おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

今日は雑談集 (20世紀少年 第895回)

 【ご案内】 今日から、これとは別に二つのブログを新たに始めました。一つは、遠縁の一族に伝わる古文書らしきものについてで、これが本物なら私は血のつながりこそありませんが黒田官兵衛の親戚筋です。もう一つは、正岡子規と「坂の上の雲」の感想文です。

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 では、本日はタイトル通り雑談ばっかりの中身です。まずは、先日知った英語表現、「20th century classical music」。現代音楽(または、その一部)をそう呼ぶらしい。変なの。関連して純音楽という言葉もあるそうだ。なんか不純な表現ではないか。私は先日、ストラビンスキーの有名だという曲のピアノ演奏を聴いたのだが、気の毒に彼は音痴だったんだなという感想しか持てなかった。

 純音楽といえば映画「20世紀少年」で山の男を演じていた遠藤賢司は純音楽家と名乗っていたが、この件について彼の感想も伺いたい。遠藤ケンヂによればロックに定義はないそうだが、純音楽家に定義があるなら聞いてみたいな。いつまでも自分たちだけ古典と言っている西洋人と、それを有難がる小金持ち日本人のスノビズムが私は好きになれない。


 遠藤賢司(実在のほう)は先日読んだ雑誌の記事によると、日本語を大事にしなければならないという考え方の持ち主であり、英語などは使わないのだそうだ。カレーライスもぎりぎり日本語だろうか。自分たちの言葉である象形文字を使わなくてどうするというご意見であった。

 最近すっかりヒット・チャートを聴かなくなった私は、たまにシングル・ヒットのトップ10リストなどを見ても、一体これはどこの国のチャートかと悩む。まれに「何とか酒」なんてタイトルが紛れ込んでいると嬉しくなる。自覚があるが私はロックであろうと言語情報(歌詞)を重視する。エンケンさんのおっしゃる通りで、意味の分からない英語か何かを歌って聴いて楽しいか。


 さて、次の話題は物騒な事件で、新宿で焼身自殺を図った男のニュースである。テレビやネットの画像でご覧になった方はご存じだと思うが、現場は空中の歩行者通用路で、高架だから頑強な鉄骨でできている。なんぼ信仰や教条の自由が認められている国だといっても、あんな場所でそんなことをしたら他人様に迷惑がかかるではないかというのが私の第一印象。

 次に思い出したのが、このブログで血の大みそかに巨大ロボットが当夜なぎ倒して行ったに違いない靖国通りの歩道橋の写真を何枚か取ったときのことだ。あのときは千代田区だけで済ませたのだが、巨大ロボットは新宿南口を通過しているので、間違いなく今回話題の鉄骨歩道を打倒している。しかし、あれって窒素の風船ではなかったっけ?


 そういえば最近ようやく当時のネット情報を読めるようにしたのだが、その中に一つ、ちょうどこのころアメリカで同時多発テロが発生したため、直後に浦沢さんはビル街が大爆発するシーンを自粛せざるを得なくなったようなことが書かれていた。すでに日本の漫画も世界に発信される時代だったし、仮にそうでなくとも大勢の日本人も亡くなっている。

 これが本当なら、それでようやく第5集でケンヂたちがロボットに立ち向かった途端に、2014年のカンナの場面に切り替わったわけがわかった。そのあとはだいぶ経ったころに神様とオッチョの回想などで事件の詳細が語られるという構成になったということか。また、漫画ではあれだけのウィルスがばら撒かれながら、無差別殺人的なシーンが殆ど描かれていないのも、同じ理由によるものではないかと思う。

 あれは21世紀になった途端の出来事だった。もう13年も前のテロ事件だ。小中学生はリアル・タイムで経験していないんだな。オウムなんて大昔か。オウム的なものは必ず蘇ると村上春樹は警告している。すでにネット犯罪には似たような兆候が見られるように思う。


 ところで映画では、あのときケンヂが乗り込んだ運転席はシェルターになっていたと、左遷された万丈目が万丈目という焼酎に酔っぱらって解説している。しかし、あんなに高く遠くに飛んでは幾ら樹木のクッションがあっても、乗客の安全は確保されないのではないか。あの辺の林というと方角からし新宿御苑だが密林ではないし、かなり距離がある。

 漫画同様、触れずにいたほうがよいのかもしれない。それにしても映画は独自色の一環として、原作が素通りした箇所の謎解きや解説に力を注いでおり、ケンヂのダイナマイトが爆発しなかった理由も、高所から落ちたはずのフクベエが生き延びたのも、北海道でケンヂがバイクとギターを調達した方法も(万引きと言ったら気の毒か)描いている。


 中でも太陽の塔の腕に立つ”ともだち”がホログラムになっているのは面白い。あの場面、確かに”ともだち”は本体なら危険である。自分たちが起爆しても、あるいはケンヂが先にダイナマイトを爆破させても、ビル群が吹っ飛ぶほどの大爆発があったら、もろに爆風を受けるおそれがある。飛ばされて墜ちたとき用の工夫は得意なようだが、火や熱に襲われたら命が危ない。

 ただし、”ともだち”一派はともだち歴3年になっても、まともなレーザー銃を作れない連中であった。映画で本人もコンサートのステージ上でケンヂ相手に威張っていられたのは銃の不出来を知っていたからで、偶然命拾いをしたのではない。そしてホログラムはレーザー照射なのである。どう説明する? いかん。アラ探しみたいになってきた。


 あの映画で嬉しかったのはレコードのジャケットである。T.Rexの「20センチュリーボーイ」の原色のシートは初めて観た。DJコンチの部屋にはCCRの「雨を見たかい」があった。そして、背後に「PEARL」のLPジャケットも立てかけてある。ソファに横座りしているのは、これが遺作となったジャニス・ジョプリン。真珠のような笑顔という意味のあだ名だった。

 学校に通っていたころは可愛くなかったし目立たなかったから、つまらなかった。でも、このまえ久しぶりに招かれて同窓会に出たら、みんな私のことを知っていて歓迎してくれたのよ。うれしかった。彼女はインタビューもそんな調子であったらしい。ロックに関する限り、あと何年か前に生まれていたら、どれほど恵まれていたことか。人生くるわせたかもしれないが。




(この稿おわり)




岩手はワカメの名産地でもあります。
(2014年7月5日撮影)






今年の東京は梅雨の振り方が変則的だったせいか、紫陽花の季節が短くて残念。
(2015年7月8日撮影)
































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