先回で硫黄島から離れると書いたのだが、映画の話題に積み残しがありました。今日は祝日だ。若人よ、かつてゴールデン・ウィークは、たいてい飛び石連休だったのだ。それが、すっかり、飛び石連休は死語になった。ゴールデン・ウイークも危うい。テレビも新聞も、大型連休と言うようになった。
小型になる危機があったのは、昭和が平成の御代になったときだった。そのころ海外にいたので余り記憶にないのだが、あれこれ議論があって、みどりの日が創設された。私は緑色が好きです。自分の事業の主たる分野である安全衛生のシンボル・カラーだ。
それが、いつのまにか暦の上を引っ越すという稀有の出来事に遭い、いまや4月29日は昭和の日。なんだい、そりゃあ。昭和という時代は、日本史上、最悪の戦争と切っても切れない関係にある。国民そろって、喪に服す日ですか。ご期待に応えて、凄まじいものをご案内差し上げよう。
わが五十代から六十代にかけての特に男は、私を除き、多くはいま日本の様々な組織における重要な地位にいて、かつては戦争を知らない子供たちだったのだが、今は恐れを知らない者たちになったか。老い先短かければ、何をしてもいいのか。今日は荒れております。
もうすぐ譲位なさる両陛下は、いつか話題にしたような気もするが、すぐに思い出せる範囲内で、先の大戦の慰霊に行きなさったところというと、サイパン、パラオ、フィリピン、沖縄、そして硫黄島。いずれ劣らぬ悲惨な激戦地だが、日本の軍人が大勢亡くなったというだけの場所ではない。
民間人も敵兵も、何の関係もない地元の第三者も、無数に巻き添えにした。上記の場所選びには、そういう意味があると私は信じて疑わない。次世代の皇室は、おおむね私たちと同世代だ。どういう皇室になるのか、今から注目している。さて、映画の話に戻ろう。
写真はご覧になった方もお見えだと思いますが、1949年のハリウッド映画「硫黄島の砂」のワン・シーン。全編、アメリカ海兵隊への賞賛に満ち溢れた映画であり、敵役は当然、日本軍なので観ていて楽しい映画ではない。
それでも敢えて紹介申し上げるのは、この映画は俳優が登場する比較的、鮮明なところはカリフォルニアでのロケで撮影したものなのだが、ピンボケしているものや、ポータブルのカメラの手振れが激しいシーンは、英文サイトによると、本物の記録画像(実写フィルム)であることだ。
これは例えば、中盤の重要な場面であるタラワへの上陸作戦において、椰子の木が燃えているし、当時日本が建設した大きな桟橋などが写っている。一度だけだが、タラワに行ったことがある。まだ大砲が残っていた。
硫黄島に行ったことはないが、上記のスチールは、私の理解に間違いがなければ、先般ここで話題にした「父親たちの星条旗」に出てくる主人公3人で、左からレイニーとドクとアイラだ。1949年の本人たち。ドキュメンタリー「硫黄島の星条旗」に、3名が映画の宣伝係に駆り出されて、この場面ともう一か所に出演していると書かれている。
左側に広い背中を見せているのが、主演ジョン・ウェインの軍曹だ。場所は摺鉢山の麓で、第一分隊の部下たちに、国旗を掲揚するよう命じているところ。さて、もう一か所の出番は、その間もなく後に出てくる国旗を揚げるシーンの再現。遠景なので顔が見えない。
これはモニュメントにもなり、切手にもなった写真の少し後のもので、すでにポールは直立しており、ただし、しっかり立てないといけないから、基礎固めをしているのだ。右側に立って体重をかけているのが、アイラ・ヘイズ。
みどりの日、さわやかな新緑を求めて、今年は日帰りで行ける舎人公園(東京都足立区)に行って参りました。良く晴れて、暑いくらいだった。子供がいっぱい遊んでおった。撮影した写真を幾つか残します。
(おわり)
公園入り口にて
カゲロウ
端午の節句は菖蒲湯だ (以上、2018年4月29日撮影)
緑のインクで 手紙を書けば
それは さよならの 合図になると
誰かが 言ってた
「メランコリー」 梓みちよ
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