おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

IT  (第1034回)

 私にとっては初めて見るシステムの不具合があったので記録します。今月の19日(日)と20日(月)に、いつも使っているPCで下書きをアップし、この「はてなダイアリー」のブログを更新した。前回と前々回の「ドンパチ禁止」の件です。きっかけは、フロリダ州で起きた銃撃事件だった。

 それが終わった20日の昼休みに、誤字を訂正しようとしてブログにアクセスしようとしたら、「403 Forbidden」というエラーが出た。仕事で古い資料や新聞記事などを探すことが多いので、「404 Not Found」なら、毎日のように見る。でも「403」は殆ど全く記憶にない。すくなくとも、この5年余りで、自分のブログに立ち入り禁止令が出たのは初めてだ。


 念のため、2回ほど再起動したが駄目。逆に、いつも使っているPCとは別の端末で、有線も無線もクラウドも全く繋がりのない機材からアクセスしたら問題なく繋がり、しかもIDとパスワードが通用してログインもできた。ということは、おそらくサーバー側の混雑やシステム障害ではない。いつもの端末と私が、セットで危険物なのか。

 もっとも、このエラー・メッセージが出続けたのは数時間のことで、そのあと復旧し、現在に至るまで問題ない。だから、あまりITに興味がない私のことだから、そのまま忘れてしまったはずだ。たまたまレンタルしていた映画を観ているうちに、なぜか疑問が湧いて出なければ。


 借りていたDVDは、アメリカ映画の「IT」である。インフォメーション・テクノロジーではなくて、「それ」を意味する英単語の「イット」。コミックス第12集にその名が出てくるスティーブン・キングの長編小説を映画化したものだ。探し物に行き詰った角田氏が、昔話にキングの本のエピソードを語り始めて、ショーグンにヒントを与えている。

 彼の小説は余り読んでいないが、その理由は、のめり込むと大変な散財になりそうだからだ。一人の小説家が気になると片端から読む癖があり、お金の余裕がなくなるまで文庫本を買い続けてしまう。司馬遼太郎に始まり、チャンドラーで、村上春樹で、SFで、クーンツで、筒井康隆で、エルロイで、コーンウェルで..と数えきれないほど、お金と時間よ、さようなら。

 スティーブン・キングで同じことをしたら破産だ。大長編が多いし、多作だし。でも結局、映画はたくさん見ている。キャリー、シャイニング、スタンド・バイ・ミーミザリー、名前は忘れたが車が発狂するやつ。まだCGというよりも特撮の時代、ホラーというより怪談に近いな。


 原作の「IT」は私が若いころ話題になった小説で、内容はどことなく「20世紀少年」に似通っている。本質がホラーだから作風は違うのだが、少年時代と三十年後を行ったり来たりの構成、秘密の空き地の集合場所、太った少年、気の強い紅一点、いじめっこ達、時を経て集まった戦士が7人、戦いが始まる前とその途中に、一人ずつお亡くなりになる。まだ固定電話の時代だ。

 こういう不気味なフィクションを観ていると、変な発想も浮かんでくることがあるようで、先のシステムのトラブルが、何だか理由があることのように思えて来た。きっと理由があるに違いないと決まった。では、何だ。


 しばらく前に、小欄で下書きをアップすると、ほぼ瞬時にアクセス数が十件ほど増えると書いた。今もそうです。当時、これは検閲を受けているに違いないと考えた。今もそうです。過去5年で初めてのエラーが出たその前に、自分は何を投稿したか。

 中身は大したことがない文章なのだが、銃器や国際テロ組織の実名を、アルファベットで何回も書き入れている。これが引っかかったか? フロリダの事件はまだ捜査中だと新聞にも出ている。関係者や模倣犯が、ネットに何か書き入れるかもしれないという前提で、見張らない方がおかしい。ここまでは、ありそうな話である。



 映画に登場する素顔の分からない犯罪者の非道ぶりを眺めながら、同じ20日に奇妙なコメントが届いたのを思い出した。このブログに対するコメントは、これまで当たり前だが全て日本語だったのだが、ドンパチ禁止を訴えた途端に、初めて英語のコメントが過去の記事に届いた。
 
 一か月以上前の投稿に対するもので、ボブ・ディランを褒めている。日本語が読めなくても、その回はディランのライブ会場で写した彼の「写真の写真」を名前入りで貼付してある。これを見れば、文章を読めなくても、読んでいなくても一応コメントはできる。私は簡潔にお礼を返した。これで、この端末のIPアドレスやら何やら、情報が相手に伝わり確認できたのだろうか。例えば、連邦なんとか局とかが。


 こういうことはたいてい、偶然である。でも気になったので、英語コメントの発信先をクリックしてみた。なぜか発信者は、ご自分の(推測だが)ウェブ・サイトのアイコンを、足跡のごとく残していったのだ。それは、一見ごく普通の企業のホーム・ページだった。住所も電話番号もある。こういう手段での売り込みは、ブログでもSNSでもお馴染みのもので、珍しくも何ともない。普通は。

 しかし、この会社はアメリカに所在しており、しかも、一般顧客向けの商売ではなく、企業相手の所謂「B to B」のビジネスをしているらしい。とてもじゃないが、私が海外に発注するような商品ではない。そして会社名にも住所地にも、マイアミの名がある。かつて一度だけ車で走った町だ。花の都、フロリダ州が今ごろ私に何の用だ?






(この稿おわり)






さかさくらげ饅頭。乞う英文コメント。気の利いた奴を。
(2016年6月3日撮影)





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        ”Let It Be” The Beatles


























































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