おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

よげんの書 (二)      (20世紀少年 第145回)

 前回からの続き。ケンヂは4年生のわりに漢字を知らないようだが、どうやら地名だけは調べて書いている様子。

 そして悪のそしきの次のねらいは 羽田空港でした!!東京は、にげ場のない きょうふをあじわうこととなりました。

 第3巻128ページ、すでに見たように「細菌攻撃ばかりじゃ、能がないな」とケンヂ、交通機関がよいとヨシツネ、飛行場がよいとオッチョ。当時、成田空港はなかったと万丈目。逃げ場を封じたつもりが、成田のおかげで効果半減であった。爆破された空港と飛行機の絵が添えられている。


 しかし、ほんとうのきょうふは これからなのです!! 世界めつぼうの のろしがあがり...。

 この場面は、稿を改めて語ります。次。よげんの書のクライマックス。


 2000年12月31日!! ズーン、ズーンと おそろしい地なりとともに、ついにそのきょだいなかげは、東京にすがたをあらわしました。原子力きょだいロボット!! さいきんを ばらまきながら、はかいのかぎりをつくす!! はたして21せいきはくるのでしょうか!! 東京の... いや、世界のうんめいやいかに!!

 ジャイアント・ロボのようなのが良いというユキジ案を一蹴して、ケンヂが描いた(これしか描けない)鉄人28号風の巨大ロボット。原子力はオッチョの案。「たかさ50メートル、おもさ100まんトン」はケンヂの案だろう。これは重いな。この、いい加減なスペックの設定が、後に敷島教授を悩ませることになる。


 そこに... 9人の戦士がたちあがったのです。地球のへいわのため、かれらはどうたたかうのでしょうか。

 この文章に添えられているのは、オッチョ作の「俺達の仲間の印」。ともだちが要求した「9人」の謂われである。さて、第5巻の64ページ目、地下の水道沿いに座り込んで、「よげんの書」を読み返しているケンヂは、「ここで、やぶけちまっている」とつぶやいている。

 紙の残骸の絵からして、最後の2ページが破られている様子なのだ。破り取られた紙は、どこに行ったのであろう。以下、次号です。


(この稿おわり)



マルオの「東京タワー襲撃案」は、怪獣映画でいつも壊されているからだめというケンヂの反論で消えた。東京スカイツリー隅田川の歩道橋、桜橋からの風景。
(2011年10月16日撮影)