おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

選挙 (20世紀少年 第552回)

 今回から4日間は「20世紀少年」と関係がありません。いま考えあぐねていることが二つどほあるので、この場を借りて少しでも頭の中を整理したい。人に読まれるかもしれない場を使えば、その緊張感で多少はこの頭も働くかもしれないと儚い望みをいだきつつ。

 このブログではこれまで時事に関する問題を極力さけてきた。理由は簡単明瞭で、今の世の中、暗い話題ばかりだから娯楽作品の感想文にはそぐわないのである。だが、またも衆議院が約束の任期を満了することなく解散してしまった。与野党そろって職場放棄でしょう。

 先ほど述べた二つの悩みとは、一つ目が来たる総選挙、そして私の場合は都知事選も含め、どういう判断基準で投票すべきかという点であり、もう一つは関連して原発をどうするのかという件。いずれもまだ結論を出せないでいる。


 原発は後に取り上げるとして、選挙については「どの政党に投票したらいいか分からない」という声を、周囲からもテレビのインタビュー等でもよく聞く。一つには政治家が情けないという気分が蔓延していることもあるが、他方で、世の中がこうも複雑に混乱してくると、一有権者にとって或る政党の主張Aは大いに支持するが、同じ政党の主張Bには大反対ということが当然、起きる。

 特定の政党との間に余ほど深い利害関係を持つ人以外、つまり私のような無党派層は、迷って当たり前の状況になっている。大問題が多すぎるのだ。原発も含めたエネルギー、国家財政、TPP、社会保障、経済政策、領土紛争、いじめや少子化等の社会問題などなど。

 こんなに長期的で解決困難なヘビー級の課題をかかえた日本は、私が生まれてから初めてではないだろうか。実は私はけっこう楽観的で、この頑張りすぎるほど頑張る民族は、いつの日か難局を乗り越えて先に進むと信じているが、とにかく先ずは目前の選挙だ。


 最近の何回かの国政選挙で、われわれは間抜けだったのかもしれない。知り合いに年上の聡明な女性がいるのだが、「私たちって、なんてバカだったんでしょうね」と言っている。毎回、テーマがいつの間にか絞り込まれて、国民投票のようになった。郵政民営化しかり、年金問題しかり、政権交代しかり。

 唯一つの論点を強調して、誰かが誰かを上手いこと悪役に仕立て上げ、それに乗せられた私たちは社会悪に鉄槌を食わせたつもりで快哉を叫んでいたようだ。人気投票というか、陶片追放というか、あまりに視野の狭い選挙をしてきたと、結果論そのものだが私はそう思う。挙句の果てに総理大臣が生徒会長のように毎年交代する国になってしまった。


 ではどうしたら良いか。私は天下国家を論じ得る能力などないし、そういう立場でもない。したがって、結局は良かれ悪しかれ民主主義を標榜する国家なのだから、まずは自分の仕事や家庭生活、家族親戚の子供たちの将来のことを考えながら、各テーマごと自分にとっての優先度をつけて、その高い方から順番に自分の判断を下していき、最後に総合的な見解を打ち立てるのが良策であると思う。とても大変な作業だけれど。

 しかし、情けないことに今の私はその優先度すら決められずにいる。では世間様はどうお考えだろうか。新政党が乱立し始めて十数党が名乗りを挙げた十日ほど前(11月下旬ごろ)、うちの新聞にアンケート調査結果が報じられていて、どの政治的問題に一番、関心があるかという質問に対し、頭抜けて一位になったのが原発


 二位は原発の半分ほどの票を得てTPP。三位はさらにその半分ぐらいの支持を受けて、経済政策や軍事外交その他が幾つか並んでいるという構図であった。原発は悩ましいが次々回に触れるとして、TPPはむしろ私には悩みたくても悩みようがないものだ。藤原正彦氏がどこかで指摘していたとおり、日本の主たるマスコミすなわち全国紙とテレビのキー局すべてがTPP大賛成なのである。

 天下の奇観であるが、まるで戦前とそっくりだ。政府と大手メディアがこぞって大賛成であるということは、一般の庶民にとっては、もしかすると大賛成しないほうが良いことかもしれない。それを検証しようにも両論併記がお得意の大新聞や公共放送をみていても、私が鈍いのでない限り、副作用も大きいはずのTPP加盟のデメリットが殆ど解説されていない。農家の反対意見ぐらいしか出てこない。


 なぜ、こういうふうに偏向するのかは次回、考えるとして、先ほどの続きになるが大変気になることに、12月に入って新政党の集合離散もある程度、進んできたところ、またもや政争の論点が唯一つに、すなわち原発の賛否に絞られつつあるような嫌な予感がする。  

 またぞろ国民投票をやらせようということか。大きな政党ほど推進派のようではあるけれど...。無党派を敵に回しなくないのか、賛成側の歯切れが悪いのも気になる。これは誰を利するのか。用心するに越したことはない。党首の多くは福島で選挙演説を開始するようだが、一番困っている県民は今、福島から追い出されているのに。




(この項おわり)





秋もうららの隅田川 (2012年11月27日撮影)




































































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