おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

4月15日 42万人?  (第1253回)

本年4月15日の出来事としては、韓国の総選挙と、厚生労働省クラスター対策班の会見がありました。まず韓国から。文政権の勝利となった。まだウイルス対策が続いている最中の国政選挙でしたから、これは今後もしっかりやってくれという声かと思っています。こういう戦争や天災などの国難においては、支持率が大きく動きます。

この直後のSNSに韓国系の人が、韓国の大統領はいったん政権の座を追われると、投獄されたり死刑判決を受けたり自殺したりという国柄ですから、必死なんだということでした。これは実例豊富につき、説得力があります。この点、二大政党のアメリカでは、野党の元大統領が与党の批判者として登場します。日本は、やめときます。


ドライブ・スルーの本物を見たのは、1990年ごろのアメリカで、ケンタッキー・フライド・チキンだった。映画「アメリカン・ビューティー」に出て参りました。これを韓国は、ウイルス検査で採択しました。見事だったと思います。

さっそく顔に出るタイプのフランス、マクロン大統領も、その手があったかという顔で、この方式を国民に勧め始めました。日本は、やめときます。では、もう一つのクラスター対策班の話題に移ります。


先日ここで、接触率が7割減なのか8割減なのか、どっちなんだと書きました。これは、この4月15日から翌日にかけての報道で、私が混乱したためです。クラスター対策班というのは、この厚生労働省資料によると、新型コロナウイルス対策本部の直轄の組織。船頭多し。

これと全く同じ組織なのかどうか知らないが、「新型コロナクラスター対策専門家」というTwitterのアカウントがあり、見た限り報道は同一視しているので、同じものと考えることにします。


この方々が、4月15日に第一回の「新型コロナウイルス感染症 クラスター対策専門家 記者意見交換会」を開催したということは、上記のTwitterにも同日付の記録があるし、参加したらしい報道各社の記事も複数あります。記者会見ではなく、意見交換会になっている。

この日の議事録や配布資料や動画は見当たらない。このため報道のうち比較的、詳しく伝えているかと思う産経新聞の記事をみます。


冒頭にあるように、クラスター対策班は席上で「感染が広がる新型コロナウイルスに対し、外出自粛などの防止策を何も行わなかった場合、国内で約85万人が重篤な状態となり、半数の約42万人が死亡するとの推計が出ている」という旨のことを述べたらしい。

他社の記事も似たような感じではあるが、産経の見出しに明記されているように、「無対策なら」という前提での理論値というのか、何と言うのか、現実としてあり得ない想定上の仮の値です。42万人。

すでに緊急事態宣言が出され、対策が進んでいる中での発言であるはずなので、そもそも、「どの時点以降から、何もしなかったらか」というのが不明確のまま、その感染・致死の規模の大きさと、49%が死亡とか、記事によっては41万8千人という妙に細かい試算結果に惑わされてか、騒ぎになった。


産経ほかの記事をみても、対策班が伝えたかったのは、後半の「何をすべきか」であり、西浦教授もわざわざ「想定していない」と語っているのに、スキャンダラスに報じられた。また、今回の騒ぎでよくわかったが、医師免許の世界も立場や学閥その他の人間関係が入り乱れており、すぐ反論者が出る。遠慮なく申せば、時に驚くほど口汚い。

翌日には早速、官房長官が、一部専門家の意見であり、政府としての公式見解ではないと記者会見で語ったとの報道があった。政府の組織なのに。勘ぐるところ、緊急事態宣言のあとで検査結果の陽性が増え、しかも間もなく大型連休とあって、ここらで警報を鳴らしておこうという作戦だったのであろうか。


しかし、クラスター対策班のTwitterが、同じ4月15日には、7割では駄目で8割だと断言しているにも拘らず、4月17日に行われた総理の記者会見においては、「人と人との接触を最低7割、極力8割削減するとの目標」と明言されており、どっちなんだ。

しかも、8割というのは、対策班も総理も「接触」の削減というコンテクストで語っているのに、その後のNHKのニュースでは、おそらくスマホの位置確認データや改札の記録だけを集計したものだと確信しているが、それなら単に捕捉できた「外出者」の頭数にすぎず、ほかに方法がなかったのかもしれないが、私は無視していました。やむなく春眠。



(おわり)


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牡丹  (2020年4月15日撮影)









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