おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

あれこれ  (20世紀少年 第922回)

 
 どういう訳か、この二月三月は去年からの業務が長引き、さらに新しい仕事が複数始まったため、えらく忙しくなってしまった。去年までこのブログを書いていたころは、ずいぶんとこれが気分転換になっていたのだが、あまりに働きづめというのも心身の健康に良くないと実感しているところ。

 そして、この間にいろんなことがあったし、いろんなことも考えたので本日は雑感集です。先ずはドイツの航空機の悲劇。報道が鈍い。ドイツ政府と航空会社の公式発表しか伝えていないようなものだ。下手人(?)の副操縦士は、うつ病であったと聞く。


 私は医師ではないので診断もできす、勝手な推測も控えなければならないが、心理職の仕事をしている必要性から精神医学の基礎も日々勉強している。メランコリーの谷底にある人が、機長を締め出して故意に飛行機を墜とすだろうか。

 判断力が大きく阻害される病気とのことなので、様々な症状・言動が出ること自体は不思議ではない。しかし勤務不可の診断書が出るほどの「どん底」状態で、こんな決断や作業ができるのか。例えば、うつは他の疾患からくる生きづらさがもたらした二次障害という可能性はないのか。スキャンダリスティックな報道だけで良いのだろうか。同病の患者が非常に多く、かつ増えている時代なのに。


 その少し前のチュニジアのテロは、またしても非道の極みである。加えてどんな思想信条があろうと、逃げる女性を背中から撃ち殺すとは言語道断の沙汰である。近年のわが国の犯罪も似たような傾向があり、素手の老人や女子供を選んで凶器を振るう。我が身可愛さが優先なのだな。

 お亡くなりになった三人のうち、一人は知り合いではないがご近所さんである。もう一人は、今月仕事で会った若い人と同じ大学の同じ学年で、同じことを言っていた。「つい先日、卒業式を終えたばかり」。気が遠くなるような理不尽である。


 うっかりしているうちに東京では梅が終わり、桜が一斉に咲きだした。のんびり漫画も読めやしない。先日、●ンヂ様のコメントで教わって動画サイトを観た。ケロヨンとアケミの会話に出て来た小室哲哉氏と浦沢直樹氏が中学の先輩・後輩という話題である。

 府中の第四中学校の同窓だそうで、「20世紀少年」の開幕も同じ名前の中学校で始まる。放送室にドーナツ盤のレコード。ついでにいうと「21世紀少年」の閉幕も、ヴァーチャル・リアリティーではあるが中学校で終わる。何も変わらなかったのではなかったのであった。


 先日、自殺直前に気を取り直して助かった人の話を聞いた。飛び降りようとビルの屋上に出たところ、ある一画が光り輝いていたそうだ。そこに吸い寄せられるように向かう途中で、精神科の先生との「自殺はしない」という約束を思い出して止めたそうだ。

 カツマタ君(とケンヂが結論を出した中学生のナショナルキッド)にとっても、あのフェンスの位置が輝いていたのだろうか...。映画の方が分かりやすい構成になっていて、拡声器のすぐ上を選んだため、大音響で危うく落ちるところだった。


 これまで何の疑いもなく「20世紀少年」の少年時代は、秘密基地と万博があった小学生のころとだけ思い込んできたのだが、僕こそが20世紀少年だとカンナに威張った男は、21世紀のヴァーチャル・アトラクションの中学生として最後まで主人公に迷惑をかけている。

 T.Rexの「20th Century Boy」は、この中学生が聴いたとき以外では、フクベエを名乗る男のニセ寝室にあったCD、マルオが運転するトラックに置いてあったカセットという形で出てくる。これらがフクベエのものであるという確証はどこにもない。後年、トラックにバッヂを置いて、ケンヂに何かを思い出させようとした男はフクベエではない(はずだ)。


 さて、もう一仕事しなければ。最後はまともな話題で終わろう。この春、センバツに母校の野球部が出場しました。ベスト8まで進み、準決勝でサヨナラ負けをした。残念だが、よく頑張った。甲子園で校歌も聴かせてくれた。同級生たちは、いい年して揃いのユニフォームまで新調して応援なんぞしよって羨ましいったらありゃしない。

 この母校の校歌の歌詞は、唄い出しに「岳南健児」という言葉が出てくる。「岳」とはまず間違いなく地元のあらゆる校歌の必需品、富士山のことだろう。北にあるのは富士山ではなく赤石山脈なのだが、平地からは殆ど全く見えないのだ。歌詞冒頭の後半は、先週気付いたのだが、漫画の主人公と同じ名前である。



(この稿おわり)




前にも書いた覚えがあるが、リンゴの絵に穴をあけたのは、何とかジョブズが初めてではない。涙の航空券か...。ご冥福を祈ります。
(2015年1月2日撮影)







八面玲瓏 白雪の清きは我らの心なり ‐ 校歌

































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