おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

もう一つの「戦争論」  (第1903回)

クラウセビッツでもないし、小林よしのりでもない。坂口安吾が昭和二十三年(1948年)に、雑誌名だと思うが「人間喜劇」に発表した論評。終戦の3年後だ。私が持っているのは、新潮文庫「堕落論」に入っているもの。 学生時代は安吾が好きで、寒い京都の冬、…

文章読本  (第1902回)

もしかしたら、ご迷惑をおかけした方がいらっしゃるかもしれないので御詫びからです。事務的なミスをして、URLを変更せざるを得なくなりました。タイトルやこれまでの記事など、他は全て変更ありません。 今回は少し趣向を変えて、ご案内したい書籍は丸谷才…

ミリタリー・コントロール  (第1901回)

雑誌「ざっくばらん」の巻頭論文20選という副題のついた「天下国家を論ず」という本がある。奈須田敬著、並木書房(著者の会社)、2011年7月発行。その時期だったから、あとがきに、「現実は見るとおりの悲惨さ」、「日本国民は肩をこすりあわせて生きのびて…

異常な法秩序に突入したこの状況  (第1900回)

本日の題材にする書籍は、「『憲法改正』の真実」(集英社文庫)。憲法学者の樋口陽一と小林節の対談集。タイトルは、この本の序「はじめに」に置かれた、樋口さんの発言から採った。 本書はすでに読まれた方も多いかと思う。まだの方は、今からでも遅くない…

目的と手段  (第1899回)

池上彰「超訳 日本国憲法」(新潮新書)という本がある。2015年4月20日発行。池上さんは、私の子供が子供だったころ「週刊こどもニュース」のお父さんをやっていて、日曜日の夕方だけは休もうと決めていたころだったため、ときどき観ていた。NHKがお長いだけ…