私はこの日は家にいた。今なお個人事業主であるが諸般の事情により開店休業を余儀なくされており、他方で妻は現役フルタイムの会社員なので最近は家事を頑張っている。

明けて2月8日、東京にしては珍しい降雪と積雪。この日は用事があって上野に外出し、けっこう体力を使ったので午後は一休み。日が暮れて投票締め切りの8時前後に、NHKの開票速報が始まった。その冒頭、自民党が300議席を超える勢いであると報じられた。途端に飯と酒がまずくなった。


事前報道によれば、「高市人気」は相当のものだと聞いていたので、ある程度の覚悟はしていたのだが、正直申し上げて自民単体で三分の二以上を確保するとは思っていなかった。

もう一つは報道に接していると、気になるのはこの人気を支える支持者の言い分が、これまで聞いた覚えががないような「元気がいい」、「明るい」、「はっきりしている」、「最初の女性首相に期待」といった人気商売そのものの気分で突き進んでいる傾向があると感じた。

もちろん元気も明るさもリーダーにあってほしい要素ではあるが、まだ就任後まもなく解散したばかりで、その実力が明らかになるのはこれからだ。次の参議院選挙は2028年7月。そのときも今のような「空気」が支配しているとすれば、おそらく国民投票まで進むだろう。そのための準備を、個人的な勉強として本ブログにて行う。


この先の結果次第では、2月8日は憲政史に残る日付となる。我が人生の半分以上は東京在住であり、実感として東京は2月によく雪が降る。40年前、地方への人事異動決まり、新幹線に乗って東京から離れた2月末の日も雪だった。

もっと昔の生まれる前、二月二十六日に陸軍のクーデターが起きた時も、写真で見ると皇居周辺は雪の中だった。いやな予感がするが、諦めたり恐れたりしている場合ではない。


(おわり)

上野東叡山 寛永寺根本中道  (2026年2月8日撮影)


大事な話が君にあるんだ
本など読まずに今聞いてくれ

  「外は白い雪の夜」 吉田拓郎






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