おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

やな年になるぞと神様は言うけれど (20世紀少年  第914回)

 
 ここ数か月間、精神的・時間的な余裕もなく働き続けてきた仕事は、とうとう年越しになった。とはいえ年内の作業は終えたので、久しぶりにブログを書き申す。この国の報道機関は、年末になると記事のネタも底をついて、その年に亡くなった方々の特集を組むのが恒例となっておる。

 ここでは本年に限ることなく、ここ三四年の物故者のうち、小欄に取り上げたころはまだご存命であった皆さんを偲ぼう。まずは話題にした途端に亡くなった印象があるレイ・ブラッドベリ火星年代記に刺青の男。20世紀SF作家であった。


 次はアームストロング船長。俺たちの旗を月面に立てた男です。ドンキーの計画によれば攻めてくるはずの宇宙人を月で迎え討つはずであった。しかし、なぜかお留守番役のコリンズ中佐に感情移入した男が地球上で攻めてきた。

 よげんの責任を取らせるため、また、頼りになるほうの共同執筆者が行方不明だったため「地球を救え」という大命を店長に下した。幸いコンビニは何でもやらなくてはならない。それにドンキーは命が危ないと思ったのだが一目散に逃げなかった。


 先日、映画館でロードショーを観て以来、久しぶりに「鉄道員」をBSで観た。まだ舌ったらずの広末にああいう演技をさせるのが、健さんという男だったのだ。「八甲田山」は先月レンタルのCDで、初めて観た。遭難した北大路大佐の幻を見つめながら、健さんは本当に泣いていたように思う。

 そのすぐ後を文ちゃんが追うとは、さすがお互い仁義を通して生きてきた仲間だ。彼の映画をリアルタイムで観たのは、ここでも話題にした「太陽を盗んだ男」かもしれない。まさしく伝説の刑事である。ジョン・マクレインより、ずっとかっこいい。


 まさかと疑うほどに早かったのが、フィリップ・シーモア・ホフマンの死だった。なにを演らせてもうまかった。若いころから本当に凄かった。殺しても死なないような男だったのに。最後に彼を映画館で観たのは「コールド・マウンテン」。あれも良い作品だった。

 つい先日この世を去ったのがジョー・コッカーで、彼の絵は第何集だったか忘れたが、ケンヂおじちゃんがカンナに、所詮、世の中、金次第だが、それだけではないと思われると、珍しく真っ当な人生訓を垂れているシーンに出てくる。ともだちの助けがあれば何とかなるという趣旨の歌を、ウッドストックのライブ・ステージで吠えるように唄ったときの雄姿であった。

 切りがないので、この辺でやめますが、最後におまけ。今年はしんじゅくのきょうかいで、きゅうせいしゅがあんさつされることになっている。しかしまだ私のもとに訃報は届いていない。まだ何日かある。身に覚えのある方は危険な所に近寄らず、良いお年をお迎えください。




(この稿おわり)





気象衛星ひまわりが撮影



 アースが生んだ正義のマグマ
 地球の平和を守るため

    「ま」しか言えない「マグマ大使



(追記) 上記は「マグマ大使」ではなく、「ジャイアント・ロボ」の間違い。お詫びして訂正します。






  Where the eagles cry on the mountain high.

  鷲鳴く高き山の頂へ

     ”Up where we belong”   Joe Cocker