おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2月5日 ダイヤモンド・プリンセス  (第1229回)

豪華客船はIR(総合型リゾート)です。クルーズ船と報道されている「ダイヤモンド・プリンセス」にも、ネットで拝見するとシアター、スポーツ施設、カジノなどがある。特にカジノは、カリフォルニア駐在時代に、ラスベガスで何度も楽しんだので、いっぺん乗ってみたいみたいものだと思っておりました。今はそうでもない。

IR推進法なるものが2018年に成立した。ここ日本では国会が「構わぬ」と許す場合、あるいは行政が目をつぶる場合、賭博行為が合法となります。ただし、IRの場合は大掛かりな準備が必要で、実施法を別途つくらないといけないらしいし、用地や資本(あわせて利権ともいう)が必要です。


案の定、昨年末から今年の年初にかけて、中国から複数の日本の政治家が裏金を頂戴した疑惑が生じ、しばらく頓挫している模様です。そんな微妙な時期に、「ダイヤモンド・プリンセス」は、COVID-19の患者を載せて、IRの候補地の一つ、横浜に来た。これでは政府も報道機関も、豪華客船の詳細を語れないわけです。船にうらみはありません。長い隔離の末、何人か亡くなられて大変お気の毒でした。

今回は二次感染と集団感染の話題です。中国は今や日本の最大の輸入国なのだが、貿易だけではなくて観光客もカジノ誘致の裏金も、これは責めてはいけないが、新型コロナ・ウイルスも来てしまった。二次感染すなわち人から人への国内での感染は、まだ記憶に新しい。バスの運転手さんだった。


この件については、朝日新聞の記事を見つけたので貼っております。今年1月28日の報道です。運転手さんは渡航歴がなく、一方で例年の春節よりもだいぶ前の1月上旬に、武漢からの観光客を乗せて走った。

記事によると、すでに二次感染は「武漢市以外に北京や上海、ベトナムでも起きており、想定されていたこと」だった。政府の後手後手を責める人の中で、春節のときに入国禁止にすべきだったと主張する人がいるが、どうやら程度問題にすぎず(それも重要ですが)、とうに感染は始まっていたことになります。


むしろ水際で阻止できると本気で考えていたとしたら、これだけ世界各国からビジネスや観光や漁業で人が出入りする海岸線の広い国で、国ごと完全密封状態にするというのは無理な相談でしょう。むしろ、SARSが来なかったので油断したのかもしれない。それに続いて、集団感染が話題になった。まずはクルーズ船と屋形船だった。

ダイヤモンド・プリンセスは、2月5日の厚生労働省報道発表資料によると、2月3日に出港地の横浜に戻ったものの、すぐさま下船というわけにはいかなかった。


翌2月6日の手元の読売新聞によると、1月20日に横浜で乗船し、1月25日に香港で下船した乗客が(本件は香港の出番が多い)、同地で感染が判明した。このため検査と隔離が必要になり、乗船客や乗務員のみなさんは、えらい目に遭う。

それでも、あのころの私は、船内という密閉区間で、飲んだり食ったりで騒いでいると、インフルエンザにかかりやすいのだなあという程度に考えていました。ただ、もともと鼻風邪を引きやすい体質なので、前から習慣にしている帰宅後と食事前の手洗いは強化しました。散歩とジム通いは、通常どおり続けていました。


2011年のアメリカ映画に、「コンテイジョン」という作品がある。感染という意味です。最近ご覧になった方も多いのではないかと思うくらい、不気味な内容です。もっとも、呼吸器系ではなく、脳神経に症状が出ることもあってか進行が速く劇的で、あっというまにお亡くなりになる。

二次感染の引き金となったグウィネス・パルトロウは、そのときどこで何をしていたか。香港からの飛行機に乗る前の出来事でした。マカオだろうか、彼女はカジノで、ルーレットをしていたのだ。新型がどう感染するのか、すべて知り尽くしているという人はまだおるまい。どこもかしこも物騒だが、かといって、いつまでも閉じこもっていられるわけにはいかない日が来ます。



(おわり)



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ご近所の梅  (2020年2月4日撮影)


















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