おじさんの雑記帳 

「20世紀少年」の感想文そのほか 寺本匡俊 1960年生 東京在住

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

待つこと、そして希望を持つこと  (第1024回)

映画の感想文は、時系列にこだわらずに書きたいと述べた覚えがあるが、結局、時系列になっている。当たり前だが、筋を追っていく方が楽だ。最初の映画「第1章 終わりの始まり」の終わりまで来ました。主人公が驚いたり怒ったりしている間に爆発してしまう。 …

I, Robot   (第1023回)

第8集において大みそかのケンヂは「こんなもの俺は、ロボットとは呼ばない」と、巨大物体の正体を見て叫んでいる。3年前には「こんなものは俺は、ロックとは呼ばない」とも言っていた。今般は趣味嗜好の問題どころではないのにレトリックが同じである。奴は…

最初の発見者  (第1022回)

繰り返しになりますが、三部作の映画のうち、第一作は漫画と比べても、それほど大きな内容の変更はない。敢えて言えばクラス会の設定が学年の同窓会になっているのだが、スト―リーに大きく影響するほどのものではないと思う。 あの会のポイントは、まず40歳…

1968: A Space Odyssey  (第1021回)

前回、SF古典のタイトル群から知名度ナンバーワンの「2001年宇宙の旅」を外したのは、今回、駄洒落で使いたかったからです。1968年を選んだ訳は、これから述べます。ちなみに1968年は、このキューブリックの映画が公開された年でもあります。彼は2001年を見…

The Left Hand of Darkness  (第1020回)

SF小説の古典には、シンプルで詩的な印象を与える題名が多い。原題がすでにそうであり、翻訳者も下手にいじらず、そして出版社も含め、そのまま片仮名にするような芸のない人たちではなかった。「幼年期の終わり」、「われはロボット」、「火星年代記」、「…

遊び  (第1019回)

長いこと映画の感想文から離れてしまった。今回は、まじめに映画を語ろうと思う。この作品は、特に2000年において、何月何日の出来事であったのかを字幕で教えてくれる。のろしが上がったのが12月28日で、そのあとは大みそかだ。それまでどおり、ずっと時系…

コウモリだけが知っている  (第1018回)

脱線します。去年、マンガ好きの息子に「20世紀少年」を知っているかと尋ねたところ、「名前だけは」という生意気な返答があった。これだから若い者は困る。さらに返す刀で、ビリーバットは面白いが知っているかと逆に質問してきた。同じ返事をしました。い…

家にたどりつけるかな  (第1017回)

日本語の「家」も、英語の「ホーム」も多義で、家屋(ハウスと同じ)という意味もあるし、家庭(ファミリーと暮らすところ)という意味もある。これを区別する必要がないからでもあるが、最近そうでもなくて東京都の世帯ごとの平均人数が二人を切った。全国…

どれだけ歩いたら  (第1016回)

どうにも私の文章は長い。長すぎて、なかなか自分でも読み返す気になれず、そのせいで恥ずかしながら誤字脱字が無闇に多い。ということで短くするよう頑張ることにした。話題は性懲りもなく「ボブ・レノン」のどこがボブ・ディランに似ているかである。幸い…

破壊の神  (第1015回)

感想文に戻ります。破壊の神とは、ロボット会議で万丈目が人迷惑なロボットにつけた別称であるが、神でも近代兵器でもなく、オッチョの目撃談によれば蛸のような頭部は窒素の風船に過ぎなかった。ケンヂも怒っており、こんなものは俺たちの夢見た未来ではな…

二人のロバート 【後半】  (第1014回)

承前。ハモンドさんのコンサート情報は、長い文章なので真ん中を端折り、右のとおり最後の部分だけアップします。 コンサート会場はニューヨークのカーネギー・ホール。主演はカウント・ベイシーと彼のオーケストラ。公演日は1938年12月23日(金)の夕方。ク…

二人のロバート 【前半】  (第1013回)

欧米人の名前は、キリスト教関係の聖人君子に由来するものが多い。それは別にどうということはないのだが、日ごろジョンだのポールだの「さん付け」もせずに呼び散らかして、抵抗は覚えないのだろうか。教会や聖書では、同じ名が信仰目的で使われているのだ…

BLUES BROTHERS  (第1012回)

前にルート66を話題にしたとき、その東側の終着駅シカゴに旅した思い出話を少し書いた。1987年だったと思う。当時、エンパイア・ステート・ビルに次いで世界二位の高さだったジョン・ハンコック・センターのビルにも上った。何とかと煙は高いところが好きな…

ブルース・ハープ  (第1011回)

一般にハープと言えば、ギリシャ神話やビルマの竪琴に出てくる見目麗しき弦楽器のことだ。どんな音かと問われれば、真っ先に思い浮かぶのはビゼー作曲「アルルの女」のメヌエット。近年では「千と千尋の神隠し」で木村弓さんが歌いながら奏でていた「いつも…