おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

1月7日 JETRO  (第1225回)

遠い昔、カリフォルニアの民間企業現地支店で働いていたころ、何度かJETROさんのお世話になりました。資料をもらったり、相談に乗っていただいたり、たいへん助かりました。遅くなりましたが、この場を借りて御礼申し上げます。

武漢は日本企業も多数進出しているとのことで、いつのころからか知りませんが、現地事務所があります。そこから発信された2020年1月7日付の「ビジネス短信」という記録が今回のテーマです。


タイトルは「武漢市でウイルス性肺炎が発生、WHOは渡航制限せず」となっている。「発生」と謳っているから、おそらく第一報ではないかと思います。そして情報源は、前回ご登場の「武漢市衛生健康委員会の1月5日の発表」。最後の段落をみると、WHOが過剰な反応は控えるように呼び掛けている。

それより興味深いのは、その上の第三段落で、「室内の空気の換気を行い、人が密集している場所へ行くことを避け、必要に応じてマスクを着用する必要がある」との記載があり、これは今わが国で「三つの密」(3密)と呼ばれているものと、殆んど同じ。


本年1月上旬の時点で、現地は知っていたらしい。SARSのときの教訓か、それともWHOのアドバイスか、多分このどちらかだろう。前回の武漢市の発表は1月3日だったから、その二日後には感染性が高い疾病であるという疑いを持っていたことになる。

武漢市衛生健康委員会の1月5日の発表も、ネットにある。また中国語だ。翻訳アプリの世話になった結果、すでにこの記事において、治療はすべて隔離、予防については上記JETRO情報と同様で、三つの密と類似する方策を呼び掛けている。


日本において、これと同じことが言われるようになったのは何時ごろだっただろうか。おぼろげな記録では、私が最初に耳にしたのは、小池都知事がロックダウンという言葉を口にして話題になった記者会見のころだったと思う。都庁のサイトによれば、3月25日。オリンピック・パラリンピックが延期されたあとのことだ。「ノー3密」とあります。

ただし、知事ご発言の議事録文中に「引き続き」とあり、この回の前の会見が行われた3月23日の議事録にも、「それらの三つの条件」に言及があり、どうやらこのあとで「3密」のキャッチ・コピーが出来たらしい。こちらは見逃したのか、私の記憶にはない。


では国はどうか。ざっと探した限りなので、あくまでご参考まで、3月10日に開催された「新型コロナウイルス感染症対策本部」の「資料」がある。「資料1」というこの文書の体裁からして、当日、厚生労働省が配布した資料だろう。

この8ページ目に「6. みなさまにお願いしたいこと 」という項目があり、「より確実な知見となってきました」という前置きに続いて、三つの条件が出てくる。これは私の推測どおりなら、会議の参加者には伝わっても、即座に全国民には周知されない。首相官邸Twitterに載ったのは、どうやら3月18日が初出のようです。「あの三連休」の直前。




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(おわり)







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コブシのつぼみ  (2020年1月9日撮影)




 こぶし咲くあの丘  「北国の春」 千昌夫








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